Experience Manager デスクトップアプリケーション v1.10 の使用 use-aem-desktop-app-v1x

デスクトップアプリケーションを使用すると、Experience Manager 内のアセットにローカルデスクトップから手軽にアクセスし、任意のデスクトップアプリケーションで利用できるようになります。アセットは Mac Finder や Windows エクスプローラーで容易に表示したり、デスクトップアプリケーションで開いたり、ローカルで変更したりできます。変更内容は Experience Manager に保存され、リポジトリー内に新しいバージョンが作成されます。

このような統合により、組織内の様々な役割のユーザーが Assets でアセットを一元管理し、Creative Cloud やその他のアプリケーションからアセットにアクセスできるようになります。さらに、ブランディングなど様々な基準に準拠することが容易になります。

Experience Manager デスクトップアプリケーション v1 を使用しておこなう主なタスクは次のとおりです。

様々な推奨事項や注意事項については、アプリケーションを使用する際のベストプラクティスを参照してください。デスクトップアプリケーションの使用時に問題が発生した場合は、 Experience Manager デスクトップのトラブルシューティングを参照してください。

NOTE
デスクトップアプリケーションは Experience Manager 6.1 リリースで導入され、当初は Experience Manager Assets Companion App と呼ばれていました。

クリエイティブワークフローでの Experience Manager デスクトップアプリケーションのタッチポイント aem-desktop-app-touch-points-in-the-creative-workflow

Experience Manager デスクトップアプリケーションおよび Assets はクリエイティブワークフローで統合され、以下のタッチポイントが提供されます。

Experience Manager デスクトップアプリケーションのタッチポイント(クリエイティブワークフロー)

Experience Manager デスクトップアプリケーションのタッチポイント(クリエイティブワークフロー)

デスクトップアプリケーションのインストールと Experience Manager サーバーへの接続 installandconnect

クリエイティブアセットの作成または編集を開始するには、まず、リポジトリーのアセットをダウンロードおよびアップロードするためにデスクトップアプリケーションを Assets サーバーに接続します。以下の作業をおこないます。

  1. アプリをインストールします
  2. 環境設定および接続の詳細を設定します。
  3. Experience Manager サーバーに接続し、アセットリポジトリーをローカルドライブとしてマウントします。
  4. Experience Manager サーバーでデスクトップアクションを有効にします。

Experience Manager デスクトップアプリケーションは、安全かつ堅牢にアセットを転送するために、Experience Manager サーバーへの接続に HTTPS 接続を使用します。

NOTE
インストールおよび設定手順の一部または全体で、Experience Manager 管理者またはシステム管理者のサポートが必要になることがあります。

アプリケーションのインストール installapp

Experience Manager デスクトップアプリケーションを使用するには、Experience Manager サーバーのバージョンがデスクトップアプリケーションでサポートされていることを確認します。使用するオペレーティングシステム(Mac または Windows)に適したインストールファイル(バイナリ)をダウンロードして、アプリケーションをインストールします。

ネットワークおよびシステムの環境設定によっては、詳細な設定が必要になることがあります。詳しくは、 Experience Manager デスクトップアプリケーションのインストールと設定を参照してください。

  1. Experience Manager デスクトップアプリケーション v1.10 のダウンロードページに移動し、オペレーティングシステムに適したバイナリをダウンロードします。

  2. ダウンロードしたインストールファイルを実行し、画面上の指示に従ってアプリケーションをインストールします。

    note note
    NOTE
    インストールして一度にアクティブ化できる Experience Manager デスクトップアプリケーションのインスタンスは 1 つだけです。

アプリケーション内のオプションと環境設定について inapppref

アプリケーションでは、Experience Manager サーバーとの接続および切断、アップロードステータスの表示、ローカルキャッシュの管理などの設定をおこなうことができます。通常は、デフォルト設定で使用することができます。必要に応じて、アプリケーションや Experience Manager サーバーとの統合について詳細な設定をおこなうことができます。以下では、様々な設定について詳しく説明します。

Explore Assets:Assets リポジトリーをマウントしたローカルドライブを開きます。つまり、ローカルマシンで利用できるようになったアセットを参照します。

View Asset Status:変更したアセットを Assets リポジトリーにアップロードしたり、新しいアセットを追加したりするときは、アセットがバックグラウンドでアップロードされます。バックグラウンドで処理されるので、サイズの大きいアセットでもアップロード完了まで待つ必要がなくなり、円滑な作業が可能になります。ユーザーは変更内容をローカルで保存するだけです。これらのアセットをアプリケーションからサーバーに送信するには、ある程度の時間がかかります(利用可能な帯域幅によります)。アップロードのステータスや、その他いくつかの基本情報を確認できます。

Options:デスクトップアプリケーショントレイから「Options」をクリックすると、システム起動時にアプリケーションを起動したり、アプリケーション起動時に Experience Manager サーバーに接続したり、マウント後に Assets を利用できるローカルドライブ文字を変更したりするための設定にアクセスできます。

Advanced/Manage Cache:ローカルキャッシュに使用するディスク容量を管理できます。Assets サーバーのアーティファクトがローカルにキャッシュされ、スムーズに利用できるようになります。要件に応じてデフォルト設定を変更することができます。キャッシュをクリアして、すべてのアセットを取得し直すこともできます。キャッシュをクリアした場合でも、未保存の変更内容は維持されます。Experience Manager サーバーにチェックインしていないアセットは、削除されずにそのまま保持されます。

Experience Manager サーバーへの接続 connect

アプリは、Windows および Mac のプロキシ設定をサポートします。設定はアプリの起動時に読み込まれます。プロキシ設定を変更した場合は、変更を適用するためにアプリを再起動します。

NOTE
プロキシ設定を変更した場合は、変更を適用するためにアプリを再起動します。それ以外の場合、アプリは設定済みのプロキシサーバーを引き続き使用します。
  1. Experience Manager デスクトップアプリケーションを起動します。アプリケーションに Experience Manager インスタンスをマッピングするには、Experience Manager サーバーを https://[aem-server-url]:[port] の形式で指定します。

    Mac での認証と Experience Manager サーバー URL の提供

  2. ログイン画面で、インスタンスのユーザー名とパスワードを指定します。別の Experience Manager インスタンスを指定するには、「Alternate Login URL」オプションを選択します。

    Experience Manager デスクトップアプリケーションのログイン画面での Experience Manager サーバーの資格情報の入力

Experience Manager Web インターフェイスでのデスクトップアクションの有効化 desktopactions

Assets ユーザーインターフェイスから、アセットの場所を参照したり、アセットをチェックアウトしてデスクトップアプリケーションで編集用に開いたりできます。これらのオプションはデスクトップアクションと呼ばれており、デフォルトでは有効になっていません。デスクトップアクションを有効にするには、以下の手順に従います。

  1. Assets インターフェイスで、ツールバーの右上隅にあるユーザーアイコンをクリックまたはタップします。

  2. My Preferences」をクリックして、Preferences ダイアログを表示します。

    ユーザーの環境設定を表示している Experience Manager インターフェイス

  3. User Preferencesダイアログで、「Show Desktop Actions For Assets」を選択し、「Accept」をクリックします。

    「Show Desktop Actions For Assets」をオンにすると、デスクトップアクションが有効になります。

    図:「Show Desktop Actions For Assets」をチェックしてデスクトップアクションを有効化する。

デスクトップでのアセットへのアクセスとオープン openondesktop

Open」をクリックしてローカルマシンでアセットを開くと、アプリケーションの内部キャッシュにアセットがダウンロードされます。ダウンロードされたアセットのファイルタイプに関連付けられているネイティブデスクトップアプリケーションが起動されます。

Mac の場合は、コンテキストメニューで「Open」を選択し、Experience Manager デスクトップアプリケーションを通じてアセットを開きます。Windows の場合は、コンテキストメニューで「Open on Web」を選択してアセットを開きます。アセットステータスウィンドウで デスクトップで開くアイコン をクリックまたはタップして、アセットを開きます。

Adobe InDesign(INDD)ファイルでは、コンテキストメニューで「Open」を選択します。このオプションをクリックすると、リンクされているアセットが AEM デスクトップアプリケーションによってローカルファイルシステムにダウンロードされ、Adobe InDesign で INDD ファイルが表示されます。この方法を使用することで、INDD ファイルを編集するときに必要なアセットをローカルで利用できます。

Experience Manager デスクトップアプリケーションでアセットにアクセスして開くためのコンテキストメニューオプション

図:Experience Manager デスクトップアプリケーションでアセットにアクセスして開くためのコンテキストメニューオプション

NOTE
Windows の場合、Windows 7 のデフォルト設定では、50 MB より大きなアセットを Experience Manager デスクトップアプリケーションで処理できません。
NOTE
Mac で Finder の表示オプションに移動し、マウントされた Assets フォルダーの「Show item info」、「Show item preview」、「Show preview column」の各オプションを無効にすることをお勧めします。それにより、パフォーマンスが向上します。

Experience Manager インターフェイスのその他のオプション additional-options-in-aem-assets

Assets リポジトリーをローカルドライブにマッピングした後で、マッピングされたアセットとフォルダーに対して追加のアイコンと「Folder Upload」機能が表示されるように設定できます。

  1. Assets インターフェイスを開き、フォルダーまたはアセットの上にマウスポインターを置くと、デスクトップアクションがカード表示のクイックアクションとして表示されます。

    Assets UI でクイックアクションメニューを開き、デスクトップアクションを表示

    図:Assets UI でクイックアクションメニューを開いてデスクトップアクションを表示したところ

    これらのデスクトップアクションは、アセットを選択した後のツールバー、またはアセットページにあるツールバーの「Desktop Actions」オプションをクリックしても使用できます。

  2. 特定のファイル拡張子に関連付けられているデスクトップアプリケーションでアセットを表示するには、「Open on desktop」クイックアクション デスクトップで開くアイコン をクリックします。

    または、ツールバーの​ デスクトップアクション ​メニューから「Open」を選択します。

ローカルファイルシステム上で特定のアセットを見つけるには、「Reveal」クイックアクション Reveal アイコン をクリックします。または、ツールバーの​ デスクトップアクション ​メニューから「Reveal」を選択します。

アセットのステータスについて understand-the-asset-statuses

Windows のデフォルトアプリアイコン
AEM デスクトップアプリケーションはサーバーに接続されており、すべてのアセットが同期されています。
Windows の無効アイコン
AEM デスクトップアプリケーションは起動していますが、サーバーに接続されていません。一部のアセットの同期が保留されている可能性があります。
Windows のファイル同期アイコン
アセットの同期中です。ファイルはアップロード中またはダウンロード中です。Asset Status ウィンドウで、ステータスの詳細を確認し、転送を一時停止できます。
Windows の再接続アイコン
AEM デスクトップアプリケーションは再接続を試みています。ネットワークの問題が発生し、切断された可能性があります。

アセットの操作 workonassets

Experience Manager Web インターフェイスからのアセットのチェックアウト check-out-assets-from-the-aem-web-interface

Assets では、編集のためにアセットをチェックアウトし、変更終了後にアセットをチェックインすることができます。アセットをチェックアウトした後は、その人だけがアセットを編集、注釈、公開、移動、削除できるようになります。アセットをチェックアウトすると、そのアセットがロックされ、他のユーザーはそのアセットに対する操作ができなくなります。アセットをチェックイン/チェックアウトするには、アセットへの書き込み権限が必要です。

Experience Manager Web インターフェイスからアセットをチェックアウトするには、2 つの方法があります。1 つ目の方法について詳しくは、Assets UI からのファイルのチェックインとチェックアウトを参照してください。Experience Manager デスクトップアプリケーションがインストールされている場合にアセットをチェックアウトして開く 2 つ目の方法を使用するには、以下の手順に従います。

  1. Assets インターフェイスを開き、フォルダーまたはアセットの上にマウスポインターを置くと、デスクトップアクションがカード表示のクイックアクションとして表示されます。

    カード表示の「Properties」オプション

    これらのデスクトップアクションは、アセットを選択した後のツールバー、またはアセットページにあるツールバーの「Desktop Actions」アイコンをクリックまたはタップしても使用できます。

  2. アセットを開くには、「Open on desktop」クイックアクション デスクトップで開くアイコン をクリックまたはタップします。

    または、ツールバーのデスクトップアクションメニューから「Open」を選択します。

    note note
    NOTE
    開いただけでチェックアウトしていないファイルを編集した場合、他のユーザーにはそのアセットが更新されていることは通知されません。
  3. アセットを開いて Adobe Creative Cloud アプリケーションで編集するには、「Edit Desktop」クイックアクション デスクトップを編集アイコン をクリックまたはタップします。この操作により、アセットが編集のためにチェックアウトされます。編集が終了したら、アセットをチェックインして、Assets で変更を更新します。

    または、ツールバーのデスクトップアクションメニューから「Edit」を選択します。

  4. 「Open」メニューオプションを選択します。選択したアセットがプレビューモードで開きます。

  5. アセットを編集するには、「Edit」オプションを選択します。選択したアセットが編集モードで開きます。

Mac OS Finder からのアセットのチェックアウト check-out-assets-on-mac

AEM デスクトップアプリケーションでは、作業中のファイルが他のユーザーによって変更されないように、アセットファイルをチェックアウトできます。

  1. Mac のコンテキストメニューの「Open AEM Assets Folder」オプションを選択して Finder を開きます。

    Experience Manager デスクトップアプリケーションでアセットにアクセスして開くためのコンテキストメニューオプション

    図:Experience Manager デスクトップアプリケーションでアセットにアクセスして開くためのコンテキストメニューオプション

  2. チェックアウトするアセットに移動します。

  3. アセットを右クリックし、コンテキストメニューの「More Assets Info」を選択します。

  4. Asset Info ダイアログで、「Checkout」アイコンをクリックまたはタップして、アセットをチェックアウトします。「Checkout」アイコンは、クリックまたはタップすると、「Check-in」アイコンに変わります。

    チェックアウトするアセットを参照

  5. 他のユーザーが使用できるようにアセットをチェックインするには、Asset Info ダイアログの「Check-in」アイコンをクリックまたはタップします。

アセットのチェックアウト(Windows の場合) check-out-assets-on-windows

AEM デスクトップアプリケーションでは、作業中のファイルが他のユーザーによって変更されないように、アセットファイルをチェックアウトできます。

  1. コンテキストメニューの「アセットを探す」を選択してエクスプローラーを開きます。

  2. エクスプローラーで、チェックアウトするアセットの場所に移動します。

  3. アセットを右クリックし、コンテキストメニューの「Web で開く」を選択します。

  4. Asset Info ダイアログで、「チェックアウト」アイコンをクリックまたはタップします。「Checkout」アイコンが「Check-in」アイコンに変わります。

    「Checkout」アイコンの切り替え

  5. エクスプローラーでアセットを確認します。アセットのロックアイコン アセットロックアイコン は、このアセットをチェックアウトしていることを示します。

    note note
    NOTE
    ロックアイコンは、少し遅れて表示される場合があります。Experience Manager デスクトップアプリケーションは、すばやくアクセスできるようにアセットをキャッシュするので、ロック済みのステータスが更新されるまでにしばらく時間がかかることがあります。
  6. 他のユーザーが使用できるようにアセットをチェックインするには、Asset Info ダイアログの「Check-in」アイコンをクリックまたはタップします。

Finder またはエクスプローラー、および Web インターフェイスを使用したアセットのチェックイン check-in-an-asset-using-finder-or-explorer-and-using-web-interface

アセットの編集が終了したら、デスクトップアプリケーションでアセットを保存します。コンテキストメニューで「More Assets Info」を選択して、「Check-in」をクリックします。

アセットが Experience Manager サーバーにアップロードされます。オプションで、システムトレイアイコンから「View Asset Status」を選択して、アップロードのステータスを確認できます。または、Experience Manager Web インターフェイスからアセットをチェックインすることもできます。チェックアウトされたアセットをクリックするか選択します。ツールバーのチェックインアイコン チェックインアイコン をクリックします。

変更内容がローカルに保存された後、アセットが Experience Manager に自動的にアップロードされます。このチェックイン操作により、他の Experience Manager ユーザーがアセットを編集できるようになります。

Experience Manager サーバーへのアセットおよびフォルダーの一括アップロード bulkupload

Experience Manager デスクトップアプリケーションでは、アセットを含むフォルダー全体をローカルファイルディレクトリから Assets にアップロードできます。この方法では、フォルダー内のすべてのアセットが一度にアップロードされ、ファイルを 1 つずつアップロードする必要はありません。

  1. Assets UI で、ツールバーの「Create」をクリックまたはタップし、メニューから「Upload Folder」を選択します。

  2. アップロードするフォルダーに移動し、そのフォルダーを選択します。

  3. 「OK」をクリックまたはタップします。アセットステータスダイアログにアップロードのステータスが表示されます。

    Assets Status ウィンドウでのアップロードのステータスの確認

    Assets Status ウィンドウでのアップロードのステータスの確認

    note note
    NOTE
    該当するアイコンをクリックまたはタップして、アップロードを手動で一時停止またはキャンセルすることができます。
  4. フォルダーがアップロードされたら、ダイアログを閉じて、Asssets UI に移動します。アップロードされたフォルダーが web インターフェイスに表示されます。

アドビでは、多数のファイルやネストしたフォルダーをローカルファイルシステムからネットワーク共有領域にコピー&ペーストしたりドラッグしたりしないことをお勧めします。技術的な制限により、アプリがアップロード処理を制御できず、パフォーマンスも低下するからです。

代わりに、Experience Manager にアップロードするファイルやフォルダーを Finder またはエクスプローラーで選択し、それらをシステムのクリップボードにコピーして、ネットワーク共有領域の対象フォルダーに移動し、Experience Manager デスクトップアプリケーションのコンテキストメニューから「Paste Assets」を選択します。この場合、Experience Manager デスクトップアプリケーションは、Experience Manager Web インターフェイスで使用できる「Upload Folder」オプションと同じように、貼り付けられたアセットのアップロードを開始します。

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