デプロイメントの設定ファイル
Adobe Commerceが提供する設定ファイルを使用すると、コンポーネントを簡単にカスタマイズし、設定タイプを作成してデフォルト機能を拡張できます。 デプロイメント設定のプロセスは、インストール用の共有およびシステム固有の設定で構成されます。 Commerceのデプロイメント設定は、app/etc/config.php
と app/etc/env.php
に分かれています。
-
app/etc/config.php
は 共有 設定ファイルです。
このファイルには、インストールされているモジュール、テーマ、言語パッケージ、および共有設定の一覧が含まれています。このファイルをソース管理にチェックインし、開発、ステージング、実稼動の各システムで使用します。
-
app/etc/env.php
には、インストール環境に固有の設定が含まれます。
config.php
と env.php
のファイルは、インストール時に作成され、Commerce アプリケーションの起動に必要なので、これらのファイルを合わせてCommerce deployment configuration と呼びます。
local.xml
に代わるものです。他の モジュール設定ファイルとは異なり、Commerce デプロイメント設定は、初期化時にメモリに読み込まれ、他のファイルと結合されず、拡張できません。 (ただし、config.php
と env.php
はマージされます)。
デプロイメント設定の詳細
config.php
と env.php
は 多次元連想配列を返す PHP ファイルで、基本的には設定パラメータと値の階層的な配列です。
この配列の最上位には、設定セグメント があります。 セグメントには、任意のキーで区別される任意のコンテンツ(スカラー値またはネストされた配列)があります。キーと値のペアの両方がCommerce フレームワークによって定義されます。
Magento\Framework\App\DeploymentConfig は、これらのセクションへのアクセスを提供するだけで、セクションの拡張はできません。
次の階層レベルでは、無効なモジュールを除くすべてのモジュールの設定ファイルを結合して得られるモジュールシーケンス定義に従って、各セグメントの項目が並べられます。
以降の節では、デプロイメント設定の構造と内容について説明します。
- インストール済みモジュールの管理
- システム固有の設定
インストール済みモジュールの管理
config.php
ファイルには、インストール済みモジュールのリストが含まれています。 Adobe Commerceには、モジュールを管理(インストール、アンインストール、有効化、無効化、アップグレード)するためのコマンドラインユーティリティと web ベースのユーティリティの両方が用意されています。
例:
- コンポーネントのアンインストール:
bin/magento setup:uninstall
- コンポーネントのステータスの確認:
bin/magento module:status
- コンポーネント(
bin/magento module:disable
、bin/magento module:enable
)を有効または無効にします。
config.php
return array (
'modules' =>
array (
'Magento_Core' => 1,
'Magento_Store' => 1,
'Magento_Theme' => 1,
'Magento_Authorization' => 1,
'Magento_Directory' => 1,
'Magento_Backend' => 1,
'Magento_Backup' => 1,
'Magento_Eav' => 1,
'Magento_Customer' => 1,
...
),
);
値 1
または 0
は、モジュールが有効か無効かを示します。
無効なモジュールはCommerce アプリケーションで認識されません。つまり、設定の結合、依存関係のインジェクション、イベント、プラグインなどには含まれません。 無効にしたモジュールはストアフロントや管理者を変更せず、ルーティングにも影響を与えません。
コードベースで無効なモジュールと存在しないモジュールの実際的な違いは、無効なモジュールがオートローダーによって見つかり、そのクラスと定数が他のコードで再利用できる点です。