長年にわたって、AEM の利用形態は次の 2 通りでした。
オンプレミス
as a Managed Services
これら以前のアプローチと AEM as a Cloud Service には、次の点で本質的な違いがあります。
以下の概要は網羅的なものではなく、基本事項の紹介を目的としています。
オンプレミス版および Managed Services 版について詳しくは、AEM 6.5 のドキュメントセットを参照してください。
詳しくは、アーキテクチャを参照してください。
AEM as a Cloud Service には次の機能が追加されました。
このアーキテクチャには次の特長があります。
実際のトラフィックと実際のアクティビティに基づいて、規模が拡大/縮小されます。
必要な場合にのみ個々のインスタンスが実行されます。
モジュール型アプリケーションを使用します。
デフォルトでオーサークラスターがあるので、メンテナンスタスクのダウンタイムを避けることができます。
これにより、様々な使用パターンに応じた自動スケーリングが可能になります。
AEM as a Cloud Service では、継続的統合および継続的配信(CI/CD)を使用して、プロジェクトが確実に最新の AEM バージョンで稼働できるようになりました。これは、ユーザーに対するサービスが中断することなく、実稼働インスタンスとステージングインスタンスが AEM の最新バージョンに更新されることを意味します。
実稼働環境へのアップデートに失敗した場合、Cloud Manager はステージング環境を自動的にロールバックします。これは、アップデート完了後、ステージング環境と実稼働環境の両方が必ず同じ AEM バージョンであるようにするために、自動的に行われます。
AEMバージョンのアップデートは、次の 2 種類があります。
AEM メンテナンスアップデート
新機能アップデート
詳しくは、AEM のバージョンアップデートを参照してください。
Adobe Cloud Manager は、インスタンスに対するすべてのアップデートを制御するので(必須)、AEM as a Cloud Service の継続的アップグレードアプローチに欠かせません。
Cloud Service の新しいバージョンが使用可能になったら、アドビがアップデートをトリガーできます。または、Cloud Manager から提供されるパイプラインを使用して、ユーザーがアプリケーションのアップデートをトリガーすることもできます。
Cloud Manager の役割は次のとおりです。
AEM プログラムおよび環境の管理に使用されます。
AEM as a Cloud Service の必須コンポーネントです。Cloud Manager へのアクセス用に最初に新しいテナントがそれぞれプロビジョニングされます。
運用および開発スタッフのための単一のエントリポイントになります。
特に、Cloud Manager から作成できる AEM プログラムの数と種類は、次のいずれかに基づいて決定されます。
顧客の使用許諾契約
内的要因(AEM as a Cloud Service をイネーブルメントやトレーニングに使用する場合)
外部主導のプロセス(Adobe.com から開始された体験版利用など)
Cloud Manager は、AEM as a Cloud Service の主要コンポーネントを作成および設定できるセルフサービスポータルとして進化しました。
新規プログラムの作成と管理。詳しくは、プログラムとプログラムの種類についてを参照してください。
これらのプログラム内での AEM 環境の作成と管理。詳しくは、環境の管理を参照してください。
顧客コードと関連設定を特定の環境にデプロイするためのパイプラインの作成と管理。詳しくは、CI/CD パイプラインの設定を参照してください。
これらのコンポーネントの重要なライフサイクルイベント(製品アップデートなど)の通知の受信。
Cloud Manager は、多くの地域をまたいでデータセンターに環境を作成し、グローバルな取り組みを提供します。CDN のプレゼンスポイント(PoP)により、世界中の顧客に待機時間の短いコンテンツを配信できるようにします。
AEM as a Cloud Service を使用すると、次のように作業の多くの側面がアドビの担当になるので、AEM プロジェクトの開始と管理は簡単になります。
ベースライン AEM イメージが特定のユースケース向けに最適化されている。
手動設定タスクの多くが既に冗長化されている。
また、現在は次の要素もあるので、作業自体が大幅に異なります。
すべての前提条件(例えば下記のもの)が満たされていることを確認する評価フェーズ:
法的要件
契約
顧客がカスタマイズした既存のコンテンツやコードの技術的要件
デプロイメント要件:
コードのアップデート。旧バージョンの AEM 用に開発された顧客アプリケーションをレビューし、場合によっては更新する必要があります。
コンテンツの移行
オンボーディングプロセスの完全な概要については、オンボーディングジャーニーを参照してください。
詳しくは、まず AEM as a Cloud Service の開発ガイドラインと AEM Sites の開発の手引き - WKND チュートリアルを参照してください。
AEM as a Cloud Service をサポートする新しいアーキテクチャには、開発者のエクスペリエンス全体に対するいくつかの重要な変更が含まれています。AEM as a Cloud Service の主要な目標の 1 つは、(AEM をオンプレミスまたは Adobe Managed Services のコンテキストで使用したことがある)経験豊富な顧客が、カスタマイズしたコードの大部分を書き直さずに、できるだけ迅速に AEM as a Cloud Service に移行できるようにすることです。ただし、若干の調整が必要になる可能性はあります。
既存の AEM アプリケーションを AEM as a Cloud Service 上で動作させるには、次の手順が必要です:
このプロセスは一般にクラウドファースト開発と呼ばれます。所要時間は全体で数 10 分(アプリケーションの複雑さに応じて 20~50 分)と見込まれるので、保留中のコードや設定変更がクラウドで試行される前に、迅速な開発手法を採用する必要があります。
OSGi バンドルとその関連設定を管理する web コンソール(以前は AEM QuickStart の一部)は、AEM as a Cloud Service では使用できなくなりました。新しい Developer Console には、ほとんどのランタイム情報に対する読み取り専用のインターフェイスが用意されています。このコンソールを使用すると、開発者はオーサーサービスまたはパブリッシュサービスの特定のノードを直接選択してログインし、関連情報を閲覧できます。
OSGi 設定 も参照してください。
開発者にとって、もう 1 つの共通の要件は、様々な環境のログファイルにすばやくアクセスできることです。AEM as a Cloud Service では、オーサーノードとパブリッシュノードに含まれる様々なノードのログファイルが、ダウンロード可能なファイルの形式または API 経由で Cloud Manager を通じて利用できるようになっています。
コードとコンテンツが明確に分離されているので、開発者は、特定のプロセスを使用して、デプロイメントの一環としてコンテンツを更新できます。可変コンテンツの典型的なユースケースは次のとおりです。
顧客プロジェクトの一部となる標準的なデフォルトコンテンツ(フォルダー、テンプレート、ワークフローなど)
検索インデックスの定義
ACL と権限
サービスのユーザーおよびユーザーグループ
迅速な反復と開発をサポートするために、AEM as a Cloud Service のコンテキスト以外で AEM アプリケーションを開発することもできます。このために、次のアーティファクトが開発者に公開されています。
AEM as a Cloud Service QuickStart:最新 AEM コードベースの .jar
ベーススタンドアロンインストーラーで、同じ機能と API サーフェスを備えています。
AEM as a Cloud Service Dispatcher SDK:Dispatcher 設定をローカルにテストおよび検証するためのイメージベースのプロセス
Cloud QuickStart では、AEM Sites および AEM Assets の機能をすべて使用できるわけではありません。この QuickStart は、拡張機能の大部分を開発およびテストできるシンプルなオーサー環境で構成されています。
AEM as a Cloud Service では、サービスの中断が不要になるように、このような操作は自動化されています。
これらの操作では、
多くのタスクが自動化されています。
耐障害性と効率性を最大限に高めるために、トポロジーが最適化されています。例えば、バイナリレスレプリケーションがデフォルトになっています。
キュー、ジョブ、一括処理タスクなどの負荷の高いタスクは、コア AEM インスタンスから移動され、共有および専用のマイクロサービスで処理されるようになりました。
AEM as a Cloud Service の運用も、監視、レポート、警告用の新しいインフラストラクチャでサポートされています。これにより、Adobe SRE(サイトリライアビリティエンジニア)はサービスの健全性をプロアクティブ(予見的)に維持できます。アーキテクチャの様々な要素に様々なヘルスチェックが備わっています。何らかの理由で、アーキテクチャの特定のノードが異常と見なされた場合、そのノードはサービスから削除され、ユーザーへの通知なしで新しい正常なノードに置き換えられます。
詳しくは、Adobe Experience Manager as a Cloud Service に対する IMS のサポートを参照してください。
AEM as a Cloud Service の重要な変更の 1 つは、Adobe ID を使用したオーサー層へのアクセスが完全に統合されていることです。
それには、Adobe Admin Console を使用してユーザーとユーザーグループを管理する必要があります。ユーザープロファイル情報が Adobe Identity Management System(IMS)に一元化されてすべてのクラウドサービスで共有されるので、ユーザーはユーザーアカウントを使用してアドビ製品およびサービスにアクセスできます。AEM へのアクセスを割り当てられると、ユーザーアカウントを(以前と同様)AEM as a Cloud Service で参照して、例えば、AEM セキュリティユーザーインターフェイスから役割と権限を定義できます。
これは次の利点を兼ね備えています。
Adobe Identity Management System(IMS)の使用で、すべての Adobe クラウドアプリケーションでシングルサインオンが利用可能になる
ユーザーの環境設定は、AEM as a Cloud Service の個々のインスタンスで引き続きローカルに管理できる
詳しくは、まず基本操作を参照してください。
AEM Sites についても AEM Assets についても、オーサリングユーザーインターフェイス(UI)の基本原則は、これまでに AEM を使用したことがある人にとってはなじみ深いものです。
主な違いは、UI が完全にタッチ対応であることです。クラシック UI は使用できなくなりました。それ以外の点では、基本はそのまま変わらず、見た目のわずかな変更があるだけです。
Adobe Experience Manager Sites as a Cloud Service は、AEM コンテンツ管理システムの機能と AEM デジタルアセット管理を組み合わせて、コンテンツ主導のパーソナライズされたエクスペリエンスをユーザーに提供できます。
詳しくは、AEM Sites as a Cloud Service の主要な変更点を参照してください。
Adobe Experience Manager Assets as a Cloud Service は、クラウドネイティブな PaaS ソリューションです。企業がデジタルアセット管理と Dynamic Media 操作を迅速かつ効果的に行うだけでなく、常に最新で常に可用性が高く常に学習可能なシステム内から AI や機械学習などの次世代スマート機能を使用するうえでも役に立ちます。
Assets が提供する機能には、クラウドでの次世代アセット処理やパフォーマンスの高いアセット取り込みおよび検索などがあります。
詳しくは、AEM Assets as a Cloud Service の概要を参照してください。
詳しくは、次のセクションを参照してください。
AEM as a Cloud Service の概要を把握したら、 オンボーディングジャーニー を確認して、すばやくオンボードできます。
すでにオンボード済み、または AEM の機能のテストに取り掛かる準備できている場合AEM Reference Demos Add-On をインストールし、豊富な例を使用して AEM の強力な機能を調べてみましょう。