JSON スキーマを使用したアダプティブフォームの作成 creating-adaptive-forms-using-json-schema
アダプティブフォームの新規作成または AEM Sites ページへのアダプティブフォームの追加には、最新の拡張可能なデータキャプチャコアコンポーネントを使用することをお勧めします。これらのコンポーネントは、アダプティブフォームの作成における大幅な進歩を表し、ユーザーエクスペリエンスの向上を実現します。この記事では、基盤コンポーネントを使用してアダプティブフォームを作成する古い方法について説明します。
前提条件 prerequisites
フォームモデルとして JSON スキーマを使用してアダプティブフォームをオーサリングする場合、JSON スキーマの基本を理解している必要があります。この記事を読む前に、以下のコンテンツを読んでおくことをお勧めします。
フォームモデルとしての JSON スキーマの使用 using-a-json-schema-as-form-model
Adobe Experience Manager Forms では、既存の JSON スキーマをフォームモデルとして使用したアダプティブフォームの作成がサポートされています。JSON スキーマは、組織内のバックエンドシステムによってデータが作成または使用される構造を表します。使用する JSON スキーマは、v4 仕様に準拠している必要があります。
JSON スキーマの使用上の主な特長を以下に示します。
- JSON の構造は、アダプティブフォームのオーサリングモードの「コンテンツファインダー」タブでツリーとして表示されます。JSON 階層からアダプティブフォームに要素をドラッグして追加できます。
- 関連付けられたスキーマに準拠する JSON を使用して、フォームに事前入力できます。
- ユーザーが入力したデータは、送信時には関連付けられたスキーマに適合する JSON として送信されます。
JSON スキーマは、単純型要素と複合型要素で構成されています。要素には、その要素にルールを追加する属性が含まれています。これらの要素や属性がアダプティブフォーム上にドラッグされると、自動的に該当するアダプティブフォームコンポーネントにマッピングされます。
JSON 要素とアダプティブフォームコンポーネントのマッピングは、次のように行われます。
"birthDate": {
"type": "string",
"format": "date",
"pattern": "date{DD MMMM, YYYY}",
"aem:affKeyword": [
"DOB",
"Date of Birth"
],
"description": "Date of birth in DD MMMM, YYYY",
"aem:afProperties": {
"displayPictureClause": "date{DD MMMM, YYYY}",
"displayPatternType": "date{DD MMMM, YYYY}",
"validationPatternType": "date{DD MMMM, YYYY}",
"validatePictureClause": "date{DD MMMM, YYYY}",
"validatePictureClauseMessage": "Date must be in DD MMMM, YYYY format."
}
共通のスキーマプロパティ common-schema-properties
アダプティブフォームは JSON スキーマで使用可能な情報を使用して、生成された各フィールドをマッピングします。具体的には、以下のようになります。
title
プロパティは、アダプティブフォームコンポーネントのラベルとして機能します。description
プロパティは、アダプティブフォームコンポーネントの詳細な説明として設定されます。default
プロパティは、アダプティブフォームフィールドの初期値として機能します。maxLength
プロパティは、テキストフィールドコンポーネントのmaxlength
属性として設定されます。minimum
、maximum
、exclusiveMinimum
およびexclusiveMaximum
プロパティは、数値ボックスコンポーネントに使用されます。DatePicker component
の範囲をサポートするために、追加の JSON スキーマプロパティminDate
およびmaxDate
が用意されています。minItems
およびmaxItems
プロパティは、パネルコンポーネントに追加または削除される可能性のある項目/フィールドの数を制限するために使用されます。readOnly
プロパティは、アダプティブフォームコンポーネントのreadonly
属性を設定します。required
プロパティは、アダプティブフォームフィールドを必須としてマークします。一方、パネル(タイプがオブジェクト)の場合、最終的に送信された JSON データには、そのオブジェクトに対応する空の値を持つフィールドがあります。pattern
プロパティは、アダプティブフォームで検証パターン(正規表現)として設定されます。- JSON スキーマファイルの拡張子は、.schema.json を維持する必要があります。例えば、<filename>.schema.json のように指定します。
JSON スキーマのサンプル sample-json-schema
JSON スキーマの例を示します。
{
"$schema": "https://json-schema.org/draft-04/schema#",
"definitions": {
"employee": {
"type": "object",
"properties": {
"userName": {
"type": "string"
},
"dateOfBirth": {
"type": "string",
"format": "date"
},
"email": {
"type": "string",
"format": "email"
},
"language": {
"type": "string"
},
"personalDetails": {
"$ref": "#/definitions/personalDetails"
},
"projectDetails": {
"$ref": "#/definitions/projectDetails"
}
},
"required": [
"userName",
"dateOfBirth",
"language"
]
},
"personalDetails": {
"type": "object",
"properties": {
"GeneralDetails": {
"$ref": "#/definitions/GeneralDetails"
},
"Family": {
"$ref": "#/definitions/Family"
},
"Income": {
"$ref": "#/definitions/Income"
}
}
},
"projectDetails": {
"type": "array",
"items": {
"properties": {
"name": {
"type": "string"
},
"age": {
"type": "number"
},
"projects": {
"$ref": "#/definitions/projects"
}
}
},
"minItems": 1,
"maxItems": 4
},
"projects": {
"type": "array",
"items": {
"properties": {
"name": {
"type": "string"
},
"age": {
"type": "number"
},
"projectsAdditional": {
"$ref": "#/definitions/projectsAdditional"
}
}
},
"minItems": 1,
"maxItems": 4
},
"projectsAdditional": {
"type": "array",
"items": {
"properties": {
"Additional_name": {
"type": "string"
},
"Additional_areacode": {
"type": "number"
}
}
},
"minItems": 1,
"maxItems": 4
},
"GeneralDetails": {
"type": "object",
"properties": {
"age": {
"type": "number"
},
"married": {
"type": "boolean"
},
"phone": {
"type": "number",
"aem:afProperties": {
"sling:resourceType": "/libs/fd/af/components/guidetelephone",
"guideNodeClass": "guideTelephone"
}
},
"address": {
"type": "string"
}
}
},
"Family": {
"type": "object",
"properties": {
"spouse": {
"$ref": "#/definitions/spouse"
},
"kids": {
"$ref": "#/definitions/kids"
}
}
},
"Income": {
"type": "object",
"properties": {
"monthly": {
"type": "number"
},
"yearly": {
"type": "number"
}
}
},
"spouse": {
"type": "object",
"properties": {
"name": {
"type": "string"
},
"Income": {
"$ref": "#/definitions/Income"
}
}
},
"kids": {
"type": "array",
"items": {
"properties": {
"name": {
"type": "string"
},
"age": {
"type": "number"
}
}
},
"minItems": 1,
"maxItems": 4
}
},
"type": "object",
"properties": {
"employee": {
"$ref": "#/definitions/employee"
}
}
}
再使用可能なスキーマ定義 reusable-schema-definitions
定義キーを使用して、再使用可能なスキーマを識別します。再使用可能なスキーマ定義を使用して、フラグメントを作成します。これは、XSD での複合型の識別と同じです。定義を含む JSON スキーマのサンプルを以下に示します。
{
"$schema": "https://json-schema.org/draft-04/schema#",
"definitions": {
"address": {
"type": "object",
"properties": {
"street_address": { "type": "string" },
"city": { "type": "string" },
"state": { "type": "string" }
},
"required": ["street_address", "city", "state"]
}
},
"type": "object",
"properties": {
"billing_address": { "$ref": "#/definitions/address" },
"shipping_address": { "$ref": "#/definitions/address" }
}
}
上記の例では、各顧客が出荷先と請求先の両方の住所を持つ顧客レコードを定義します。どちらの住所も構造(都道府県、市区町村、番地など)が同じ場合は、住所が重複しないようにすることをお勧めします。また、今後変更が行われたときに、簡単にフィールドを追加したり削除したりできます。
JSON スキーマ定義でのフィールドの事前設定 pre-configuring-fields-in-json-schema-definition
aem:afProperties プロパティを使用して JSON スキーマのフィールドを事前構成し、カスタムのアダプティブフォームコンポーネントにマップできます。以下に例を示します。
{
"properties": {
"sizeInMB": {
"type": "integer",
"minimum": 16,
"maximum": 512,
"aem:afProperties" : {
"sling:resourceType" : "/apps/fd/af/components/guideTextBox",
"guideNodeClass" : "guideTextBox"
}
}
},
"required": [ "sizeInMB" ],
"additionalProperties": false
}
フォームオブジェクトのスクリプトまたは式の設定 configure-scripts-or-expressions-for-form-objects
アダプティブフォームの式言語は JavaScript です。すべての式は、有効な JavaScript™ の式で、アダプティブフォームのスクリプトモデル API を使用しています。フォームオブジェクトを事前設定して、フォームイベントの式を評価できます。
アダプティブフォームの式やスクリプトをアダプティブフォームのコンポーネント用に事前設定するには、aem:afproperties プロパティを使用します。例えば、initialize イベントがトリガーされると、次のコードは電話フィールドの値を設定し、値をログに出力します。
"telephone": {
"type": "string",
"pattern": "/\\d{10}/",
"aem:affKeyword": ["phone", "telephone","mobile phone", "work phone", "home phone", "telephone number", "telephone no", "phone number"],
"description": "Telephone Number",
"aem:afProperties" : {
"sling:resourceType" : "fd/af/components/guidetelephone",
"guideNodeClass" : "guideTelephone",
"events": {
"Initialize" : "this.value = \"1234567890\"; console.log(\"ef:gh\") "
}
}
}
フォームオブジェクトのスクリプトや式を構成するには、forms-power-user グループのメンバーである必要があります。次の表に、アダプティブフォームコンポーネントでサポートされるすべてのスクリプトイベントを示します。
JSON でのイベントの使用例としては、initialize イベントでフィールドを非表示にし、値コミットイベントで別のフィールドの値を設定する例があります。スクリプトイベントの式の作成について詳しくは、アダプティブフォームの式を参照してください。
前述の例のサンプル JSON コードを以下に示します。
initialize イベントでのフィールドの非表示 hiding-a-field-on-initialize-event
"name": {
"type": "string",
"aem:afProperties": {
"events" : {
"Initialize" : "this.visible = false;"
}
}
}
値コミットイベントでの別のフィールドの値の設定 configure-value-of-another-field-on-value-commit-event
"Income": {
"type": "object",
"properties": {
"monthly": {
"type": "number",
"aem:afProperties": {
"events" : {
"Value Commit" : "IncomeYearly.value = this.value * 12;"
}
}
},
"yearly": {
"type": "number",
"aem:afProperties": {
"name": "IncomeYearly"
}
}
}
}
アダプティブフォームコンポーネントで許容される値の制限 limit-acceptable-values-for-an-adaptive-form-component
JSON スキーマの要素に次の制限を追加して、アダプティブフォームコンポーネントで許容される値を制限できます。
スキーマ準拠データの有効化 enablig-schema-compliant-data
フォーム送信時にすべての JSON スキーマベースのアダプティブフォームでスキーマに準拠したデータを生成できるようにするには、次の手順に従います。
https://server:host/system/console/configMgr
で Experience Manager web コンソールに移動します。- アダプティブフォームおよびインタラクティブ通信 web チャネルの設定 を見つけます。
- その設定を選択して編集モードで開きます。
- スキーマ準拠データを生成 チェックボックスをオンにします。
- 設定を保存します。
サポート対象外の構成 non-supported-constructs
アダプティブフォームは次の JSON スキーマ構成をサポートしていません。
- Null タイプ
- any などの Union タイプ
- OneOf、AnyOf、AllOf、NOT
- 同種の配列のみがサポートされます。そのため、項目制限は、配列でなくオブジェクトである必要があります。
よくある質問 frequently-asked-questions
繰り返し可能なサブフォーム(minOccurs 値または maxOccurs 値が 1 より大きい)では、サブフォーム(任意の複合型から生成された構造)の個々の要素をドラッグできないのはなぜですか?
繰り返し可能なサブフォームでは、完全なサブフォームを使用する必要があります。選択した一部のフィールドのみを使用する場合は、構造全体を使用し、不要部分を削除します。
コンテンツファインダーに長く複雑な構造があります。特定の要素を見つけるにはどうすればよいですか?
以下の 2 つのオプションがあります。
- ツリー構造をスクロールする
- 検索ボックスを使用して、要素を検索する
JSON スキーマファイルの拡張子は何ですか。
JSON スキーマファイルの拡張子は、.schema.json にする必要があります。例えば、<filename>.schema.json のように指定します。