Microsoft Dynamics OData の設定 microsoft-dynamics-odata-configuration
Microsoft Dynamics は、顧客関係管理(CRM)およびエンタープライズリソースプランニング(ERP)用のソフトウェアで、顧客のアカウント、連絡先、潜在顧客、顧客機会、顧客事例を作成して管理する企業ソリューションを提供します。AEM Forms のデータ統合機能の OData クラウドサービス設定を使用して、オンラインおよびオンプレミスの Microsoft Dynamics サーバーの両方に Forms を統合できます。これにより、Microsoft Dynamics サービスで定義されるエンティティ、属性、サービスに基づいて、フォームデータモデルを作成できるようになります。フォームデータモデルを使用して、Microsoft Dynamics サーバーと連携するアダプティブフォームを作成することにより、ビジネスワークフローを使用できるようになります。次に例を示します。
- Microsoft Dynamics サーバーに対してクエリーを実行し、各種のデータや事前に設定されているアダプティブフォームを照会する
- アダプティブフォームの送信時に、データを Microsoft Dynamics に書き込む
- フォームデータモデル内で定義されるカスタムエンティティを使用して、データを Microsoft Dynamics に書き込む(またはその逆の動作)
AEM Forms アドオンパッケージには、Microsoft Dynamics を AEM Forms に素早く統合するのに役立つ参照 OData 設定も含まれます。
パッケージがインストールされると、AEM Forms インスタンス上で、次のエンティティとサービスを使用できるようになります。
- MS Dynamics OData クラウドサービス(OData サービス)
- Microsoft Dynamics の各種エンティティとサービスが事前設定されたフォームデータモデル。
フォームデータモデルで事前構成された Microsoft Dynamics エンティティとサービスは、AEM インスタンスの実行モードが samplecontent
(デフォルト)に設定されている場合にのみ、AEM Forms インスタンスで使用できます。MS Dynamics OData Cloud Service(OData サービス)は、他の実行モードでも使用できます。AEM インスタンスの実行モードの設定について詳しくは、実行モードを参照してください。
前提条件 prerequisites
Microsoft Dynamics のセットアップおよび設定を開始する前に、次の項目を確認する必要があります。
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AEM Forms アドオンパッケージがインストールされている
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Microsoft Dynamics 365 がオンライン環境で設定されているか、次のいずれかの Microsoft Dynamics バージョンのインスタンスがインストールされていること。
- オンプレミス環境の Microsoft Dynamics 365
- オンプレミス環境の Microsoft Dynamics 2016
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Microsoft Dynamics オンラインサービスのアプリケーションを Microsoft Azure Active Directory に登録している。登録済みサービスのクライアント ID(アプリケーション ID)とクライアントの秘密鍵の値を書き留めてください。これらの値は Microsoft Dynamics サービス用にクラウドサービスを設定するときに使用します。
登録された Microsoft Dynamics アプリケーションの応答 URL の設定 set-reply-url-for-registered-microsoft-dynamics-application
次の手順で、登録された Microsoft Dynamics アプリケーションの応答 URL を設定します。
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Microsoft Azure Active Directory アカウントに移動し、登録済みアプリケーションの「応答 URL」設定に以下のクラウドサービス設定の URL を追加します。
https://'[server]:[port]'/libs/fd/fdm/gui/components/admin/fdmcloudservice/createcloudconfigwizard/cloudservices.html
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設定を保存します。
IFD 用の Microsoft Dynamics の設定 configure-microsoft-dynamics-for-ifd
外部のユーザーは、Microsoft Dynamics でクレームベース認証を使用して、Microsoft Dynamics CRM サーバー上のデータにアクセスできます。この機能を有効にするには、次の手順を実行して、インターネット接続デプロイメント(IFD)用に Microsoft Dynamics を設定し、クレーム設定を指定します。
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「Configure IFD for Microsoft Dynamics」の説明に従い、オンプレミス環境の Microsoft Dynamics インスタンスを IFD 用に設定します。
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Windows PowerShell を使用して以下のコマンドを実行し、IFD が有効になっている Microsoft Dynamics でクレームを設定します。
code language-shell Add-PSSnapin Microsoft.Crm.PowerShell $ClaimsSettings = Get-CrmSetting -SettingType OAuthClaimsSettings $ClaimsSettings.Enabled = $true Set-CrmSetting -Setting $ClaimsSettings
詳しくは、「CRM オンプレミス(IFD)のアプリ登録」を参照してください。
AD FS マシンで OAuth クライアントを設定する configure-oauth-client-on-ad-fs-machine
OAuth クライアントを Active Directory Federation Services(AD FS)マシンに登録し、AD FS マシンでアクセス権限を設定するには、以下の手順を実行します。
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次のコマンドを実行します。
Add-AdfsClient -ClientId "<Client-ID>" -Name "<name>" -RedirectUri "<redirect-uri>" -GenerateClientSecret
各パラメーターの意味は次のとおりです。
Client-ID
は、任意の GUID ジェネレーターを使用して生成できるクライアント ID です。redirect-uri
は、AEM Forms 上の Microsoft Dynamics OData クラウドサービスに対する URL です。AEM Forms パッケージと共にインストールされるデフォルトのクラウドサービスは、次の URL にデプロイされます。https://'[server]:[port]'/libs/fd/fdm/gui/components/admin/fdmcloudservice/createcloudconfigwizard/cloudservices.html
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以下のコマンドを実行して、AD FS マシン上でアクセス権を設定します。
Grant-AdfsApplicationPermission -ClientRoleIdentifier "<Client-ID>" -ServerRoleIdentifier <resource> -ScopeNames openid
各パラメーターの意味は次のとおりです。
resource
は、Microsoft Dynamics の組織 URL です。
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Microsoft Dynamics では、HTTPS プロトコルが使用されます。Forms サーバーから AD FS のエンドポイントを呼び出すには、AEM Forms が稼働しているコンピューターで
keytool
コマンドを使用して、Microsoft Dynamics のサイト証明書を Java の証明書ストアにインストールします。
Microsoft Dynamics サービス用にクラウドサービスを設定する configure-cloud-service-for-your-microsoft-dynamics-service
MS Dynamics OData Cloud Service(OData サービス) の設定は、デフォルトの OData 設定に付属しています。Odata サービスを設定して Microsoft Dynamics サービスに接続するには、以下の手順を実行します。
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ツール/クラウドサービス/データソース に移動し、
global
設定フォルダーを選択します。 -
MS Dynamics OData Cloud Service(OData サービス) の設定を選択して「プロパティ」を選択します。クラウドサービスの設定プロパティを表示するダイアログが開きます。
「認証設定」タブで、次のように設定します。
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「サービスルート」フィールドの値を入力します。Dynamics インスタンスの「開発者向けリソース」に移動し、「サービスルート」フィールドの値を表示します。例えば、https://<tenant-name>/api/data/v9.1/ です。
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「クライアント ID」(「アプリケーション ID」とも呼ばれます)、「クライアントの秘密鍵」、「OAuth URL」、「更新トークン URL」、「アクセストークン URL」、「リソース」の各フィールドのデフォルト値を、Microsoft Dynamics サービス設定の値と置き換えます。Microsoft Dynamics をフォームデータモデルで構成するには、「リソース」フィールドで Dynamics インスタンスの URL を指定する必要があります。サービスルート URL を使用して、Dynamics インスタンスの URL を取得します。例えば、https://org.crm.dynamics.com です。
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Microsoft Dynamics の認証プロセス用の「認証範囲」フィールドで、「openid」を指定します。
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「OAuth に接続」をクリックします。Microsoft Dynamics のログインページにリダイレクトされます。
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Microsoft Dynamics の資格情報を使用してログインし、クラウドサービス設定を使用して Microsoft Dynamics サービスに接続することに同意します。このサービスとクラウドサービスとの間に接続を確立する操作は 1 回だけ行います。
クラウドサービス設定のページに切り替わります。このページには、OData の設定が正常に保存されたことを示すメッセージが表示されます。
これで、MS Dynamics OData Cloud Service(OData サービス)がクラウドサービスとして設定され、Dynamics サービスに接続されます。
フォームデータモデルの作成 create-form-data-model
AEM Forms パッケージをインストールすると、フォームデータモデルの** Microsoft Dynamics FDM** が AEM インスタンスにデプロイされます。デフォルトの場合、MS Dynamics OData Cloud Service(OData サービス)で定義された Microsoft Dynamics サービスが、フォームデータモデルのデータソースとして使用されます。
初めてフォームデータモデルを開くと、設定済みの Microsoft Dynamics サービスに接続され、Microsoft Dynamics インスタンスからエンティティが取得されます。Microsoft Dynamics から取得される「連絡先」エンティティと「潜在顧客」エンティティは、フォームデータモデル内に既に追加されています。
フォームデータモデルを確認するには、フォーム/データ統合 に移動します。Microsoft Dynamics FDM を選択し、「編集」をクリックしてフォームデータモデルを編集モードで開きます。または、次の URL から直接フォームデータモデルを開くこともできます。
https://'[server]:[port]'/aem/fdm/editor.html/content/dam/formsanddocuments-fdm/ms-dynamics-fdm
この後、フォームデータモデルに基づいてアダプティブフォームを作成し、次のようなさまざまな方法でアダプティブフォームを使用できます。
- Microsoft Dynamics のエンティティとサービスに対してクエリーを実行し、取得した情報を使用してアダプティブフォームを事前に設定する
- アダプティブフォームのルールを使用して、フォームデータモデル内で定義された Microsoft Dynamics サーバーの操作を呼び出す
- 送信されたフォームデータを Microsoft Dynamics のエンティティに書き込む
AEM Forms パッケージに付属したフォームデータモデルのコピーを作成し、要件に合わせてデータモデルとサービスを設定することをお勧めします。これにより、今後のパッケージの更新時に、フォームデータモデルが上書きされることがなくなります。
ビジネスワークフローでのフォームデータモデルの作成および使用について詳しくは、データ統合を参照してください。