AEM デスクトップアプリケーション v1.10 のベストプラクティス

概要

Adobe Experience Manager デスクトップアプリケーションは、デジタルアセット管理(DAM)ソリューションとデスクトップをつなぎ、AEM の Web UI にあるファイルを直接デスクトップで開けるようにデスクトップ.デスクトップからアセットを保存すると AEM の適切な場所にアップロードされます。

AEM デスクトップアプリケーションは誤ったローカルコピーや AEM 内の誤ったアセットを更新してしまう可能性をなくします。デスクトップアプリケーションの使いやすいワークフローは、デスクトップのオペレーティングシステムから提供されるネットワーク共有テクノロジにより有効化されます。

デスクトップアプリケーションは AEM Assets リポジトリーをデスクトップ上のネットワーク共有としてマウントします。このため、フォルダーとファイルはローカルのフォルダーとファイルのように表示されます。しかし、Finder やエクスプローラーを使用し、デスクトップ上にマウントされたネットワーク共有で直接デジタルアセット管理の作業をおこなうことは推奨されていません。代わりに、多数のアセットのコピーや移動には AEM Assets の Web UI を利用して作業することを推奨します。

メモ

このドキュメントを読む前に、AEM と Creative Cloud の統合のベストプラクティス全体をよく読むと、このトピックについて概要を把握することができます。

AEM デスクトップアプリケーションのアーキテクチャ

AEM デスクトップアプリケーションは WebDAV(Windows)あるいは SMB(Mac)ネットワーク共有を利用してネットワーク共有をマウントします。マウントするネットワーク共有はローカルのみです。AEM デスクトップアプリケーションは、コール(open、read、write)を受け取り、追加のローカルキャッシングを提供します。AEM Assets サーバーへのリモートコールを最適化された AEM HTTP 要求に変換します。AEM デスクトップアプリケーションのアーキテクチャを次の図に示します。

AEM デスクトップアプリケーションのアーキテクチャ

図:デスクトップアプリケーションのアーキテクチャ

ファイルを保存する際の write における追加のキャッシングでは、(ネットワーク通信でユーザーを待たせないよう)ファイルは先にローカルに保存されます。その後、事前定義された時間(30 秒)の経過後、バックグラウンドでファイルが AEM にアップロードされ、アセットが AEM にアップロードされます。AEM デスクトップアプリケーションには、バックグラウンドのファイルアップロードのステータスを監視する UI が用意されています。

AEM デスクトップアプリケーションの主要な機能は次のとおりです。

  • デスクトップの AEM Assets Web UI からファイルを開く。 Web UI から、デスクトップ(Finder またはエクスプローラーにて)でアセットを表示できます。あるいはデスクトップアプリケーションでアセットを開くことができます。

  • チェックアウトおよびチェックイン。​アセットはチェックアウトして編集することが可能で、AEM Assets のユーザーにはロック済みとして表示されます。編集後に、アセットをチェックインすればロックが解除されます。

  • ファイルへの変更を保存する。​ネットワーク共有内でファイルに保存した変更内容は、AEM へ自動的にアップロードされ、新たなバージョンが作成されます。

  • リンクされたアセットを他のドキュメントに配置します。Creative Cloud(Adobe Photoshop、Adobe InDesign、Adobe Illustrator)などのアプリケーションでは、外部ファイルをリンクとして配置できます。例えば、InDesign ドキュメントに画像を配置できます。この場合は、ネットワーク共有マウントにより AEM のアセットを閲覧し、ドキュメントに配置するアセットを選択できます。MS Office など、アドビ以外のアプリでもリンクしたファイルを配置できるものがあります。

  • AEM での参照解決。配置されたファイルとリンクを含むメインファイルの両方が AEM に保存されている場合は、アセット参照に関するサーバー側の情報を自動的に提供できます。

  • デスクトップからアセットにアクセス。マウントされたネットワーク共有では、コンテキストメニューから More Info ダイアログ(大きなプレビュー、主要メタデータ)を開いたり、AEM の UI でアセットを開くこともできます。

  • 大きな階層フォルダーをバルクアップロード。AEM UI で作成/フォルダーアップロードのオプションを使用してアセットをアップロードした場合、AEM デスクトップアプリケーションは選択されたフォルダー階層をバックグラウンドで AEM にアップロードします。デスクトップアプリの専用 UI でアップロードの進捗を監視することができます。

AEM デスクトップアプリケーションの不適切な使用方法

  • デスクトップでアセットを管理するために AEM デスクトップアプリケーションを使用しないでください。AEM デスクトップアプリケーションはネットワークドライブの代替物ではありません。むしろ、次の機能を使用してください。

    • デジタルアセット管理(アセットやメタデータの検索や共有、コピーや移動)のための AEM Assets Web UI

    • 大きな階層フォルダーをアップロードするための AEM デスクトップアプリケーション Folder Upload。

  • AEM デスクトップアプリケーションを AEM Assets の「デスクトップ同期」用のクライアントとして扱わないでください。AEM デスクトップアプリケーションの主なメリットはリポジトリー全体への「仮想的」アクセスを提供することで、デスクトップ同期アプリケーションは通常 1 人のユーザーに帰属するアセットのみを同期します。AEM デスクトップアプリケーションはある程度のキャッシングとバックグラウンドでのアップロードをおこないますが、Adobe Creative Cloud デスクトップアプリや Microsoft OneDrive などの典型的な「同期」アプリケーションとは非常に異なる動作をします。

  • アセットを頻繁に保存するために AEM デスクトップアプリケーションを使用しないでください。AEM Assets にはすべての保存作業が送信されます。このため、マウントされた AEM Assets リポジトリーで集中的な編集作業を直接おこなうのは実用的ではありません。マウントされたリポジトリーで直接アセットを編集すると、アセットのタイムラインに不要なバージョンを詰め込み、サーバーに余分なオーバーヘッドを課すことになります。

  • ある AEM インスタンスから別のインスタンスに大量のデータを移行する際には、AEM デスクトップアプリケーションを使用しないでください。アセット移行の計画と実行については、移行ガイドを参照してください。一方、デスクトップアプリケーションは、Adobe Experience Manager で初めて大量のアセットのバルクアップロードをサポートします。

一部の使用例に関するレコメンデーション

クリエイティブユーザーのアセットへのアクセス

AEM デスクトップアプリケーションは DAM リポジトリー全体への仮想アクセスを提供します。デスクトップを使用するクリエイティブユーザーにとっては、デスクトップで正しいアセットを見つけてアクセスするのは困難かもしれません。次のベストプラクティスを使用し、クリエイティブユーザーの作業を簡易化できます。

  • AEM Assets Web UI の共同作業機能を使用して、クリエイティブユーザーがより直接的に適当なアセットにアクセスできるようにします。フォルダーやコレクションの共有、スマートコレクション(保存済み検索結果)の提供あるいは適切なアセットを示唆する通知の送信などの機能が利用できます。クリエイティブユーザーは、Web UI でデスクトップアクションを利用すると、デスクトップからアセットに簡単にアクセスすることができます。

  • DAM リポジトリーを表示するビューを簡易化するため、クリエイティブユーザーのアセットへの適切な権限(アクセス制御)を考慮し、基本的には、ユーザーが必要とするまたは興味を持つアセットのみにアクセスできるよう制限します。

    • クリエイティブユーザーに無関係の領域については、ユーザーグループに制限をかけ、ユーザーのビューまたはデスクトップから削除します。

    • DAM 内のアセットの多くは確定していて変更されるべきではないので、クリエイティブユーザーには読み取り専用にします。

    • 変更あるいは修正が必要なアセットのみクリエイティブユーザーの書き込みを有効にします。作成した AEM プロジェクトとフォルダーを利用して、まだ変更される可能性のあるアセットを保存する組織もあります。

アセットの検索

デスクトップ上で開きたいファイルを検索するには:

  • AEM Assets の Web UI を利用してアセットを見つけます。AEM Assets の検索(検索ファセット、保存済み検索結果)は強力なだけでなく、正しいアセットを見つけるための特別な機能も提供します。これには、ステータス(承認、有効期限満了)、コレクション、タスク、通知、他のユーザー/グループとのフォルダー/コレクションの共有に基づいてアセットを検索する機能など追加のフィルターなどが含まれます。

  • アセットを見つけたら、AEM UI のデスクトップアクションを使用して デスクトップのアセットにアクセスします。

AEM デスクトップアプリケーションで開いたアセットの更新

AEM Assets からローカルネットワーク共有にマッピングされた場所でアセットを直接編集すると、デスクトップで保存するたびにアセットが AEM にアップロードされます。さらに、AEM はバージョンとレンディションを生成します。

AEM に保存されたアセットを更新する必要がある場合:

  • 承認プロセス上のマイナーな修正要求など、マイナーな更新​の場合:

    • ファイルをチェックアウトし、デスクトップで開きます。

    • ファイルを更新します。

    • 更新したバージョンを保存します。アセットは更新され、タイムラインには比較のため元のバージョンも表示されます.

  • 小規模なクリエイティブ WIP サイクルが必要な更新要求など​メジャーなアップデート​の場合:

    • 表示オプションを利用し、デスクトップで適切なフォルダーを開きます。

    • マッピングされた AEM Assets 共有の外にある WIP フォルダーにファイルをコピーします(例えば、Adobe Creative Cloud デスクトップアプリと同期されているフォルダーにファイルをコピーします)。

    • ファイルで作業し、随時保存します。変更内容は AEM Assets には保存されません。

    • 編集が完了したら、AEM からマップされたファイルを移動、コピーあるいは保存し、新規バージョンとしてアップロードします。

ネットワークパフォーマンス

AEM デスクトップアプリケーションを使用する上でのユーザーエクスペリエンスは、デスクトップと AEM サーバー間の優良で安定したネットワーク接続と、特にアセットのアップロードと更新パフォーマンス改善のためのサーバー調整に強い影響を受けます。下記のレコメンデーションは、組織のネットワーク/IT チーム向けです。

ネットワークに関する考慮事項

AEM Assets のネットワーク設定に関するベストプラクティスについて理解するには、AEM Assets ネットワークに関する考慮事項ドキュメントを参照してください。AEM デスクトップアプリケーションのユーザーエクスペリエンスの最適化に重要な事項としては、以下が挙げられます。

  • 適切に設定された Dispatcher を使用する。​セキュリティを強化するために AEM Dispatcher を使用し、Dispatcher の背後で AEM デスクトップアプリケーションと AEM の接続についての設定がおこなわれていることを確認します。

  • バンド幅を節約する。 Mac では Finder を使用してマウントされたリポジトリーを参照する際、アイコンのプレビューを無効にすることを考慮してください。Finder は各ファイルにプレビューを作成するように要求するので、デスクトップアプリがアセットをローカルにダウンロードしてアセットをキャッシュする原因になります。ただし、これはバンド幅を節約する一方でデスクトップを使用するユーザーのエクスペリエンスを悪化させるので、大きなアセットのあるリポジトリーで作業したり、バンド幅に制限がある場合に実行します。

メモ

アイコンプレビューをオフにするには、Finder でView に移動し、View Options を選択してからShow icon preview オプションのチェックを外します。これは、現在のフォルダーのみで有効です。デフォルト設定にするには、同じダイアログ内の Use as default オプションをクリックします。

サーバーパフォーマンスの最適化

AEM Assets サーバーのパフォーマンスを最適化する方法については、AEM Assets パフォーマンス調整ガイドを参照してください。AEM デスクトップアプリケーションのサーバーパフォーマンスに関する重要な側面としては、アセットアップロードのパフォーマンスが向上するようにワークフロー設定を最適化することが挙げられます。

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