Experience Cloud Identity Service による ID のリクエスト方法と設定方法

ID のリクエストと応答のプロセスについて、概要を説明します。個々のサイト、異なる複数のサイトおよびそれぞれ独自の組織 ID を持つ異なる Experience Cloud ユーザーによって管理されるサイトに対する ID の割り当て例を示しています。

メモ

Experience Cloud Identity Service による訪問者 ID の作成方法がわからない場合は、Experience Cloud を参照してください。

Experience Cloud ID のリクエスト

以下の例では、ID サービスが Experience Cloud 訪問者 ID をリクエストして受け取る方法を示します。これらの例では、「食品会社」と「スポーツ会社」という 2 つの架空の会社を使用して、ID のリクエストと応答のデータフローを示しています。それぞれの会社には固有の Experience Cloud 組織 ID が割り当てられ、すべてのサイトに ID サービスコードが実装されています。これらの使用例では、Analytics や従来の ID を使用せず、サードパーティ Cookie をブロックするブラウザーも使用しない一般的な ID サービス実装のデータフローを表しています。

最初のリクエスト

この例では、「食品会社」が管理するピザサイトに新しい訪問者がアクセスします。「食品会社」のこのピザ Web サイトには ID サービスコードが含まれています。ピザサイトが読み込まれるときに、この ID サービスコードは、pizza ドメインの AMCV Cookie があるかをチェックします。

  • AMCV Cookie が設定されている場合、そのサイトの訪問者には Experience Cloud ID が割り当てられています。この場合、その ID を使用して訪問者を追跡し、他の Experience Cloud ソリューションとデータを共有することになります。
  • AMCV Cookie が設定されていない場合、ID サービスコードは、dpm.demdex.net/id にある地域のデータ収集サーバー(DCS)を呼び出します(Demdex ドメインの呼び出しについても参照してください)。この呼び出しには、「食品会社」の組織 ID が含まれます。この組織 ID は、ID サービスコードの Visitor.getInstance 関数に設定されます。

最初の応答

応答では、DCS が Experience Cloud ID(MID)と demdex Cookie を返します。ID サービスコードが AMCV Cookie に MID 値を書き込みます。例えば、DCS が 1234 という MID 値を返す場合、この値が AMCV Cookie に mid|1234 として保存され、ファーストパーティの pizza ドメインに設定されます。demdex Cookie にも固有の ID があります(5678 とします)。この Cookie は、pizza ドメインとは異なる、サードパーティの demdex.net ドメインに設定されます。

以下の例で示すとおり、訪問者が「食品会社」に属する別のサイトに移動すると、ID サービスは demdex ID と組織 ID を使用して正しい MID を作成して返すことができます。

クロスサイトのリクエストと応答

この例では、「食品会社」の訪問者は、ピザサイトからタコスサイトに移動します。「食品会社」のこのタコス Web サイトには ID サービスコードが含まれています。この訪問者が過去にタコス Web サイトにアクセスしたことはありません。

この条件下では、タコスサイトに AMCV Cookie が存在しません。また、ID サービスは、ピザサイトに設定されている AMCV Cookie を使用できません。この Cookie は pizza ドメインに固有のものであるからです。そのため、ID サービスは DCS を呼び出して、訪問者 ID を確認してリクエストする必要があります。この場合、DCS の呼び出しには、「食品会社」の組織 ID に加えて demdex ID も含まれます。また、前述のとおり、demdex ID は pizza サイトから取得され、demdex.net ドメイン下でサードパーティ Cookie として保存されます。

DCS が組織 ID と demdex ID を受け取った後、サイト訪問者の正しい MID を作成して返します。この MID は組織 ID と demdex ID から計算されるので、AMCV Cookie には mid = 1234 という MID 値が含まれます。

他のサイトからの ID のリクエスト

この例では、訪問者は「食品会社」のサイトを離れ、「スポーツ会社」が所有するサッカーサイトに移動します。訪問者がサッカーサイトにアクセスしたときの ID チェックとリクエストの処理は、前の例で説明したとおりに実行されます。ただし、「スポーツ会社」には独自の組織 ID があるので、ID サービスが返す MID は異なります。新しい MID は「スポーツ会社」が管理するドメインに固有のものであり、この MID によってこの会社が Experience Cloud の複数のソリューションで訪問者データを追跡して共有することができます。demdex ID は、サードパーティ Cookie に保存されており、異なるドメインで維持されるので、この訪問者に対して同じものになります。

このページ