Adobe InDesign 用の配置専用レンディションの生成 fpo-renditions
Adobe Experience Manager の大きいサイズのアセットを Adobe InDesign ドキュメントに配置する場合、クリエイティブプロフェッショナルは、アセットを配置してからかなりの時間待つ必要があります。一方、ユーザーは InDesign の使用をブロックされます。これにより、クリエイティブの流れが中断され、ユーザーエクスペリエンスに悪影響が出ます。そこで、最初に小さいサイズのレンディションを InDesign ドキュメントに一時的に配置できるようになっています。印刷ワークフローや公開ワークフローなど、最終的な出力が必要な場合は、バックグラウンドの一時レンディションが元のフル解像度のアセットに置き換わります。このバックグラウンドでの非同期更新により、設計プロセスが迅速化されて生産性が向上する一方、クリエイティブプロセスが妨げられることはありません。
Adobe Experience Manager(AEM)には、配置専用(FPO)のレンディションが用意されています。これらの FPO レンディションは、ファイルサイズは小さいですが、縦横比は同じです。FPO レンディションがアセットに使用できない場合、Adobe InDesign は元のアセットを代わりに使用します。このフォールバックメカニズムにより、クリエイティブワークフローは中断することなく確実に続行されます。
FPO レンディションを生成するための取り組み approach-to-generate-fpo-renditions
Experience Manager には、FPO レンディションの生成に使用できる画像処理方法が数多く用意されています。最も一般的な 2 つの方法は、組み込みの Experience Manager ワークフローを使用する方法と ImageMagick を使用する方法です。これらの 2 つの方法を使用して、新しくアップロードしたアセットと Experience Manager に存在するアセットのレンディション生成を設定します。
ImageMagick を使用して、FPO レンディションの生成などの画像処理が可能です。このようなレンディションはダウンサンプルされます。つまり、元の画像の PPI が 72 を超える場合、レンディションのピクセルサイズが比例的に小さくなります。詳しくは、Experience Manager Assets と連携するための ImageMagick のインストールと設定を参照してください。
Experience Manager ワークフローを使用した新しいアセットのレンディションの生成 generate-renditions-of-new-assets-using-aem-workflow
次に、レンディションの生成を有効にするための DAM アセットの更新ワークフローモデルの設定手順を示します。
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ツール/ワークフロー/モデル をクリックします。DAM アセットの更新 モデルを選択して、「編集」をクリックします。
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サムネールを処理 ステップを選択して、「設定」をクリックします。
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「FPO レンディション」タブをクリックします。「FPO レンディション作成を有効にする」を選択します。
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必要に応じて、画質 を調整したり、「形式リスト」の値を追加または変更したりします。デフォルトでは、FPO レンディションを生成するための MIME タイプのリストは、pjpeg、jpeg、jpg、gif、png、x-png、tiff です。「完了」をクリックします。
note note NOTE レンディションの生成は、ファイルタイプ JPEG、GIF、PNG、TIFF、PSD、BMP でサポートされます。 -
変更を有効にするには、「同期」をクリックします。
ImageMagick を使用した新しいアセットのレンディションの生成 generate-renditions-of-new-assets-using-imagemagick
Experience Manager では、新しいアセットがアップロードされると、DAM アセットの更新ワークフローが実行されます。ImageMagick を使用して新しくアップロードされたアセットのレンディションを処理するには、ワークフローモデルに新しいコマンドを追加します。
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ツール/ワークフロー/モデル をクリックします。
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DAM アセットの更新 モデルを選択して、「編集」をクリックします。
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左上隅の「サイドパネルを切り替え」をクリックして、コマンドラインステップを検索します。
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コマンドライン ステップをドラッグして、サムネールを処理 ステップの前に追加します。
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コマンドライン ステップを選択して、「設定」をクリックします。
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必要な情報をカスタム タイトル および 説明 として追加します。例えば、FPO レンディション(ImageMagick を利用)です。
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「引数」タブで、関連する MIME タイプ を追加して、コマンドが適用されるファイル形式のリストを提供します。
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「引数」タブの「コマンド」セクションで、FPO レンディションを生成するための関連する ImageMagick コマンドを追加します。
次のコマンドの例では、JPEG 形式の FPO レンディションを生成し、72 PPI(10%画質設定)でダウンサンプリングを行い、出力をフラット化して複数レイヤーの Adobe Photoshop ファイルを処理します。
convert -quality 10% -units PixelsPerInch ${filename} -resample 72 -flatten cq5dam.fpo.jpeg
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変更を有効にするには、「同期」をクリックします。
ImageMagick のコマンドライン機能について詳しくは、https://imagemagick.org を参照してください。
Experience Manager ワークフローを使用した既存アセットのレンディションの生成 generate-renditions-of-existing-assets-using-aem-workflow
Experience Manager ワークフローを使用して既存アセットの FPO レンディションを生成するには、組み込みの FPO レンディションオプションを使用する専用のワークフローモデルを作成します。
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ツール/ワークフロー/モデル をクリックします。
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モデルを作成するには、作成/モデルを作成 をクリックします。
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意味のある「タイトル」および「名前」を追加します。
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モデルを選択し、「編集」をクリックします。ページ情報/プロパティを開く をクリックして、一時的なワークフロー を選択します。これにより、拡張性とパフォーマンスが向上します。
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「保存」および「閉じる」をクリックします。
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左上隅の「サイドパネルを切り替え」をクリックして、「サムネールを処理」ステップを検索します。
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「サムネールを処理」を選択し、「設定」をクリックします。Experience Manager ワークフローを使用して、新しいアセットのレンディションを生成するための設定に従います。
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変更を有効にするには、「同期」をクリックします。
ImageMagick を使用した既存アセットのレンディションの生成 generate-renditions-of-existing-assets-using-imagemagick
ImageMagick 処理機能を使用して既存アセットの FPO レンディションを生成するには、 ImageMagick コマンドラインを使用する専用のワークフローモデルを作成します。
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Experience Manager ワークフローを使用して既存アセットのレンディションを生成するための設定の節の手順 1 ~ 3 に従います。
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ImageMagick を使用して新しいアセットのレンディションを生成するための設定の節の手順 4 ~ 8 に従います。
FPO レンディションの表示 view-fpo-renditions
ワークフローが完了したら、生成された FPO レンディションを確認できます。Experience ManagerAssets ユーザーインターフェイスで、アセットをクリックして大きいプレビューを開きます。左側のパネルを開き、「レンディション」を選択します。または、プレビューが開いたときに、キーボードショートカット Alt + 3
を使用します。
「FPO レンディション」をクリックして、プレビューを読み込みます。オプションで、レンディションを右クリックしてファイルシステムに保存できます。
ヒントと制限事項 tips-limitations
- ImageMagick ベースの設定を使用するには、ImageMagick を Experience Manager と同じマシンにインストールします。
- 多数のアセットまたはリポジトリ全体の FPO レンディションを生成するには、トラフィックの少ない時間帯にワークフローを計画および実行します。大量のアセットの FPO レンディションを生成するアクティビティはリソースを大量に消費するので、Experience Manager サーバーには十分な処理能力と空きメモリが必要です。
- パフォーマンスと拡張性については、ImageMagick の微調整を参照してください。
- アセットの一般的なコマンドライン処理については、アセットを処理するためのコマンドラインハンドラーを参照してください。