AEM Forms データ統合

企業のインフラストラクチャは、データベース、Web サービス、REST サービス、OData サービス、CRM ソリューションなど、各種のバックエンドシステムやデータソースから構成されています。これらを統合することにより、データをエンタープライズアプリケーションに渡して日常業務を実行する情報システムを構築することができます。一方、各アプリケーションは、データを取得してシステムに返します。これにより、データソースが更新されます。

アダプティブフォームやインタラクティブ通信などの AEM Forms アプリケーションを使用するには、これらのアプリケーションをデータソースに統合し、フォームのレンダリング時やインタラクティブ通信の作成時に顧客データを取得する必要があります。アダプティブフォーム内のユーザー入力に基づいてデータが取得されるユースケースがあります。また、送信されたアダプティブフォームをもう一度書き込んで、各データソースを更新することもできます。

モジュール形式の分散システムには独自のメリットもありますが、複数のデータソースを統合してデータの関連付けを作成することが課題になります。企業のインフラストラクチャを効率的に運用するには、ビジネスデータを交換できるように、データを統合して複数の異なるデータソースをアプリケーションに関連付けることが重要になります。

データ統合機能の概要

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AEM Forms のデータ統合機能により、各種のデータソースを設定して AEM Forms に接続できます。データ統合機能には、接続されたデータソース全体で、ビジネスエンティティとサービスの統一されたデータ表現スキーマを作成するための直感的なユーザーインターフェイスが用意されています。この統一された表現は、フォームデータモデルと呼ばれます。これは、JSON スキーマの拡張機能です。フォームデータモデル内のエンティティは、データモデルオブジェクトと呼ばれます。フォームデータモデルにより、以下の処理を行うことができます。

  • 接続されたデータソースから、データモデルオブジェクト、プロパティ、サービスにアクセスする。
  • カスタムのデータモデルオブジェクトクトとプロパティを作成する。
  • データソース内とデータソース全体にわたり、データモデルオブジェクト間の関連付けを作成する。
  • データモデルオブジェクトサービスを呼び出し、データソースに対してクエリやデータの書き込みを行う。

フォームデータモデルを作成したら、アダプティブフォームとインタラクティブ通信の各種ワークフローで、そのフォームデータモデルを使用することができます。以下に例を示します。

  • フォームデータモデルに基づいて、アダプティブフォームとインタラクティブ通信を作成する。
  • 設定済みのデータソースから、アダプティブフォームとインタラクティブ通信に事前にデータを取り込む。
  • アダプティブフォームのルールを使用して、データソースのサービスや操作を呼び出す。
  • 送信されたアダプティブフォームのデータをデータソースに書き込む。

データ統合の開始

データ統合を行うには、最初に、アダプティブフォームとインタラクティブ通信のユースケースで使用する情報を保存するためのデータソースを特定し、そのデータソースの設定を行う必要があります。次に、1 つ以上のデータソースから、データモデルオブジェクト、プロパティ、サービスを使用するフォームデータを作成します。アダプティブフォームのフィールドまたはインタラクティブ通信のプレースホルダーがデータソースの各プロパティにバインドされているフォームデータモデルに基づいて、アダプティブフォームとインタラクティブ通信を作成することができます。

AEM Forms により、データソースから独立したフォームデータモデルを作成し、後で、そのフォームデータモデル内のデータモデルオブジェクトとプロパティをデータソースに関連付ける(またはバインドする)ことができます。これにより、フォームデータモデルを操作する際に、データソース上の依存関係が削除されます。

以下のトピックを参照してデータ統合の概要を理解してから、データ統合を実行してください。

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