Target Recommendations の実装
戦略から始めます。
- レコメンデーションしたいのはどの品目か。 最初に、どの品目をレコメンデーションするかについて検討します。これには、製品、ビデオ、コンテンツなどが該当します。
- どこにレコメンデーションを表示したいか。 次に、どこでレコメンデーションするかについて検討します。おおまかにどのチャネルか(Web、モバイル、ストア内、キオスク、その他)。カスタマージャーニーのどの部分にレコメンデーションが含まれるか。サイト上のどのページにレコメンデーションが含まれるか。
- レコメンデーションが成功したかどうかをどのように判定するか。 レコメンデーションがないエクスペリエンスとレコメンデーションがあるエクスペリエンスがあるとします。または、2 つの異なるタイプのレコメンデーションがあるとします。どのエクスペリエンスがお客様にとってより優れたエクスペリエンスかをどのようにして判別しますか。一部の指標は、他の指標よりも測定が困難である可能性があります。例えば、顧客生涯価値に対してレコメンデーションが直接影響することは、多くの場合、困難です。そのため、多くの場合、例えば、1 訪問あたりの売上高、平均注文額またはクリック数など、より抽象的でない指標やより具体的な指標のほうが影響しやすくなります。場合によっては、指標を最小化しようとしているかもしれません(例えば、サポートコール数など)。
戦略を立案したら、Target Recommendations の実装を開始する準備が整います。
レコメンデーション実装の作成に関して 3 つの大まかな手順があります。
- Target にコンテキストや製品について認識させます。
- ユーザー行動をキャプチャします。
- 適切なコンテキストでレコメンデーションを得ます。
Target にコンテキストや製品について認識させる
Recommendations を開始する場合、レコメンデーションしたい各品目に関する情報を渡します。Target は、カタログを作成するためのいくつかの統合オプションを提供します。
最もシンプルで最もよく使用される方法は、毎日または毎週、お使いの製品情報管理システムやコンテンツ管理システムから CSV ファイルを送信することです。しかし、Adobe Target JavaScript ライブラリを使用するページからデータレイヤーの情報を渡したり、アドビの API を活用してお使いのソースシステムから情報を直接渡したり、または既にカタログデータを Analytics に渡している場合は Adobe Analytics 統合を使用したりすることもできます。
例えば、ほとんどのデータを CSV ファイルを介して毎日渡し、在庫の更新を API を介してより頻繁に渡すなど、複数のオプションを同時に使用したい場合もあります。
通常、IT 部門がこの設定の支援に関わります。
どの方法を選択しても、各品目に関する 3 つのカテゴリのメタデータを含める必要があります。
- レコメンデーションを受け取るユーザーに表示したいデータ。例えば、映画の名前やサムネール画像 URL です。
- マーケティングおよびマーチャンダイジング制御に便利なデータ。例えば、映画の評価で、NC-17 映画をレコメンデーションしないようにできます。
- 他の品目との品目の類似性を判定するのに便利なデータ。例えば、映画のジャンルや映画に出演している役者です。
ユーザー行動のキャプチャ
次に、タグを追加するか、既存の Analytics 実装を活用して、Target アルゴリズムを駆動するコンバージョンイベント(表示や購入など)を追跡する必要があります。
ユーザーが表示および購入している品目を Target が認識するようにする必要があります。購入がコンテキストに関係ない場合は、PDFのダウンロード、調査の完了、ニュースレターの購読、ビデオの視聴など、別のタイプのコンバージョンイベントをトラッキングできます。
既に Target を使用してサイトで A/B テストアクティビティを実行している場合、既にこの手順を完了している可能性があります。または、既に Adobe Analytics を使用してサイト訪問およびコンバージョン行動をレポートしている場合、Analytics を行動データソースとして使用できます。そうでない場合、Adobe Experience Platform のタグなどのタグマネージャーを使用してこれを設定するのが最も簡単です。 また、リアルタイム API を介して、オフラインまたはアプリ内のインタラクションを Target に送信することもできます。
適切なコンテキストでのレコメンデーションの取得
インタラクションの際にユーザーおよびコンテキストに関する情報を Target に渡して、関連するパーソナライズされたレコメンデーションを返します。
ユーザー行動全般に加えて、Target にレコメンデーションが表示されている特定のコンテキストを渡す必要があります。これには、ページに関する情報およびユーザープロファイルからの情報が含まれます。Target は、この情報を使用してパーソナライズされたレコメンデーションをおこないます。例えば、小売 Web サイトでは、訪問者が現在表示している製品および製品カテゴリを把握したいと考えます。また、ユーザーに関する情報(お気に入りのブランド、お気に入りの製品カテゴリ、ロイヤルティ層など)も把握したいところです。この情報は、Target が品目をフィルタリングし、レコメンデーションのパーソナライゼーションを改善できるので重要です。
最初の Recommendations アクティビティの構築
Recommendations アクティビティとは
Recommendations アクティビティは、次のコンポーネントで構成されます。
- オーディエンス:誰にこれらのレコメンデーションを表示する必要があるか。
- 条件:どの品目をレコメンデーションする必要があるか。
- デザイン:レコメンデーションされた品目をどのように表示する必要があるか。
標準設定では、Target には、14 個のビルトインオーディエンス、42 個のビルトイン条件および 10 個のビルトインデザインテンプレートが含まれています。これらの各品目をカスタマイズしたり、独自のものを追加したりできます。過去に、Target で オーディエンスの構築に関するウェビナーを実施したことがあります。 ここでは、どの品目をレコメンデーションするかを定義する、条件の定義に焦点を当てています。
Target では、条件カードという概念を使用します。条件カードは、パーソナライゼーションのレシピのようなものです。
目的のパーソナライゼーション結果を達成するための適切な条件を選択または作成することが重要です。条件は、カタログ全体から最終的なレコメンデーションに導くファネルのようなものです。
次の節では、このファネルの様々な部分と、Target での仕組みについて説明します。
静的フィルター(コレクションおよび除外)
静的フィルターは、頻繁に変更することを期待しないカタログ属性に関連する幅広く適用できるルールです。
例えば、コンテンツのコンテキストで、レコメンデーションにすべての映画を含めたいが、レートが NC-17 の映画を除外したい場合があります。小売のコンテキストで、世界の様々な地域の複数のブランドがあるが、米国で利用可能な製品のみをレコメンデーションしたい場合があります。また、地方のプライベートブランドから製品を場外したい場合があります。
これらはすべて、幅広く適用できるカタログ属性で、複数のレコメンデーションで使用し、頻繁に変更することを期待しないものです。
アルゴリズム(レコメンデーションキーおよびロジック)
次の手順では、レコメンデーションキーおよびロジックを選択します。ここで、レコメンデーションの基礎を決定します。
最初に選択する必要があるのは、レコメンデーションキーです。レコメンデーションキーは、レコメンデーションを選択するために「検索」するものです。これが、レコメンデーションの基礎となります。
次のようなことをレコメンデーションの基礎にします。
- 訪問者が現在表示している品目
- 訪問者が現在表示しているカテゴリ
- 訪問者が最後に購入した品目または買い物かごに追加した品目
- 訪問者または品目に関連するカスタム属性
これらのキーに基づいて、次に、目的のレコメンデーションロジックを選択します。
- 類似の属性を持つ品目
- 特定のカテゴリで最も表示された品目
- この品目を購入したお客様が購入したその他の品目
- カスタム属性
標準設定では、Target にはアルゴリズムのポートフォリオが含まれています。
- 人気度をベースにしたアルゴリズム には、最も多く閲覧されたおよびトップセラーが含まれます。
- コンテンツをベースにしたアルゴリズム には、コンテンツの類似性が含まれます。
- 品目をベースにした協調フィルタリングアルゴリズム には、表示済み/表示済み、表示済み/購入済みおよび購入済み/購入済みが含まれます。「購入済み」は、あらゆるコンバージョンになり得ることに注意してください。
- パーソナライズされたアルゴリズム には、最近表示された品目、サイトの親和性および プロファイルを拡張した協調フィルタリングが含まれます。
- 独自のアルゴリズム を使用すると、独自のカスタムアルゴリズムを使用できます。
オンラインビジネスルール
最後の手順は、オンラインビジネスルールの適用です。ここで、ドメインの知識とお客様のデジタルプロパティ上で訪問者が何をしているかに基づく現在のコンテキストによってアルゴリズムに力を与えます。
例えば、コンテンツのコンテキストで、訪問者が以前観た映画を除外したり、同じ監督の映画をレコメンデーションしたり、同じジャンルの映画を押したりしたい場合があります。小売のコンテキストで、在庫切れの製品を除外したり、価格範囲が $5 ~ $500 の品目を表示したり、同じブランドの品目を押したりしたい場合があります。
デモ
前述のレコメンデーションファネルで説明したタスクを完了したら、最後のレコメンデーションを残すのみです。Target の製品内デモンストレーションを視聴するには、次のリンクの Adobe Target Basics ウェビナー で、21:00 から始まるデモを参照してください。