アダプティブフォームのウィザードレイアウトとは、複数の手順またはページに分割されたフォームを指し、ユーザーはフォーム内を 1 つの手順ずつ移動します。 順を追ってフォーム内でユーザーをガイドするため、このレイアウトは「ウィザード」と呼ばれます。
ウィザードの各ステップには、通常、関連するフォームフィールドのグループと、ステップ間を移動するための「次へ」や「戻る」ボタンなどのナビゲーションメカニズムが含まれます。 ユーザーは、現在のステップが完了してすべての必須フィールドに値を入力したら、次のステップに進むことができます。
ウィザードレイアウトは、収集する必要のある多数のフィールドや情報を持つフォームで役立ちます。フォームは、より小さく、管理しやすいブロックに分類されます。また、ユーザーが一度に 1 組のフィールドに集中できるので、フォーム入力に感じる負担を減らすことができます。
ただし、ユーザーがフォームを完了するには複数のページを進む必要があるので、フォームが複雑になる可能性もあります。 そのため、ウィザードレイアウトを使用するかどうかは、フォーム要件とユーザーのニーズを評価してから判断する必要があります。
ウィザードレイアウトは、アダプティブフォームでウィザードレイアウトコアコンポーネントを使用して作成できます。
例
アダプティブフォームでウィザードのレイアウトを使用には、次のようないくつかの利点があります。
シンプル:フォームを複数の手順に分割すると、一度に 1 つのフィールドセットに焦点を当てることができるので、ユーザーがフォームを理解して完了しやすくなります。
整理:トピック別または目的別にフォームを整理するのに役立ちます。また、関連するフィールドをグループ化して、フォーム入力プロセスをより論理的かつ効率的にすることもできます。
検証:段階的な検証が可能のため、フォームの最後まで待たずにエラーの特定と修正を行うことができます。
進行状況のインジケーター:フォームの進行状況を表示できるため、ユーザーは完了までの残りの分量を把握することができます。
長いフォーム:フォームに多くのフィールドが含まれている場合、すべてを一度に表示するとユーザーが圧倒的される可能性があります。フォームをより小さくて扱いやすいブロックに分割すると、負担感を軽減できます。
放棄の回避:進行状況を確認して残りの分量を把握できるとフォームの完了が促進されるため、フォームの放棄を減らすのにも役立ちます。
モバイルエクスペリエンス:読み込みが速く、移動が容易な小さいページにすることもできるため、モバイルデバイスからアクセスされるフォームにも使用できます。
全体的に、ウィザードレイアウトを使用すると、ユーザーはフォームによりスムーズかつ効率的に入力することができますが、このレイアウトを使用する前には、フォームの複雑さとユーザーのニーズを考慮することが重要です。
アダプティブフォームのウィザードレイアウトコアコンポーネントは、コアコンポーネント 2.0.4 の一部として 2023年2月にリリースされました。次の表に、サポートされているすべてのバージョン、AEM の互換性、対応するドキュメントへのリンクを示します。
コンポーネントのバージョン | AEM as a Cloud Service | AEM 6.5.16.0 Forms 以降 |
---|---|---|
v1 | リリース 2.0.4 以降と互換性あり |
リリース 1.1.12 以降、2.0.0 未満と互換性があります。 |
コアコンポーネントのバージョンとリリースについて詳しくは、コアコンポーネントのバージョンドキュメントをご覧ください。
アダプティブフォームのタイトルコアコンポーネントの最新情報については、GitHub のテクニカルドキュメントをご覧ください。コアコンポーネントの開発について詳しくは、コアコンポーネント開発者向けのドキュメントをご覧ください。
設定ダイアログでは、訪問者に合わせてウィザードエクスペリエンスを簡単にカスタマイズできます。 また、簡単にウィザードのオプションを定義して、シームレスなユーザーエクスペリエンスを実現することもできます。
名前 - フォームコンポーネントは、フォーム内とルールエディター内の両方の一意の名前で簡単に識別できますが、名前にスペースや特殊文字を含めることはできません。
タイトル - タイトルを使用すると、フォーム内のコンポーネントを簡単に識別できます。デフォルトでは、コンポーネントの上にタイトルが表示されます。
タイトルを非表示 - コンポーネントのタイトルを非表示にするには、このオプションを選択します。
オブジェクトにデータを含める - このオプションを選択すると、ウィザードのフィールドデータを JSON オブジェクト内に配置できます。 これが選択されていない場合、JSON 送信データはウィザードのフィールド用のフラット構造を使用します。
レイアウト - ウィザードには固定レイアウト(シンプル)または柔軟なレイアウト(レスポンシブグリッド)を使用できます。 シンプルなレイアウトでは、すべてを固定した状態に保ち、レスポンシブグリッドでは、必要に応じてコンポーネントの位置を調整できます。例えば、レスポンシブグリッドを使用して、「名」、「ミドルネーム」、「姓」を 1 行にフォーム内で整列できます。
バインド参照 - バインド参照は、外部データソースに保存され、フォーム内で使用されるデータ要素への参照です。 バインド参照を使用すると、データをフォームフィールドに動的にバインドして、フォームにデータソースの最新のデータを表示できます。 例えば、フォームに入力された顧客 ID に基づいて、顧客の名前と住所をフォームに表示できます。 さらに、フォームに入力されたデータでデータソースを更新することもできます。 このように AEM Formsで外部データソースとやり取りするフォームを作成して、データの収集と管理のためのシームレスなユーザーエクスペリエンスを提供できます。
コンポーネントを非表示 - フォームでコンポーネントを非表示にするには、このオプションを選択します。 このコンポーネントは、他の目的(ルールエディターでの計算に使用するなど)にも利用できます。 これは、ユーザーが表示する必要のない情報や直接変更した情報を保存する必要がある場合に役立ちます。
コンポーネントの無効化 - コンポーネントを無効にする場合は、このオプションを選択します。 エンドユーザーは、無効になっているコンポーネントをアクティブにしたり、編集したりすることはできません。 ユーザーはフィールドの値を表示できますが、変更することはできません。 このコンポーネントは、他の目的(ルールエディターでの計算に使用するなど)にも利用できます。
短い説明 - 短い説明は、特定のフォームフィールドの目的に関する追加の情報や説明を提供する簡単な説明文です。 これにより、ユーザーは、フィールドに入力するデータの種類を理解しやすくなります。また、入力された情報が有効で目的の条件を満たしていることを確認できるように、ガイドラインや例を提供できます。デフォルトでは、短い説明は非表示になっています。 「短い説明を常に表示」オプションを有効にすると、コンポーネントの下に説明が表示されます。
短い説明を常に表示 - このオプションを有効にすると、コンポーネントの下に短い説明が表示されます。
ヘルプテキスト - ヘルプテキストとは、フォームフィールドの正しい入力を支援するためにユーザーに提供される追加の情報やガイダンスを指します。コンポーネントの横に配置されているヘルプアイコン(i)をクリックすると表示されます。 ユーザーがフィールドの要件や制約を理解できるように設計されているヘルプテキストは、フォームフィールドのラベルやプレースホルダーテキストよりも詳細な情報を提供できます。また、フォームへの入力をより簡単かつ正確にするための提案や例を提供することも可能です。
スクリーンリーダー用テキスト - スクリーンリーダー用テキストとは、視覚に障害のあるユーザーが使用する支援テクノロジー(スクリーンリーダーなど)によって読み上げられる追加のテキストを指します。 このテキストでは、フォームフィールドの目的に関するオーディオの説明が提供され、フィールドのタイトル、説明、名前および関連するメッセージ(カスタムテキスト)に関する情報を含めることができます。スクリーンリーダー用のテキストを使用すると、視覚に障害のあるユーザーを含むすべてのユーザーがフォームに確実にアクセスして、フォームフィールドとその要件を完全に理解できるようになります。
スクリーンリーダーが通知を行うための HTMLの役割 - HTMLの役割は、スクリーンリーダーなどの支援テクノロジーに対する HTML 要素の目的を指定するための属性です。役割の属性は、要素に追加のコンテキストと意味論的意味を提供するために使用されます。これにより、スクリーンリーダーがコンテンツを解釈して読み上げやすくなります。 例えば AEM Formsでは、フォームフィールドのラベルが「label」という役割を持ち、入力フィールドが「textbox」という役割を持つ場合があります。 これにより、スクリーンリーダーはラベルと入力フィールドの関係を理解し、ユーザーに対して正しく通知できるようになります。
デザインダイアログでは、テンプレート作成者がデフォルトでの表示方法を制御できます。アダプティブフォームのウィザードコンポーネントでは、次の設定を行うことができます。
この名前を使用することで、フォームの作成やカスタマイズのプロセスが、分かりやすく効率的になります。
「許可されたコンポーネント」タブでは、アダプティブフォームエディターのウィザードコンポーネント内のパネルに、項目として追加できるコンポーネントをテンプレートエディターで設定できます。
このタブでは、アダプティブフォームエディターのウィザードコンポーネント内のパネルに、項目として追加できるコンポーネントをテンプレートエディターでマッピングできます。
このタブでは、レスポンシブグリッドに表示する列数をテンプレートエディターで設定できます。
「コンテナ設定」タブでは、コンポーネントの位置をアダプティブフォームエディターで設定できます。
タブを使用して、コンポーネントの CSS スタイルの定義と管理を行います。アダプティブフォームのウィザードコアコンポーネントは、AEM のスタイルシステムをサポートしています。
デフォルトの CSS クラス:ウィザードコンポーネントのデフォルトの CSS クラスを指定できます。
許可されたスタイル:スタイルを表す名前と CSS クラスを指定してスタイルを定義します。 例えば、「bold text」という名前のスタイルを作成し、CSS クラス「font-weight: bold」を指定できます。アダプティブフォームエディターでアダプティブフォームにこれらのスタイルを使用または適用できます。スタイルを適用するには、アダプティブフォームエディターでスタイルを適用するコンポーネントを選択し、「プロパティ」ダイアログに移動して「スタイル」ドロップダウンリストから希望のスタイルを選択します。スタイルを更新または変更する必要がある場合は、デザインダイアログに戻り、「スタイル」タブでスタイルを更新して変更を保存します。