バージョン | 記事リンク |
---|---|
AEM as a Cloud Service | ここをクリックしてください |
AEM 6.5 | この記事 |
Adobe Experience Manager の大きいサイズのアセットを Adobe InDesign ドキュメントに配置する場合、クリエイティブプロフェッショナルは、アセットを配置してからかなりの時間待つ必要があります。一方、ユーザーは InDesign の使用をブロックされます。これにより、クリエイティブの流れが中断され、ユーザーエクスペリエンスに悪影響が出ます。そこで、最初に小さいサイズのレンディションを InDesign ドキュメントに一時的に配置できるようになっています。印刷ワークフローや公開ワークフローなど、最終的な出力が必要な場合は、バックグラウンドの一時レンディションが元のフル解像度のアセットに置き換わります。このバックグラウンドでの非同期更新により、設計プロセスが迅速化されて生産性が向上する一方、クリエイティブプロセスが妨げられることはありません。
Adobe Experience Manager(AEM)には、配置専用(FPO)のレンディションが用意されています。これらの FPO レンディションは、ファイルサイズは小さいですが、縦横比は同じです。FPO レンディションがアセットに使用できない場合、Adobe InDesign は元のアセットを代わりに使用します。このフォールバックメカニズムにより、クリエイティブワークフローは中断することなく確実に続行されます。
Experience Manager には、FPO レンディションの生成に使用できる画像処理方法が数多く用意されています。最も一般的な 2 つの方法は、組み込みの Experience Manager ワークフローを使用する方法と ImageMagick を使用する方法です。これらの 2 つの方法を使用して、新しくアップロードしたアセットと Experience Manager に存在するアセットのレンディション生成を設定します。
ImageMagick を使用して、FPO レンディションの生成などの画像処理が可能です。このようなレンディションはダウンサンプルされます。つまり、元の画像の PPI が 72 を超える場合、レンディションのピクセルサイズが比例的に小さくなります。詳しくは、Experience Manager Assets と連携するための ImageMagick のインストールと設定を参照してください。
Experience Manager の組み込みワークフローの使用 | ImageMagick ワークフローの使用 | 備考 | |
---|---|---|---|
新しいアセットの場合 | FPO レンディションを有効にする(ヘルプ) | ImageMagick コマンドラインを Experience Manager ワークフローに追加する(ヘルプ) | Experience Manager は、アップロードのたびに DAM アセットの更新ワークフローを実行します。 |
既存のアセットの場合 | 新しい専用 Experience Manager ワークフローで FPO レンディションを有効にする(ヘルプ) | ImageMagick コマンドラインを新しい専用 Experience Manager ワークフローに追加する(ヘルプ) | 既存のアセットの FPO レンディションは、オンデマンドまたは一括で作成できます。 |
デフォルトのワークフローのコピーを変更することで、レンディションを生成するためのワークフローを作成します。これにより、新しいサービスパックをインストールするなどして Experience Manager が更新された場合に変更が上書きされるのを防ぎます。
次に、レンディションの生成を有効にするための DAM アセットの更新ワークフローモデルの設定手順を示します。
ツール/ワークフロー/モデルをクリックします。DAM アセットの更新モデルを選択して、「編集」をクリックします。
サムネールを処理ステップを選択して、「設定」をクリックします。
「FPO レンディション」タブをクリックします。「FPO レンディション作成を有効にする」を選択します。
必要に応じて、画質を調整したり、「形式リスト」の値を追加または変更したりします。デフォルトでは、FPO レンディションを生成するための MIME タイプのリストは、pjpeg、jpeg、jpg、gif、png、x-png、tiff です。「完了」をクリックします。
レンディションの生成は、ファイルタイプ JPEG、GIF、PNG、TIFF、PSD、BMP でサポートされます。
変更を有効にするには、「同期」をクリックします。
片側が 1280 ピクセルを超える画像は、FPO レンディションのピクセルサイズを保持しません。
Experience Manager では、新しいアセットがアップロードされると、DAM アセットの更新ワークフローが実行されます。ImageMagick を使用して新しくアップロードされたアセットのレンディションを処理するには、ワークフローモデルに新しいコマンドを追加します。
ツール/ワークフロー/モデルをクリックします。
DAM アセットの更新モデルを選択して、「編集」をクリックします。
左上隅の「サイドパネルを切り替え」をクリックして、コマンドラインステップを検索します。
コマンドラインステップをドラッグして、サムネールを処理ステップの前に追加します。
コマンドラインステップを選択して、「設定」をクリックします。
必要な情報をカスタムタイトルおよび説明として追加します。例えば、FPO レンディション(ImageMagick を利用)です。
「引数」タブで、関連する MIME タイプを追加して、コマンドが適用されるファイル形式のリストを提供します。
「引数」タブの「コマンド」セクションで、FPO レンディションを生成するための関連する ImageMagick コマンドを追加します。
次のコマンドの例では、JPEG 形式の FPO レンディションを生成し、72 PPI(10%画質設定)でダウンサンプリングを行い、出力をフラット化して複数レイヤーの Adobe Photoshop ファイルを処理します。
convert -quality 10% -units PixelsPerInch ${filename} -resample 72 -flatten cq5dam.fpo.jpeg
変更を有効にするには、「同期」をクリックします。
ImageMagick のコマンドライン機能について詳しくは、https://imagemagick.org を参照してください。
Experience Manager ワークフローを使用して既存アセットの FPO レンディションを生成するには、組み込みの FPO レンディションオプションを使用する専用のワークフローモデルを作成します。
ツール/ワークフロー/モデルをクリックします。
モデルを作成するには、作成/モデルを作成をクリックします。
意味のある「タイトル」および「名前」を追加します。
モデルを選択し、「編集」をクリックします。ページ情報/プロパティを開くをクリックして、一時的なワークフローを選択します。これにより、拡張性とパフォーマンスが向上します。
「保存」および「閉じる」をクリックします。
左上隅の「サイドパネルを切り替え」をクリックして、「サムネールを処理」ステップを検索します。
「サムネールを処理」を選択し、「設定」をクリックします。Experience Manager ワークフローを使用して、新しいアセットのレンディションを生成するための設定に従います。
変更を有効にするには、「同期」をクリックします。
ImageMagick 処理機能を使用して既存アセットの FPO レンディションを生成するには、 ImageMagick コマンドラインを使用する専用のワークフローモデルを作成します。
Experience Manager ワークフローを使用して既存アセットのレンディションを生成するための設定の節の手順 1 ~ 3 に従います。
ImageMagick を使用して新しいアセットのレンディションを生成するための設定の節の手順 4 ~ 8 に従います。
ワークフローが完了したら、生成された FPO レンディションを確認できます。Experience ManagerAssets ユーザーインターフェイスで、アセットをクリックして大きいプレビューを開きます。左側のパネルを開き、「レンディション」を選択します。または、プレビューが開いたときに、キーボードショートカット Alt + 3
を使用します。
「FPO レンディション」をクリックして、プレビューを読み込みます。オプションで、レンディションを右クリックしてファイルシステムに保存できます。