コンテンツの翻訳 translate-content

翻訳コネクタおよびルールを使用して、コンテンツを翻訳します。

これまでの説明内容 story-so-far

AEM Sites 翻訳ジャーニーの以前のドキュメント(翻訳ルールの設定)では、AEM の翻訳ルールを使用して翻訳コンテンツを特定する方法について説明しました。その結果、以下のことができるようになりました。

  • 翻訳ルールの機能を理解する
  • 独自の翻訳ルールを定義する

コネクタと翻訳のルールがセットアップされたので、この記事では、AEM Sites コンテンツ翻訳の次のステップについて説明します。

目的 objective

このドキュメントでは、AEM 翻訳プロジェクトをコネクタおよび翻訳ルールと共に使用してコンテンツを翻訳する方法を説明します。このドキュメントを読み終えると、次のことが可能になります。

  • 翻訳プロジェクトの概要を理解。
  • 新しい翻訳プロジェクトを作成する
  • 翻訳プロジェクトを使用して AEM Sites コンテンツを翻訳する

翻訳プロジェクトの作成 creating-translation-project

翻訳プロジェクトを使用すると、AEM コンテンツの翻訳を管理できます。翻訳プロジェクトでは、翻訳するコンテンツを 1 か所にまとめて、翻訳作業を一元管理できるようにします。

翻訳プロジェクトにコンテンツが追加されると、そのコンテンツの翻訳ジョブが作成されます。ジョブには、リソースで実行される人間による翻訳と機械翻訳のワークフローの管理に使用するコマンドとステータス情報が含まれています。

翻訳プロジェクトを作成する方法は、2 つあります。

  1. コンテンツの言語ルートを選択したあと、コンテンツパスに基づいて AEM が翻訳プロジェクトを自動的に作成する
  2. 空のプロジェクトを作成し、翻訳プロジェクトに追加するコンテンツを手動で選択する

どちらのアプローチも有効で、通常は、翻訳を実行するペルソナによって異なるだけです。

  • 翻訳プロジェクトマネージャー(TPM)には、翻訳プロジェクトに追加するコンテンツを手動で選択できる柔軟性が必要です。
  • コンテンツ所有者が翻訳の責任者でもある場合は、選択したコンテンツパスに基づいて AEM でプロジェクトを自動的に作成する方が、多くの場合簡単です。

両方のアプローチについて、以降の節で説明します。

コンテンツパスに基づく翻訳プロジェクトの自動作成 automatically-creating

コンテンツ所有者が翻訳も担当する場合、AEM で翻訳プロジェクトを自動的に作成する方が、多くの場合簡単です。コンテンツパスに基づいて AEM で翻訳プロジェクトを自動的に作成するには、次の手順に従います。

  1. ナビゲーションSites に移動してプロジェクトを選択します。
  2. プロジェクトの言語ルートを見つけます。例えば、言語ルートが英語の場合は /content/<your-project>/en です。
    • 初めて翻訳する場合、他の言語フォルダーは空のプレースホルダーになっています。これらは通常、コンテンツアーキテクトが作成します。
  3. プロジェクトの言語ルートを見つけます。
  4. パネルセレクターを選択し、参照 ​パネルを表示します。
  5. 言語コピー」を選択します。
  6. 言語コピー」チェックボックスをオンにします。
  7. 参照パネル下部の「言語コピーを更新」セクションを展開します。
  8. プロジェクト ​ドロップダウンリストで「翻訳プロジェクトを作成」を選択します。
  9. 翻訳プロジェクトに適したタイトルを指定します。
  10. 更新」を選択します。

翻訳プロジェクトの作成

プロジェクトが作成されたことを示すメッセージが表示されます。

NOTE
翻訳言語に必要な言語構造が、コンテンツ構造の定義の一部として既に作成されていることを前提としています。これは、コンテンツアーキテクトと協力して行う必要があります。
前の手順で説明したように、言語フォルダーが事前に作成されていない場合は、言語コピーを作成できません。

コンテンツの選択による翻訳プロジェクトの手動作成 manually-creating

翻訳プロジェクトマネージャーは、多くの場合、翻訳プロジェクトに含める特定のコンテンツを手動で選択する必要があります。そうした手動翻訳プロジェクトを作成するには、まず空のプロジェクトを作成してから、そのプロジェクトに追加するコンテンツを選択する必要があります。

  1. ナビゲーションプロジェクト ​に移動します。

  2. 作成フォルダー ​を選択して、プロジェクトのフォルダーを作成します。

    • これはオプションですが、翻訳作業を系統立てて行うのに役立ちます。
  3. プロジェクトを作成 ​ウィンドウで、フォルダーの「タイトル」を追加して「作成」を選択します。

    プロジェクトフォルダーの作成

  4. フォルダーを選択して開きます。

  5. 新しいプロジェクトフォルダーで、作成プロジェクト ​を選択します。

  6. プロジェクトはテンプレートを基にしています。翻訳プロジェクト ​テンプレートを選択し、「次へ」を選択します。

    翻訳プロジェクトテンプレートの選択

  7. 基本」タブで、新規プロジェクトの名前を入力します。

    プロジェクトの「基本」タブ

  8. 詳細」タブの​ ターゲット言語 ​ドロップダウンリストで、コンテンツの翻訳先の言語を選択します。「作成」を選択します。

    プロジェクトの「詳細」タブ

  9. 確認ダイアログで「開く」を選択します。

    プロジェクトの確認ダイアログ

これでプロジェクトが作成されましたが、翻訳するコンテンツがまだ含まれていません。次の節では、プロジェクトを構造化する方法とコンテンツの追加方法について詳しく説明します。

翻訳プロジェクトの使用 using-translation-project

翻訳プロジェクトは、翻訳作業に関連するコンテンツとタスクをすべて 1 か所に集めて、翻訳をシンプルで管理しやすいものにするように設計されています。

翻訳プロジェクトを表示するには、次の操作を実行します。

  1. ナビゲーションプロジェクト ​に移動します。
  2. 前のセクション(状況に応じて、コンテンツパスに基づく翻訳プロジェクトの自動作成またはコンテンツの選択による翻訳プロジェクトの手動作成のどちらか)で作成したプロジェクトを選択します。

翻訳プロジェクト

プロジェクトは、次のような複数のカードに分かれています。

  • 概要 - 所有者、言語、翻訳プロバイダーなど、プロジェクトの基本的なヘッダー情報が表示されます。
  • 翻訳ジョブ - このカードには、ステータスやアセット数といった実際の翻訳ジョブの概要が表示されます。一般に、言語ごとに 1 つのジョブが存在し、ジョブ名に ISO-2 言語コードが付加されたます。
    • 翻訳ジョブの自動作成時には、ジョブが AEM で非同期的に作成されるので、プロジェクト内にすぐには表示されない場合があります。
  • チーム - この翻訳プロジェクトに共同で取り組んでいるユーザーが表示されます。このジャーニーでは、このトピックについては扱いません。
  • タスク - コンテンツの翻訳に関連する追加タスク(TODO 項目やワークフロー項目の実行など)。このジャーニーでは、このトピックについては扱いません。

AEM での翻訳フローは、プロジェクト設定を 1 つ変更するとより深く理解できます。この手順は、実稼働用の翻訳には必要ありませんが、プロセスの理解に役立ちます。

  1. 概要 ​カードで、カードの下部にある省略記号ボタンを選択します。

  2. 詳細」タブで、「昇格後にローンチを削除」オプションのチェックを外します。

    「昇格後にローンチを削除」オプション

  3. 保存して閉じる」を選択します。

これで、翻訳プロジェクトを使用する準備が整いました。翻訳プロジェクトの使用方法は、作成方法(AEM による自動作成または手動作成)によって異なります。

自動作成された翻訳プロジェクトの使用 using-automatic-project

翻訳プロジェクトを自動的に作成する場合は、事前に定義した翻訳ルールに基づいて、選択したパスの配下にあるコンテンツが AEM によって評価されます。この評価に基づいて、新規翻訳プロジェクトへの翻訳が必要なコンテンツが抽出されます。

このプロジェクトに含まれているコンテンツの詳細を表示するには:

  1. 翻訳ジョブ ​カードの下部にある省略記号ボタンを選択します。

  2. 翻訳ジョブ ​ウィンドウには、ジョブ内のすべての項目が一覧表示されます。

    翻訳ジョブの詳細

  3. 行を選択すると、その行の詳細が表示されます。なお、1 つの行が、翻訳する複数のコンテンツ項目を表している場合があることに留意してください。

  4. 行の選択チェックボックスを選択すると、その項目をジョブから削除するオプションや Sites コンソールに表示するオプションなどが表示されます。

    翻訳ジョブのオプション

通常、翻訳ジョブのコンテンツは​ ドラフト ​状態で始まります。状態は、翻訳ジョブ ​ウィンドウの「状態」列に表示されます。

翻訳ジョブを開始するには、翻訳プロジェクトの概要に戻り、翻訳ジョブ ​カードの上部にある山形ボタンを選択して、「開始」を選択します。

翻訳ジョブの開始

これで、AEM は翻訳設定およびコネクタと通信して、コンテンツを翻訳サービスに送信します。翻訳の進行状況を確認するには、翻訳ジョブ ​ウィンドウに戻ってエントリの「状態」列を確認します。

承認された翻訳ジョブ

機械翻訳は、自動的に​ 承認済み ​状態で戻されます。人間による翻訳の場合は、さらにやり取りが可能ですが、それはこのジャーニーの範囲外ですので、ここでは扱いません。

TIP
翻訳ジョブの処理には時間がかかることがあります。翻訳項目が最終的に​ 承認済み ​状態になるまでに、状態が​ ドラフト ​から​ 翻訳中 ​を経て​ レビューへの準備完了 ​に変わる場合があります。これは想定される動作です。
NOTE
前の節の説明に反して、プロジェクトの「昇格後にローンチを削除」オプションを無効にしなかった場合、翻訳済み項目は​ 削除済み ​状態になります。AEM では、翻訳済み項目を受け取ると翻訳レコードを自動的に破棄するので、これは正常な動作です。つまり、翻訳済み項目は言語コピーとしてインポートされましたが、翻訳レコードは不要になったので削除されました。
この点について良くわからなくても心配はいりません。AEM の仕組みに関する詳細であり、ジャーニーの理解には影響しません。AEM による翻訳の処理について詳しくは、この記事の最後にあるその他のリソースの節を参照してください。

手動で作成された翻訳プロジェクトの使用 using-manual-project

翻訳プロジェクトを手動で作成する場合は、必要なジョブは AEM によって作成されますが、ジョブに含めるコンテンツは自動的には選択されません。これにより、翻訳するコンテンツを翻訳プロジェクトマネージャーが柔軟に選択できます。

翻訳ジョブにコンテンツを追加するには:

  1. 翻訳ジョブ ​カードの下部にある省略記号ボタンを選択します。

  2. ジョブにコンテンツが含まれていないことを確認します。ウィンドウの上部にある「追加」ボタンを選択して、ドロップダウンから「アセット/ページ」を選択します。

    空の翻訳ジョブ

  3. パスブラウザーが開き、追加するコンテンツを選択できます。コンテンツを探し、選択します。

    パスブラウザー

  4. 選択」を選択して、選択したコンテンツをジョブに追加します。

  5. 翻訳 ​ダイアログで、「言語コピーを作成」を指定します。

    言語コピーの作成

  6. これで、コンテンツがジョブに追加されます。

    翻訳ジョブにコンテンツが追加された様子

  7. 行の選択チェックボックスを選択すると、その項目をジョブから削除するオプションや Sites コンソールに表示するオプションなどが表示されます。

    翻訳ジョブのオプション

  8. 上記の手順を繰り返して、必要なコンテンツをすべてジョブに追加します。

TIP
パスブラウザーは、コンテンツの検索、フィルタリングおよびナビゲーションを行える強力なツールです。「コンテンツのみ/フィルター」ボタンを選択すると、サイドパネルが切り替わり、「変更日」や「翻訳ステータス」などの詳細フィルターが表示されます。
パスブラウザーについて詳しくは、その他のリソースの節を参照してください。

これまでの手順を使用して、必要なコンテンツをプロジェクトのすべての言語(ジョブ)に追加できます。コンテンツをすべて選択したら、翻訳を開始できます。

通常、翻訳ジョブのコンテンツは​ ドラフト ​状態で始まります。状態は、翻訳ジョブ ​ウィンドウの「状態」列に表示されます。

翻訳ジョブを開始するには、翻訳プロジェクトの概要に戻り、翻訳ジョブ ​カードの上部にある山形ボタンを選択して、「開始」を選択します。

翻訳ジョブの開始

これで、AEM は翻訳設定およびコネクタと通信して、コンテンツを翻訳サービスに送信します。翻訳の進行状況を確認するには、翻訳ジョブ ​ウィンドウに戻ってエントリの「状態」列を確認します。

承認された翻訳ジョブ

機械翻訳は、自動的に​ 承認済み ​状態で戻されます。人間による翻訳の場合は、さらにやり取りが可能ですが、それはこのジャーニーの範囲外ですので、ここでは扱いません。

TIP
翻訳ジョブの処理には時間がかかることがあります。翻訳項目が最終的に​ 承認済み ​状態になるまでに、状態が​ ドラフト ​から​ 翻訳中 ​を経て​ レビューへの準備完了 ​に変わる場合があります。これは想定される動作です。
NOTE
前の節の説明に反して、プロジェクトの「昇格後にローンチを削除」オプションを無効にしなかった場合、翻訳済み項目は​ 削除済み ​状態になります。AEM では、翻訳済み項目を受け取ると翻訳レコードを自動的に破棄するので、これは正常な動作です。つまり、翻訳済み項目は言語コピーとしてインポートされましたが、翻訳レコードは不要になったので削除されました。
この点について良くわからなくても心配はいりません。AEM の仕組みに関する詳細であり、ジャーニーの理解には影響しません。AEM による翻訳の処理について詳しくは、この記事の最後にあるその他のリソースの節を参照してください。

翻訳済みコンテンツのレビュー reviewing

前述のとおり、機械翻訳されたコンテンツは、AEM に戻されるときに​ 承認済み ​のステータスになっています。機械翻訳が使用されているので人間の介入は必要ないという前提があるからです。ただし、翻訳済みコンテンツをレビューすることは可能です。

レビューするには、完了した翻訳ジョブに移動し、チェックボックスをタップまたはクリックして行項目を選択するだけです。「サイトでプレビュー」アイコンがツールバーに表示されます。

サイトで表示

そのアイコンを選択すると、コンソールで翻訳済みコンテンツとその詳細が表示されます。

翻訳済みのページ

適切な権限があれば、翻訳済みコンテンツを必要に応じて変更できますが、コンテンツの編集はこのジャーニーの範囲外ですので、ここでは扱いません。このトピックについて詳しくは、このドキュメントの最後にある その他のリソース の節を参照してください。

プロジェクトの目的は、翻訳に関連するすべてのリソースを 1 か所にまとめて、簡単にアクセスしたり概要を明確に把握できるようにすることです。ただし、翻訳済み項目の詳細を確認すればわかるように、翻訳自体は翻訳言語のサイトフォルダーに戻されます。この例では、次のフォルダーです。

/content/<your-project>/es

ナビゲーションSites 経由でこのフォルダーに移動すると、翻訳済みコンテンツが表示されます。

翻訳済みコンテンツフォルダー構造

AEM の翻訳フレームワークは、翻訳コネクタから翻訳を受け取ると、言語ルートに基づき、コネクタから提供される翻訳を使用して、コンテンツ構造を自動的に作成します。

このコンテンツは公開されていないので利用できないことを理解しておくことが重要です。翻訳ジャーニーの次のステップでは、このオーサー/パブリッシュ構造と、翻訳済みコンテンツの公開方法について説明します。

人間による翻訳 human-translation

翻訳サービスが人間による翻訳を提供する場合は、レビュープロセスには追加のオプションが用意されています。例えば、翻訳が​ ドラフト ​ステータスでプロジェクトに戻った場合は、翻訳を手動でレビューし、承認または却下する必要があります。

人間による翻訳は、このローカライゼーションジャーニーの範囲外です。このトピックについて詳しくは、このドキュメントの最後にあるその他のリソースの節を参照してください。ただし、追加の承認オプション以外は、このジャーニーで説明しているように、人間による翻訳のワークフローは機械翻訳のものと同じです。

次の手順 what-is-next

これで、AEM Sites 翻訳ジャーニーのこのステップが完了し、以下を達成できました。

  • 翻訳プロジェクトの概要を理解する
  • 新しい翻訳プロジェクトを作成できる
  • 翻訳プロジェクトを使用してコンテンツを翻訳する

この知識を踏まえて、AEM Sites 翻訳ジャーニーを続けましょう。次は、翻訳済みコンテンツの公開ドキュメントを参照しながら、翻訳済みコンテンツを公開する方法と、言語ルートコンテンツの変更に合わせて翻訳を更新する方法について説明します。

その他のリソース additional-resources

翻訳済みコンテンツの公開のドキュメントを確認して、翻訳ジャーニーの次のステップに進むことをお勧めします。ジャーニーの続行に必須ではありませんが、この記事で取り上げたいくつかの概念について詳しく説明している追加のオプションリソースを以下に挙げておきます。

  • 翻訳プロジェクトの管理 - 翻訳プロジェクトの詳細と、人間による翻訳のワークフローや多言語プロジェクトなどの追加機能について説明します。
  • オーサリング環境とツール - AEM には、堅牢なパスブラウザーなど、コンテンツを整理および編集するための様々なメカニズムが用意されています。このドキュメントでは、それらについて説明します。
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