AEM ヘッドレス翻訳の基本を学ぶ getting-started

ヘッドレスコンテンツを整理する方法と AEM の翻訳ツールの仕組みについて説明します。

これまでの説明内容 story-so-far

AEM ヘッドレス翻訳ジャーニーの以前のドキュメント(ヘッドレスコンテンツの概要と AEM での翻訳方法について)では、ヘッドレス CMS の基本概念を説明し、以下を達成しました。

  • ヘッドレスコンテンツ配信の基本概念を理解する
  • AEM によるヘッドレスと翻訳のサポート方法に詳しくなる

この記事では、これらの基本事項に基づいて、AEM によるヘッドレスコンテンツの保存と管理の仕組みと、AEM の翻訳ツールを使用してそのコンテンツを翻訳する方法を理解します。

目的 objective

このドキュメントでは、AEM でヘッドレスコンテンツの翻訳を開始する方法を説明します。読み終えると、次のことができるようになります。

  • 翻訳におけるコンテンツ構造の重要性を理解する
  • AEM のヘッドレスコンテンツの保存方法を理解する
  • AEM の翻訳ツールに詳しくなる

要件と前提条件 requirements-prerequisites

ヘッドレス AEM コンテンツの翻訳を開始するには、いくつかの要件があります。

知識 knowledge

  • CMS でのコンテンツ翻訳経験
  • 大規模 CMS の基本機能の使用経験
  • AEM の基本操作に関する実務知識
  • 利用している翻訳サービスの理解
  • 翻訳対象コンテンツの基本的な理解
TIP
AEM のような大規模 CMS を使い慣れていない場合は、先に進む前に基本操作のドキュメントを確認することをお勧めします。「基本操作」ドキュメントはこのジャーニーの一部ではないので、読み終えたら、このページに戻ります。

ツール tools

  • コンテンツの翻訳をテストするためのサンドボックスアクセス
  • 好みの翻訳サービスに接続するための資格情報
  • AEM の projects-administrators グループのメンバーであること

構造の重要性 content-structure

AEM のコンテンツは、ヘッドレスであろうと従来の web ページであろうと、その構造によって決まります。AEM では、コンテンツ構造に関する要件はほとんどありませんが、プロジェクト計画の一環としてコンテンツ階層を慎重に検討することで、翻訳をより簡単に行うことができます。

TIP
ヘッドレスプロジェクトの最初に、翻訳の計画を立案します。プロジェクトマネージャーやコンテンツアーキテクトと早い段階から緊密に連携します。
国際化プロジェクトマネージャーは、翻訳するコンテンツと翻訳しないコンテンツの決定や、地域やローカルのコンテンツ制作者が変更できる翻訳コンテンツを定義する責任を負う独立した役割として必要になる場合があります。

AEM でのヘッドレスコンテンツの保存方法 headless-content-in-aem

翻訳担当者にとっては、AEM でのヘッドレスコンテンツの管理方法を深く理解することは重要ではありません。ただし、基本概念と用語を知っておくと、後で AEM の翻訳ツールを使用する際に役に立ちます。最も重要なのは、効果的に翻訳するためには、自社のコンテンツとその構造を理解することです。

コンテンツモデル content-models

あらゆるチャネル、地域、言語にわたってヘッドレスコンテンツの一貫した配信を行うには、コンテンツが高度に構造化されている必要があります。AEM では、コンテンツモデルを使用してこの構造を実現しています。コンテンツモデルは、ヘッドレスコンテンツを作成するためのテンプレートまたはパターンのようなものだと考えてください。どのプロジェクトにも固有のニーズがあるので、プロジェクトごとに独自のコンテンツフラグメントモデルを定義します。AEM には、このようなモデルに対する固定された要件や構造はありません。

コンテンツアーキテクトが、プロジェクトの初期段階でこの構造を定義します。翻訳担当者は、コンテンツアーキテクトと緊密に連携して、コンテンツを理解および整理する必要があります。

NOTE
コンテンツモデルを定義するのは、コンテンツアーキテクトです。翻訳担当者は、次の手順で説明するように、構造に精通している必要があります。

コンテンツモデルはコンテンツの構造を定義するものなので、モデルのどのフィールドを翻訳する必要があるかを把握しておく必要があります。翻訳担当者は通常、コンテンツアーキテクトと協力してこれを定義します。コンテンツモデルのフィールドを参照するには、次の手順に従います。

  1. ツールアセットコンテンツフラグメントモデル ​に移動します。

  2. コンテンツフラグメントモデルは通常、フォルダー構造で保存されます。プロジェクトのフォルダーをクリックします。

  3. モデルが一覧表示されます。モデルをクリックして詳細を表示します。
    コンテンツフラグメントモデル

  4. コンテンツフラグメントモデルエディター ​が開きます。

    1. 左側の列には、モデルのフィールドが含まれています。重要なのはこの列です。
    2. 右側の列には、モデルに追加できるフィールドが含まれています。この列は無視できます。
      コンテンツフラグメントモデルエディター
  5. モデルのフィールドの 1 つをクリックします。そのフィールドが選択され、フィールドの詳細が右側の列に表示されます。
    コンテンツフラグメントモデルエディター(詳細表示)

翻訳が必要なすべてのフィールドの「プロパティ名」フィールドをメモします。この情報は、後ほどジャーニーで必要になります。これらの「プロパティ名」は、コンテンツのどのフィールドを翻訳する必要があるかを AEM に知らせるために必要です。

TIP
通常は、コンテンツアーキテクトが、翻訳に必要なすべてのフィールドの「プロパティ名」を翻訳担当者に提供します。これらのフィールド名は、後ほどジャーニーで必要になります。以上の手順は、翻訳担当者の理解のために提供されています。

コンテンツフラグメント content-fragments

コンテンツモデルは、コンテンツ作成者が実際のヘッドレスコンテンツの作成に使用します。コンテンツ作成者は、コンテンツの基になるモデルを選択したあと、コンテンツフラグメントを作成します。コンテンツフラグメントはモデルのインスタンスであり、ヘッドレスに配信される実際のコンテンツを表します。

コンテンツモデルがコンテンツのパターンだとすれば、コンテンツフラグメントは、それらのパターンに基づく実際のコンテンツになります。コンテンツフラグメントは、翻訳が必要なコンテンツを表します。

コンテンツフラグメントは、デジタルアセット管理(DAM)の一環として、AEM でアセットとして管理されます。ここが重要なポイントで、コンテンツフラグメントはすべてパス /content/dam の下に配置されます。

前述のとおり、コンテンツアーキテクトと協力して、プロジェクトに適したコンテンツ構造を決定します。ただし、以下に示す構造は実証済みでシンプルかつ直感的であり、非常に効果的です。

プロジェクトのベースフォルダーを /content/dam の下に定義します。

/content/dam/<your-project>

コンテンツのオーサリングに使用される言語は、言語ルートと呼ばれます。この例では、言語ルートは英語で、そのパスは次のようになります。

/content/dam/<your-project>/en

ローカライズが必要になるプロジェクトコンテンツは、すべて言語ルートの下に配置してください。

/content/dam/<your-project>/en/<your-project-content>

翻訳は、言語ルートと同じレベルに兄弟フォルダーとして作成してください。そのフォルダー名は言語の ISO-2 言語コードを表す名前にします。例えば、ドイツ語の場合、パスは次のようになります。

/content/dam/<your-project>/de
NOTE
これらの言語フォルダーは通常、コンテンツアーキテクトが作成します。作成されていない場合、AEM では、後で翻訳ジョブを作成することはできません。

最終的な構造は次のようになります。

/content
    |- dam
        |- your-project
            |- en
                |- some
                |- exciting
                |- headless
                |- content
            |- de
            |- fr
            |- it
            |- ...
        |- another-project
        |- ...

コンテンツの特定のパスは、後で翻訳を設定する際に必要になるので、メモしておいてください。

NOTE
コンテンツ構造の定義は通常、コンテンツアーキテクトが担当しますが、翻訳担当者と協力して行うことができます。
ここでは念のため、詳細を説明しました。

AEM 翻訳ツール translation-tools

これで、コンテンツフラグメントの概要とコンテンツ構造の重要性を理解したので、次に、コンテンツの翻訳方法を見ていきます。AEM の翻訳ツールは非常に強力ですが、その概要は簡単に理解できます。

  • 翻訳コネクタ - AEM と使用する翻訳サービスの間のリンクです。
  • 翻訳ルール - 特定パスのどのコンテンツを翻訳するかを定義します。
  • 翻訳プロジェクト - 単一の翻訳作業として取り組む必要があるコンテンツを集めたもので、翻訳の進行状況を追跡します。コネクタとやり取りして、翻訳対象のコンテンツを送信し、翻訳サービスから翻訳結果を受信します。

通常、コネクタはインスタンスに対して 1 回だけセットアップし、ルールはヘッドレスプロジェクトごとにセットアップします。その後、翻訳プロジェクトを使用してコンテンツを翻訳し、その翻訳を継続的に最新の状態に保ちます。

次の手順 what-is-next

これで、ヘッドレス翻訳ジャーニーのこの手順が完了し、以下のことができるようになりました。

  • 翻訳におけるコンテンツ構造の重要性を理解する
  • AEM のヘッドレスコンテンツの保存方法を理解する
  • AEM の翻訳ツールに詳しくなる

この知識を基に、AEM ヘッドレス翻訳ジャーニーを続けてください。次に、翻訳統合の設定のドキュメントを参照しながら、AEM を翻訳サービスに接続する方法について説明します。

その他のリソース additional-resources

翻訳コネクタの設定のドキュメントを確認して、ヘッドレス翻訳ジャーニーの次のステップに進むことをお勧めします。ヘッドレスジャーニーの続行に必須ではありませんが、この記事で取り上げたいくつかの概念について詳しく説明している追加のオプションリソースを以下に挙げておきます。

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