かんばん方式の概要と仕組み

循環型のプロセスを重視した他のアジャイル手法とは異なり、かんばん方式は最適化されたワークフローを重視します。かんばんでは、かんばんボードを活用して作業を可視化し、処理できる作業量の上限を設定し、作業の流れを分析して継続的な改善を行うことで、ワークフローを改善します。

かんばんの主な要素をいくつか見てみましょう。

主要なプレーヤー

かんばんチームの主要なプレーヤーは、スクラムチームの主要なプレーヤーと似ていますが、スクラムマスターが存在しない点が異なります。 誰かがプロジェクトマネージャーや監督者の役割を務めるのも妥当に思われるかもしれませんが、理論的には、この役割は、必要となったときに自然発生するとされます。

可視化：かんばんボード

かんばんボードの形式は様々な方法で決められます。チームが運用するボードは、任意の数の列を持つことができます。各列は、実行中の作業のステータスを表します。

最も単純なボードでは、最初の列は「やること」、2 番目の列は「進行中」、3 番目の列は「完了」です。

多くの企業には、列の名前に適した独自の用語があります。または、プロセスの各ステップを列挙する場合もありますが、目的は同じです。チームメンバーは、作業のステータスに応じて、列から列へとストーリーを進めていきます。

優先順位付け

チームメンバーは、プロダクトマネージャーやプロジェクトマネージャーと協力して、バックログのストーリーや他のステータス列のストーリーが優先され、作業が完了に向かって進行し続けていることを確認します。プロダクトマネージャーは引き続き、お客様の声が反映され、製品が正しい方向に進んでいることを確認する責任を負います。

処理中の作業を制限

かんばんの独特な側面の 1 つが、チームの処理能力に上限が設定され、チームが一定期間に処理できるストーリーの量が決まっている点です。チームは、「TODO」と「進行中」の列で抱えるストーリーについて、自分たちが希望する特定の件数だけ選び、バーンアウト防止のためにその数字を超えないようにします。ストーリーが「完了」まで進むと、バックログのストーリーが「TODO」の列に移動します。

継続的な改善

かんばんは、チームが自分たちの有効性を測定するためのシステムを提供することで、継続的な改善を実現します。ワークフローの運用、ワークフローの各項目の所要時間、納期を守って成果物を出荷している頻度を明確に確認できます。これにより、生産力を最適化するためにさまざまな処理方法を実験することが容易になります。