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Adobe Experience Manager のマルチサイトマネージャー(MSM)機能を使用すると、一度作成したコンテンツを複数の Web サイトで再利用できます。デジタルアセットに対しても、MSM for Assets の名前で同じ機能が利用可能です。MSM for Assets を使用すると、次のことが可能になります。
MSM for Assets の機能にはコンテンツフラグメントが含まれており、Assets として保存されています(ただし Sites の機能と見なされます)。
MSM for Content Fragments は、Assets コンソールからコンテンツフラグメントを使用している際にのみ使用できます。
MSM の機能は、コンテンツフラグメントコンソールを使用している際は使用できません。
複数の web サイトで同じコンテンツ(テキストとアセット)を再利用するための使用シナリオを理解するには、考えられる MSM シナリオを参照してください。Experience Manager では、元のアセットとそのリンクコピーとのリンクを維持します。このコピーはライブコピー(LC)と呼ばれます。リンクが維持されるので、変更を一元的に管理し、多くのライブコピーにプッシュできます。これにより、重複コピー管理の制限を排除しながら、更新を迅速化できます。変更の伝播はエラーを伴わず、一元化されています。この機能により、選択した一部のライブコピーのみを更新することもできます。ユーザーは、リンクを分離つまり継承を解除したうえでローカル編集を行い、次回プライマリコピーが更新されて変更がロールアウトされたときに編集が上書きされないようにすることができます。分離は、選択した一部のメタデータフィールドまたはアセット全体に対して行うことができます。これにより、元々プライマリコピーから継承されていたアセットをローカルに更新する柔軟性が得られます。
MSM では、ソースアセットとそのライブコピーとのライブ関係を次の目的で維持します。
ソース:元のアセットまたはフォルダー。ライブコピーの派生元となるプライマリコピー。
ライブコピー:ソースと同期されている、ソースアセット/フォルダーのコピー。ライブコピーは、さらに別のライブコピーのソースになることができます。LC の作成方法を参照してください。
継承:ライブコピーアセット/フォルダーとそのソースとのリンク/参照で、更新内容の送信先を記憶するためにシステムで使用されるもの。メタデータフィールドや、コンテンツフラグメントのバリエーションおよびフィールドの継承は詳細なレベルで存在します。ソースとそのライブコピーとのライブ関係を維持しながら、選択した項目の継承を解除することができます。
ロールアウト:ソースに加えられた変更をそのライブコピーにプッシュするアクション。ロールアウトアクションを使用して、一度に 1 つ以上のライブコピーを更新することができます。ロールアウトを参照してください。
ロールアウト設定:同期するプロパティと同期の方法およびタイミングを決定する:ルール。これらの設定はライブコピーの作成時に適用され、後で編集できます。子は親アセットからロールアウト設定を継承できます。MSM for Assets の場合は、標準ロールアウト設定のみ使用します。それ以外のロールアウト設定は、MSM for Assets では使用できません。
同期:ソースからライブコピーに更新内容を送信することでソースとライブコピーの同等性を維持する、ロールアウト以外のアクション。特定のライブコピーに対して同期が開始され、このアクションでソースから変更内容が取得されます。このアクションを使用すると、ライブコピーの 1 つだけを更新することができます。同期アクションを参照してください。
休止:ライブコピーとソースアセット/フォルダーとのライブ関係を:一時的に解除します。関係は再開できます。休止アクションを参照してください。
再開:ライブ関係を再開して、ライブコピーがソースからの更新内容の受け取りを再び開始するようにします。再開アクションを参照してください。
リセット:リセットアクションは、ローカルの変更を上書きしてライブコピーをソースのレプリカに戻します。また、継承のキャンセルを削除し、すべてのメタデータフィールドの継承をリセットします。後でローカルに変更を加えるには、特定のフィールドの継承を再度キャンセルする必要があります。LC に対するローカルの変更を参照してください。
デタッチ:ライブコピーアセット/フォルダーのライブ関係を完全に解除します。分離アクションの後、ライブコピーはソースから更新内容を受け取ることができなくなり、ライブコピーではなくなります。関係の解除を参照してください。
1 つ以上のソースアセットまたはフォルダーからライブコピーを作成するには、次のいずれかを実行します。
アセットまたはフォルダーのライブコピーを 1 つずつ作成できます。それ自体がライブコピーであるアセットまたはフォルダーから派生したライブコピーを作成できます。
最初の方法でライブコピーを作成するには、次の手順に従います。
ソースアセットまたはフォルダーを選択します。ツールバーで作成/ライブコピーをクリックします。
図:Experience Manager インターフェイスでのライブコピーの作成
宛先フォルダーを選択します。「次へ」をクリックします。
タイトルと名前を入力します。アセットに子はありません。フォルダーのライブコピーを作成する場合は、子を含めるか含めないかを選択できます。
ロールアウト設定を選択します。「作成」をクリックします。
2 番目の方法でライブコピーを作成するには、次の手順に従います。
Experience Manager インターフェイスの右上隅で作成/ライブコピーをクリックします。
図:Experience Manager インターフェイスでのライブコピーの作成
ソースアセットまたはソースフォルダーを選択します。「次へ」をクリックします。
宛先フォルダーを選択します。「次へ」をクリックします。
タイトルと名前を入力します。アセットに子はありません。フォルダーのライブコピーを作成する場合は、子を含めるか含めないかを選択できます。
ロールアウト設定を選択します。「作成」をクリックします。
ソースまたはライブコピーを移動しても、関係は維持されます。ライブコピーが削除されると、関係は解除されます。
Experience Manager ユーザーインターフェイスの様々な領域で、ライブコピーの情報や MSM 関連ステータス(関係、同期、ロールアウトなど)を表示できます。
アセットとフォルダーに対しては次の 2 通りの方法があります。
少数のライブコピーについて別個にステータスを確認するには、第 1 の方法を使用して、プロパティページを確認します。多数のライブコピーのステータスを確認するには、第 2 の方法を使用して、関係ステータスページを確認します。
ライブコピーアセットまたはライブコピーフォルダーの情報とステータスを確認するには、次の手順に従います。
ライブコピーアセットまたはライブコピーフォルダーを選択します。ツールバーの「プロパティ」をクリックします。または、キーボードショートカット p
を使用します。
「ライブコピー」をクリックします。ソースのパス、休止ステータス、同期ステータス、前回のロールアウト日、前回のロールアウトを行ったユーザーを確認できます。
図:ライブコピーの情報とステータス
子アセットがライブコピー設定を借用するかどうかを選択できます。
ライブコピーがロールアウト設定を親から継承するか、設定を変更するかを指定するオプションを選択できます。
Experience Manager には、ソースフォルダーの全ライブコピーのステータスを確認できるコンソールが用意されています。このコンソールには、すべての子アセットのステータスが表示されます。
ソースフォルダーを選択します。ツールバーの「プロパティ」をクリックします。または、キーボードショートカット p
を使用します。
「ライブコピーのソース」をクリックします。コンソールを開くには、「ライブコピーの概要」をクリックします。このダッシュボードには、すべての子アセットの最上位ステータスが表示されます。
図:ソースのライブコピーコンソールにおけるライブコピーステータスの表示
ライブコピーフォルダー内の各アセットに関する詳細情報を表示するには、アセットを選択し、ツールバーの「関係ステータス」をクリックします。
フォルダー内のライブコピー子アセットの詳細情報とステータス
他のフォルダーのライブコピーについては、手軽にステータスを確認できます。ライブコピーの概要インターフェイスの上部中央にあるフォルダーを変更します。
ソースアセットまたはフォルダーの場合は、参照パネルから以下の情報を参照したり以下のアクションを直接実行したりできます。
ソースアセットまたはフォルダーを選択し、左側のパネルを開いて「参照」をクリックします。あるいは、アセットまたはフォルダーを選択し、キーボードショートカット Alt + 4
を使用します。
図:選択したソースの参照パネルで使用可能なアクションと情報
特定のライブコピーの場合は、「ライブコピーを編集」をクリックすると、関係を休止したり、ロールアウト設定を変更したりできます。
図:特定ライブコピーの関係の休止やロールアウト設定の変更
ライブコピーアセットまたはフォルダーの場合は、参照パネルから以下の情報を参照したり以下のアクションを直接実行したりできます。
ライブコピーアセットまたはフォルダーを選択し、左側のパネルを開いて「参照」をクリックします。あるいは、アセットまたはフォルダーを選択し、キーボードショートカット Alt + 4
を使用します。
図:選択したライブコピーの参照パネルで使用可能なアクション
ソースが変更されると、同期アクションまたはロールアウトアクションを使用して、変更内容をライブコピーに伝播させることができます。両方のアクションの違いを理解するには、用語集を参照してください。
ソースアセットからロールアウトアクションを開始して、すべてまたは選択した一部のライブコピーを更新できます。
ライブコピーアセットまたはライブコピーフォルダーを選択します。ツールバーの「プロパティ」をクリックします。または、キーボードショートカット p
を使用します。
「ライブコピーのソース」をクリックします。ツールバーの「ロールアウト」をクリックします。
更新するライブコピーを選択します。「ロールアウト」をクリックします。
子アセットに対する更新内容をロールアウトするには、「ソースとすべての子をロールアウト」をオンにします。
図:一部または全部のライブコピーへのソース変更のロールアウト
ソースアセットで行われた変更は、直接関係するライブコピーにのみロールアウトされます。ライブコピーが別のライブコピーから派生したものである場合、派生したライブコピーには変更内容はロールアウトされません。
または、特定のライブコピーを選択した後で参照パネルからロールアウトアクションを開始することもできます。詳しくは、ライブコピーの参照パネルのクイックアクションを参照してください。このロールアウト方法では、選択したライブコピーとその子(任意指定)のみ更新されます。
図:選択したライブコピーへのソース変更のロールアウト
同期アクションは、ソースの変更内容を取り込んで、選択したライブコピーにのみ適用します。同期アクションでは、継承のキャンセル後に行われたローカルの変更を尊重して維持します。ローカルの変更は上書きされず、キャンセルした継承は復元されません。同期アクションは 3 通りの方法で開始できます。
Experience Manager インターフェイス内の場所 | 使用するタイミングと理由 | 使用方法 |
---|---|---|
参照パネル | ソースが既に選択されているときにすばやく同期させます。 | ソースの参照パネルのクイックアクションを参照 |
プロパティページのツールバー | ライブコピーのプロパティが既に開いているときに同期を開始します。 | ライブコピーの同期を参照 |
ライブコピーの概要コンソール | ソースフォルダーが選択されている場合や、ライブコピーの概要コンソールが既に開いている場合は、複数のアセット(必ずしもすべてではない)をすばやく同期させます。同期アクションは一度に 1 つのアセットに対して開始されますが、複数のアセットの同期を一度に実行する手軽な方法です。 | ライブコピーフォルダー内の多数のアセットに対するアクションを参照 |
同期アクションを開始するには、ライブコピーのプロパティページを開き、「ライブコピー」をクリックして、ツールバーで目的のアクションをクリックします。
同期アクションに関連するステータスと情報を確認するには、ライブコピーの情報とステータスおよびフォルダーのすべてのライブコピーの情報とステータスを参照してください。
図:同期アクションによるソースの変更内容の取り込み
関係が休止されている場合は、ツールバーの同期アクションは使用できません。参照パネルでは同期アクションを使用できますが、ロールアウトが正常に完了しても変更内容は伝播しません。
次の項目のライブコピーの継承をキャンセルできます。
これは、項目がソースコンポーネントと同期されなくなることを意味します。必要に応じて、後から継承を有効にすることができます。
継承をキャンセルするには:
必要な項目の横にある継承をキャンセルアイコンを選択します。
継承をキャンセルダイアログボックスで、「はい」を使用してアクションを確定します。
継承を再度有効にするには:
項目の継承を有効にするには、必要な項目の隣にある継承を再度有効にするアイコンを選択します。
継承を再度有効にしても、項目はソースと自動的には同期されません。必要な場合は、手動で同期をリクエストできます。
関係を一時的に休止して、ソースアセットまたはソースフォルダーの変更内容をライブコピーが受け取らないようにすることができます。また、関係を再開して、ソースの変更内容をライブコピーが受け取るようにすることもできます。
関係を休止または再開するには、ライブコピーのプロパティページを開き、「ライブコピー」をクリックして、ツールバーで目的のアクションをクリックします。
または、ライブコピーの概要コンソールから、ライブコピーフォルダー内の複数のアセットについて、関係をすばやく休止または再開することができます。ライブコピーフォルダー内の多数のアセットに対するアクションの実行を参照してください。
ライブコピーは、元のソースの作成時のレプリカです。ライブコピーのメタデータ値はソースから継承されます。メタデータフィールドは、ソースアセットの各フィールドとの継承を個別に維持します。
ただし、ライブコピーをローカルに変更して、一部の限定されたプロパティを変更する柔軟性があります。ローカルに変更するには、目的のプロパティの継承をキャンセルします。1 つ以上のメタデータフィールドの継承がキャンセルされても、アセットのライブ関係と他のメタデータフィールドの継承は保持されます。同期やロールアウトでローカルの変更内容が上書きされることはありません。継承をキャンセルするには、ライブコピーアセットのプロパティページを開き、メタデータフィールドの横にある「継承をキャンセル」オプションをクリックします。
ローカルの変更をすべて取り消して、アセットをソースの状態に戻すことができます。リセットアクションは、ローカルの変更をすべて完全かつ即座に無効にし、すべてのメタデータフィールドの継承を復元します。元に戻すには、ライブコピーアセットのプロパティページでツールバーの「リセット」クリックします。
図:リセットアクションでローカルの編集内容が上書きされ、ライブコピーがソースの状態に戻る
分離アクションを使用して、ソースとライブコピーとの関係を完全に解除できます。ライブコピーは、分離された後、スタンドアロンのアセットまたはフォルダーになります。分離後直ちに、新しいアセットとして Experience Manager インターフェイスに表示されます。ソースからライブコピーを分離するには、次の手順に従います。
ライブコピーアセットまたはフォルダーを選択します。 ツールバーの「プロパティ」をクリックします。または、キーボードショートカット p
を使用します。
「ライブコピー」をクリックします。ツールバーの「分離」をクリックします。表示されるダイアログで「分離」クリックします。
図:分離アクションによって、ソースとライブコピーとの関係が完全に解除される
ダイアログで「分離」をクリックするとすぐに、関係が解除されます。プロパティページで「キャンセル」をクリックしても、関係を元に戻すことはできません。
または、ライブコピーの概要コンソールでライブコピーフォルダー内の複数のアセットをすばやく分離することができます。ライブコピーフォルダー内の多数のアセットに対するアクションの実行を参照してください。
ライブコピーフォルダーに複数のアセットがある場合、アセットごとにアクションを開始するのは面倒なことがあります。ライブコピーコンソールから、多数のアセットに対して基本アクションをすばやく開始できます。上記の方法は、個々のアセットに対して引き続き機能します。
ソースフォルダーを選択します。ツールバーの「プロパティ」をクリックします。または、キーボードショートカット p
を使用します。
「ライブコピーのソース」をクリックします。コンソールを開くには、「ライブコピーの概要」をクリックします。
このダッシュボードで、ライブコピーフォルダーからライブコピーアセットを選択します。ツールバーで目的のアクションをクリックします。使用可能なアクションは、同期、リセット、休止、分離です。選択したソースフォルダーとライブ関係にある任意の数のライブコピーフォルダーに含まれている任意のアセットに対して、これらの操作をすばやく開始できます。
図:ライブコピーの概要コンソールからライブコピーフォルダー内の多数のアセットを容易に更新できる
ライブコピーとソースは、ある程度までデジタルアセットとして管理できるアセットまたはフォルダーです。Experience Manager における一部のアセット管理タスクは、ライブコピーに特定の影響を及ぼします。
多くのシナリオで、MSM for Assets の機能は MSM for Sites の機能と同様に動作します。注意すべき重要な違いは次のとおりです。
MSM for Content Fragments(Assets コンソールから利用)は Assets の機能を使用することに注意してください。これは、Assets として保存されるからです(ただし Sites の機能と見なされます)。
MSM for Assets の制限事項を次に示します。
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