クラウドの Dispatcher と Dispatcher ツールのダウンロード方法について詳しくは、クラウドの Dispatcher ページを参照してください。Dispatcher 設定がレガシーモードの場合は、レガシーモードのドキュメントを参照してください。
以降の節では、フレキシブルモードのファイル構造、ローカル検証、デバッグ、レガシーモードからフレキシブルモードへの移行について説明します。
ここでは、プロジェクトの Dispatcher 設定に opt-in/USE_SOURCES_DIRECTLY
ファイルが含まれていることを前提としています。これにより、ファイルの数とサイズに関する制限がなくなり、SDK とランタイムによる設定の検証とデプロイが、レガシーモードと比べて改善されます。
したがって、Dispatcher 設定に前述のファイルが含まれていない場合は、レガシーモードからフレキシブルモードへの移行の節の説明に従って、レガシーモードからフレキシブルモードへ移行することを強くお勧めします。
プロジェクトの Dispatcher サブフォルダーの構造は次のとおりです。
./
├── conf.d
│ ├── available_vhosts
│ │ ├── my_site.vhost # Created by customer
│ │ └── default.vhost
│ ├── dispatcher_vhost.conf
│ ├── enabled_vhosts
│ │ ├── README
│ │ └── my_site.vhost -> ../available_vhosts/my_site.vhost # Created by customer
│ └── rewrites
│ │ ├── default_rewrite.rules
│ │ └── rewrite.rules
│ └── variables
| ├── custom.vars
│ └── global.vars
│── opt-in
│ └── USE_SOURCES_DIRECTLY
└── conf.dispatcher.d
├── available_farms
│ ├── my_farm.farm # Created by customer
│ └── default.farm
├── cache
│ ├── default_invalidate.any
│ ├── default_rules.any
│ ├── marketing_query_parameters.any
│ └── rules.any
├── clientheaders
│ ├── clientheaders.any
│ └── default_clientheaders.any
├── dispatcher.any
├── enabled_farms
│ ├── README
│ └── my_farm.farm -> ../available_farms/my_farm.farm # Created by customer
├── filters
│ ├── default_filters.any
│ └── filters.any
├── renders
│ └── default_renders.any
└── virtualhosts
│ ├── default_virtualhosts.any
│ └── virtualhosts.any
以下に、変更可能な注目すべきファイルを示します。
カスタマイズ可能なファイル
以下のファイルはカスタマイズ可能で、デプロイ時にクラウドインスタンスに転送されます。
conf.d/available_vhosts/<CUSTOMER_CHOICE>.vhost
これらのファイルは 1 つ以上持つことができます。ファイルには、ホスト名に一致する <VirtualHost>
エントリが含まれ、Apache が異なるルールで各ドメイントラフィックを扱うことができます。ファイルは available_vhosts
ディレクトリ内に作成され、enabled_vhosts
ディレクトリ内のシンボリックリンクで有効になります。.vhost
ファイルから、書き換えや変数などその他のファイルがインクルードされます。
フレキシブルモードでは、絶対パスの代わりに相対パスを使用する必要があります。
ServerAlias に一致する 1 つ以上の仮想ホストが常に使用可能であることを確認してください \*.local
, localhost
および 127.0.0.1
dispatcher の無効化に必要な サーバーのエイリアス *.adobeaemcloud.net
および *.adobeaemcloud.com
は、少なくとも 1 つの vhost 設定でも必要で、内部Adobeプロセスに必要です。
複数の vhost ファイルがあるので、正確なホストを一致させる場合は、次の例に従います。
<VirtualHost *:80>
ServerName "example.com"
# Put names of which domains are used for your published site/content here
ServerAlias "*example.com" "\*.local" "localhost" "127.0.0.1" "*.adobeaemcloud.net" "*.adobeaemcloud.com"
# Use a document root that matches the one in conf.dispatcher.d/default.farm
DocumentRoot "${DOCROOT}"
# URI dereferencing algorithm is applied at Sling's level, do not decode parameters here
AllowEncodedSlashes NoDecode
# Add header breadcrumbs for help in troubleshooting which vhost file is chosen
<IfModule mod_headers.c>
Header add X-Vhost "publish-example-com"
</IfModule>
...
</VirtualHost>
conf.d/rewrites/rewrite.rules
このファイルは、.vhost
ファイル内からインクルードされます。mod_rewrite
には一連の書き換えルールがあります。
conf.d/variables/custom.vars
このファイルは、.vhost
ファイル内からインクルードされます。Apache 変数用の定義をこの場所に追加できます。
conf.d/variables/global.vars
このファイルは、dispatcher_vhost.conf
ファイル内からインクルードされます。このファイルで Dispatcher の変更とログレベルの書き換えができます。
conf.dispatcher.d/available_farms/<CUSTOMER_CHOICE>.farm
これらのファイルは 1 つ以上持つことができます。ファイルにはホスト名と一致するファームが含まれ、Dispatcher モジュールに異なるルールで各ファームを処理することを可能にします。ファイルは available_farms
ディレクトリ内に作成され、enabled_farms
ディレクトリ内のシンボリックリンクで有効になります。.farm
ファイルから、フィルター、キャッシュルールなどその他のファイルがインクルードされます。
conf.dispatcher.d/cache/rules.any
このファイルは、.farm
ファイル内からインクルードされます。キャッシュの環境設定を指定します。
conf.dispatcher.d/clientheaders/clientheaders.any
このファイルは、.farm
ファイル内からインクルードされます。バックエンドに転送する必要があるリクエストヘッダーを指定します。
conf.dispatcher.d/filters/filters.any
このファイルは、.farm
ファイル内からインクルードされます。このルールには、トラフィックを除去してバックエンドに送らないように変更する一連のルールが含まれています。
conf.dispatcher.d/virtualhosts/virtualhosts.any
このファイルは、.farm
ファイル内からインクルードされます。グロブマッチングで一致するホスト名または URI パスのリストが含まれます。これにより、リクエストの処理に使用するバックエンドが決まります。
opt-in/USE_SOURCES_DIRECTLY
このファイルにより、より柔軟な Dispatcher 設定が可能になり、ファイルの数とサイズに関する以前の制限がなくなります。また、SDK とランタイムによる設定の検証とデプロイも改善されます。
上記のファイルは、以下に示す不変設定ファイルを参照します。不変設定ファイルに対する変更は、クラウド環境の Dispatcher によって処理されません。
不変設定ファイル
これらのファイルは基本フレームワークの一部であり、標準とベストプラクティスを補強します。ファイルをローカルで変更または削除しても、クラウドインスタンスに転送されず、デプロイメントに影響を与えないので、これらのファイルは不変と見なされます。
上記のファイルは、以下に示す不変ファイルを参照し、その後に追加のステートメントまたはオーバーライドを参照することをお勧めします。Dispatcher 設定をクラウド環境にデプロイすると、ローカル開発で使用されたバージョンに関係なく、不変ファイルの最新バージョンが使用されます。
conf.d/available_vhosts/default.vhost
仮想ホストのサンプルが含まれています。お使いの仮想ホストに対して、このファイルのコピーを作成し、カスタマイズしてから conf.d/enabled_vhosts
に移動し、カスタマイズしたコピーのシンボリックリンクを作成します。conf.d/enabled_vhosts
に default.vhost ファイルを直接コピーしないでください。
ServerAlias に一致する仮想ホストが常に使用可能であることを確認する \*.local
, localhost
および 127.0.0.1
dispatcher の無効化に必要な サーバーのエイリアス *.adobeaemcloud.net
および *.adobeaemcloud.com
は、内部Adobeプロセスに必要です。
conf.d/dispatcher_vhost.conf
基本フレームワークの一部です。仮想ホストとグローバル変数のインクルード方法を説明するために使用します。
conf.d/rewrites/default_rewrite.rules
デフォルトの書き換えルールです。標準プロジェクトに適しています。カスタマイズが必要な場合は、rewrite.rules
を変更します。必要に応じて、カスタマイズの最初にデフォルトのルールをインクルードすることができます。
conf.dispatcher.d/available_farms/default.farm
サンプルの Dispatcher ファームが含まれています。ユーザー自身のファームの場合は、このファイルのコピーを作成してカスタマイズし、conf.d/enabled_farms
に移動して、カスタマイズしたコピーのシンボリックリンクを作成します。
conf.dispatcher.d/cache/default_invalidate.any
基本フレームワークの一部です。起動時に生成されます。このファイルは、定義したすべてのファームの cache/allowedClients
セクションにインクルードする必要があります。
conf.dispatcher.d/cache/default_rules.any
デフォルトのキャッシュルールです。標準プロジェクトに適しています。カスタマイズが必要な場合は、conf.dispatcher.d/cache/rules.any
を変更します。必要に応じて、カスタマイズの最初にデフォルトのルールをインクルードすることができます。
conf.dispatcher.d/clientheaders/default_clientheaders.any
バックエンドに転送するデフォルトの要求ヘッダーです。標準プロジェクトに適しています。カスタマイズが必要な場合は、clientheaders.any
を変更します。カスタマイズでは、必要に応じて、デフォルトのリクエストヘッダーを最初にインクルードすることができます。
conf.dispatcher.d/dispatcher.any
基本フレームワークの一部です。Dispatcher ファームのインクルード方法を説明するために使用します。
conf.dispatcher.d/filters/default_filters.any
デフォルトのフィルターです。標準プロジェクトに適しています。カスタマイズが必要な場合は、filters.any
を変更します。必要に応じて、カスタマイズの最初にデフォルトのフィルターをインクルードすることができます。
conf.dispatcher.d/renders/default_renders.any
基本フレームワークの一部です。このファイルは起動時に生成されます。このファイルは、定義したすべてのファームの renders
セクションにインクルードする必要があります。
conf.dispatcher.d/virtualhosts/default_virtualhosts.any
デフォルトのホストグロビングです。標準プロジェクトに適しています。カスタマイズが必要な場合は、virtualhosts.any
を変更します。すべての受信リクエストに一致することから、カスタマイズには、デフォルトのホストグロビングをインクルードしないでください。
サポートされている Apache モジュールを参照してください。
以下では、Mac バージョンまたは Linux バージョンの SDK を使用した場合のコマンドについて説明しますが、Windows バージョンの SDK の場合でも同様の方法で使用できます。
validate.sh
スクリプトを次のように使用します。
$ validate.sh src/dispatcher
opt-in USE_SOURCES_DIRECTLY marker file detected
Phase 1: Dispatcher validator
Cloud manager validator 2.0.32
Phase 1 finished
Phase 2: httpd -t validation in docker image
values.csv not found in deployment folder: /Users/foo/src - using files in 'conf.d' and 'conf.dispatcher.d' subfolders directly
processing configuration subfolder: conf.d
processing configuration subfolder: conf.dispatcher.d
Running script /docker_entrypoint.d/10-check-environment.sh
Running script /docker_entrypoint.d/20-create-docroots.sh
Running script /docker_entrypoint.d/30-wait-for-backend.sh
Waiting until localhost is available
localhost resolves to ::1
Running script /docker_entrypoint.d/40-generate-allowed-clients.sh
Running script /docker_entrypoint.d/50-check-expiration.sh
Running script /docker_entrypoint.d/60-check-loglevel.sh
Running script /docker_entrypoint.d/70-check-forwarded-host-secret.sh
# Dispatcher configuration: (/etc/httpd/conf.dispatcher.d/dispatcher.any)
/farms {
...
}
Syntax OK
Phase 2 finished
Phase 3: Immutability check
reading immutable file list from /etc/httpd/immutable.files.txt
...
no immutable file has been changed - check is SUCCESSFUL
Phase 3 finished
スクリプトには次の 3 つのフェーズがあります。
httpd -t
コマンドを使用して、apache httpd が起動できるように構文が正しいかどうかをテストします。 テストが成功した場合は、設定をデプロイする準備が整っています。Cloud Manager によるデプロイ中に、httpd -t
の構文チェックも実行され、エラーは Cloud Manager の Build Images step failure
ログに記録されます。
各設定を変更後に validate.sh
を実行する代わりの効率的な方法については、自動読み込みと検証のセクションを参照してください。
ディレクティブが許可リストに登録されていない場合、ツールはエラーをログに記録し、ゼロ以外の終了コードを返します。また、conf.dispatcher.d/enabled_farms/*.farm
のパターンに合うすべてのファイルをさらにスキャンし、次の内容を確認します。
/glob
経由の許可を使用するフィルタールールが存在しないこと(詳しくは、CVE-2016-0957 を参照)。/crx/de or /system/console
などのパスへのアクセス。検証ツールは、許可リストに登録されていない Apache ディレクティブの使用禁止を報告するのみということに注意してください。Apache 設定の構文や意味の問題は報告されません。この情報は、実行中の環境の Apache モジュールでのみ利用できます。
ツールによって出力される一般的な検証エラーをデバッグする場合のトラブルシューティング手法を次に示します。
unable to locate a conf.dispatcher.d
subfolder in the archive
アーカイブには、conf.d
フォルダーと conf.dispatcher.d
フォルダーが含まれている必要があります。アーカイブにはプレフィックス etc/httpd
を使用しないでください。
unable to find any farm inconf.dispatcher.d/enabled_farms
有効なファームは、前述のサブフォルダーに置く必要があります。
file included (…) must be named: …
ファーム設定には 2 つのセクションがあり、/cache
セクションに特定のファイル /renders
と /allowedClients
をインクルードする必要があります。それらのセクションは、次のようになります。
/renders {
$include "../renders/default_renders.any"
}
および
/allowedClients {
$include "../cache/default_invalidate.any"
}
file included at unknown location: …
ファーム設定には、独自のファイルをインクルードできる 4 つのセクションがあります。 /clientheaders
, filters
, /rules
in /cache
セクションと /virtualhosts
. インクルードされるファイルの名前は、次のように指定する必要があります。
セクション | インクルードファイル名 |
---|---|
/clientheaders |
../clientheaders/clientheaders.any |
/filters |
../filters/filters.any |
/rules |
../cache/rules.any |
/virtualhosts |
../virtualhosts/virtualhosts.any |
別の方法として、これらのファイルのデフォルトバージョンを含めることもできます。その名前の先頭には default_
(例:../filters/default_filters.any
)という単語が追加されます。
既知の場所ではない (…) に include ステートメントがあります:…
上記のパラグラフで述べた 6 つのセクションを除いて、
$include
ステートメントを使用することは許可されていません。このエラーは、次のような場合に生成されます。
/invalidate {
$include "../cache/invalidate.any"
}
allowed clients/renders are not included from: …
このエラーは、/renders
および /allowedClients
のインクルードを /cache
セクションで指定しない場合に発生します。file included (…) must be named: … の節を参照してください。
filter must not use glob pattern to allow requests
/glob
スタイルのルールはは完全なリクエスト行と照合されるので、このルールを使用してリクエストを許可することは安全ではありません。次に例を示します。
/0100 {
/type "allow" /glob "GET *.css *"
}
このステートメントは、css
ファイルのリクエストを許可するものですが、クエリ文字列 ?a=.css
の前に付くンあらゆるリソースに対するリクエストも許可してしまいます。したがって、このようなフィルターの使用は禁止されています(CVE-2016-0957 も参照してください)。
included file (…) does not match any known file
デフォルトでは、Apache 仮想ホスト設定内の 2 種類のファイル(リライトと変数)をインクルードとして指定することができます。
タイプ | インクルードファイル名 |
---|---|
書き換え | conf.d/rewrites/rewrite.rules |
変数 | conf.d/variables/custom.vars |
フレキシブルモードでは、次のようにプレフィックスが付けられた conf.d
ディレクトリのサブディレクトリ(任意のレベル)に配置されている限り、他のファイルを含めることもできます。
ファイルの上位ディレクトリのプレフィックスを含める |
---|
conf.d/includes |
conf.d/modsec |
conf.d/rewrites |
例えば、次のように conf.d/includes
ディレクトリの下に新しく作成されたディレクトリにファイルを含めることができます。
Include conf.d/includes/mynewdirectory/myincludefile.conf
または、conf.d/rewrites/default_rewrite.rules
という名前の、書き換えルールのデフォルトバージョンをインクルードすることもできます。
変数ファイルにはデフォルトバージョンはありません。
非推奨の設定レイアウトを検出したので互換モードを有効にします
このメッセージは、非推奨(廃止予定)のバージョン 1 レイアウトが設定に含まれ、完全な Apache 設定と ams_
プレフィックス付きのファイルが含まれていることを示します。これは下位互換性のために引き続きサポートされますが、新しいレイアウトに切り替える必要があります。
フェーズ 1 は、ラッパースクリプト validate.sh
からではなく、個別に実行することもできます。
Maven アーティファクトまたは dispatcher/src
サブディレクトリに対して実行すると、検証エラーが報告されます。
$ validator full -relaxed dispatcher/src
Cloud manager validator 1.0.4
2019/06/19 15:41:37 Apache configuration uses non-allowlisted directives:
conf.d/enabled_vhosts/aem_publish.vhost:46: LogLevel
2019/06/19 15:41:37 Dispatcher configuration validation failed:
conf.dispatcher.d/enabled_farms/999_ams_publish_farm.any: filter allows access to CRXDE
Windows の場合、Dispatcher バリデーターでは大文字と小文字が区別されます。そのため、次のように、設定が存在するパスの大文字と小文字を区別しない場合は、設定の検証に失敗する可能性があります。
bin\validator.exe -relaxed full src
Cloud manager validator 2.0.xx
2021/03/15 18:15:40 Dispatcher configuration validation failed:
conf.dispatcher.d\available_farms\default.farm:15: parent directory outside server root: c:\k\a\aem-dispatcher-sdk-windows-symlinks-testing3\dispatcher\src
このエラーを回避するには、Windows エクスプローラでパスをコピーし、コマンドプロンプトで cd
コマンドを使用してそのパスに貼り付けます。
このフェーズでは、Docker コンテナで Apache HTTPD を開始することで、Apache の構文をチェックします。 Docker をローカルにインストールする必要がありますが、AEM を実行する必要はありません。
Windows ユーザーは、Docker をサポートする Windows 10 Professional またはその他のディストリビューションを使用する必要があります。これは、ローカルコンピューターで Dispatcher を実行およびデバッグする場合に必要な前提条件です。
Windows とmacOSの両方で、Docker Desktop を使用することをお勧めします。
このフェーズは、bin/docker_run.sh src/dispatcher host.docker.internal:4503 8080
を使用して独立に実行することもできます。
Cloud Manager によるデプロイ中に、httpd -t
の構文チェックも実行され、エラーは Cloud Manager の「イメージのビルド」ステップのエラーログに記録されます。
このフェーズでエラーが発生した場合は、アドビが 1 つ以上の不変ファイルを変更したことを示しているので、対応する不変ファイルを、SDK の src
ディレクトリで提供されている新しいバージョンに置き換える必要があります。以下のログサンプルは、この問題を示しています。
Phase 3: Immutability check
reading immutable file list from /etc/httpd/immutable.files.txt
(...)
checking existing 'conf.dispatcher.d/clientheaders/default_clientheaders.any' for changes
immutable file 'conf.dispatcher.d/clientheaders/default_clientheaders.any' has been changed:
--- /etc/httpd/conf.dispatcher.d/clientheaders/default_clientheaders.any
+++ /etc/httpd-actual/conf.dispatcher.d/clientheaders/default_clientheaders.any
@@ -40,4 +40,3 @@
"Sling-uploadmode"
"x-requested-with"
"If-Modified-Since"
-"Authorization"
** error: immutable file 'conf.dispatcher.d/clientheaders/default_clientheaders.any' has been changed!
このフェーズは、bin/docker_immutability_check.sh src/dispatcher
を使用して独立に実行することもできます。
ローカルの不変ファイルは、 bin/update_maven.sh src/dispatcher
スクリプトをディスパッチャーフォルダーに追加します。 src/dispatcher
は dispatcher 設定ディレクトリです。 これにより、親ディレクトリ内の pom.xml ファイルも更新され、Maven の不変性チェックも更新されます。
./bin/docker_run.sh src/dispatcher docker.for.mac.localhost:4503 8080
を使用すれば、Apache Dispatcher をローカルで実行できます。
前述のとおり、Docker をローカルにインストールする必要がありますが、AEM を実行する必要はありません。Windows ユーザーは、Docker をサポートする Windows 10 Professional またはその他のディストリビューションを使用する必要があります。これは、ローカルコンピューターで Dispatcher を実行およびデバッグする場合に必要な前提条件です。
次の方法を使用して、Dispatcher モジュールのログ出力を増やし、RewriteRule
評価の結果をローカル環境とクラウド環境の両方で確認できます。
これらのモジュールのログレベルは、変数の DISP_LOG_LEVEL
と REWRITE_LOG_LEVEL
によって定義されます。これらは、conf.d/variables/global.vars
ファイルに設定できます。関連する箇所は以下のとおりです。
# Log level for the dispatcher
#
# Possible values are: error, warn, info, debug and trace1
# Default value: warn
#
# Define DISP_LOG_LEVEL warn
# Log level for mod_rewrite
#
# Possible values are: error, warn, info, debug and trace1 - trace8
# Default value: warn
#
# To debug your RewriteRules, it is recommended to raise your log
# level to trace2.
#
# More information can be found at:
# https://httpd.apache.org/docs/current/mod/mod_rewrite.html#logging
#
# Define REWRITE_LOG_LEVEL warn
Dispatcher をローカルで実行すると、ログが端末に直接出力されます。ほとんどの場合、これらのログは DEBUG モードで出力すべきもので、それには、Docker の実行時にデバッグレベルをパラメーターとして渡します。(例:DISP_LOG_LEVEL=Debug ./bin/docker_run.sh src docker.for.mac.localhost:4503 8080
)。
クラウド環境のログは、Cloud Manager で利用可能なログサービスを通じて公開されます。
AEMas a Cloud Service環境の場合、debug は最大の詳細レベルです。 トレースログレベルはサポートされていないので、クラウド環境で動作する場合は設定しないでください。
Windows オペレーティングシステムの制限により、この機能は macOS および Linux ユーザーのみ利用できます。
設定が変更されるたびにローカル検証(validate.sh
)を実行してドッカーコンテナ(docker_run.sh
)を開始する代わりに、docker_run_hot_reload.sh
スクリプトを実行することもできます。 スクリプトは、設定に対する変更を監視し、自動的に再読み込みして検証を再実行します。このオプションを使用すると、デバッグ時にかなりの時間を節約できます。
次のコマンドを使用して、スクリプトを実行できます。./bin/docker_run_hot_reload.sh src/dispatcher host.docker.internal:4503 8080
出力の最初の行は、docker_run.sh
に対して実行されるものと似ています。例えば、次のようになります。
~ bin/docker_run_hot_reload.sh src host.docker.internal:8081 8082
opt-in USE_SOURCES_DIRECTLY marker file detected
Running script /docker_entrypoint.d/10-check-environment.sh
Running script /docker_entrypoint.d/15-check-pod-name.sh
Running script /docker_entrypoint.d/20-create-docroots.sh
Running script /docker_entrypoint.d/30-wait-for-backend.sh
Waiting until host.docker.internal is available
host.docker.internal resolves to 192.168.65.2
Running script /docker_entrypoint.d/40-generate-allowed-clients.sh
Running script /docker_entrypoint.d/50-check-expiration.sh
Running script /docker_entrypoint.d/60-check-loglevel.sh
Running script /docker_entrypoint.d/70-check-forwarded-host-secret.sh
Running script /docker_entrypoint.d/80-frontend-domain.sh
Running script /docker_entrypoint.d/zzz-import-sdk-config.sh
WARN Mon Jul 4 09:53:54 UTC 2022: Pseudo symlink conf.d seems to point to a non-existing file!
INFO Mon Jul 4 09:53:55 UTC 2022: Copied customer configuration to /etc/httpd.
INFO Mon Jul 4 09:53:55 UTC 2022: Start testing
Cloud manager validator 2.0.43
2022/07/04 09:53:55 No issues found
INFO Mon Jul 4 09:53:55 UTC 2022: Testing with fresh base configuration files.
INFO Mon Jul 4 09:53:55 UTC 2022: Apache httpd informationServer version: Apache/2.4.54 (Unix)
現時点では、すべての AEM as a Cloud Service 環境に同じ Dispatcher 設定が適用されます。ランタイムには、現在の実行モード(dev、stage または prod)と定義を含む環境変数 ENVIRONMENT_TYPE
が含まれます。定義は、ENVIRONMENT_DEV
、ENVIRONMENT_STAGE
、または ENVIRONMENT_PROD
のいずれかです。Apache 設定では、変数を式に直接使用できます。または、定義を使用してロジックをビルドできます。
# Simple usage of the environment variable
ServerName ${ENVIRONMENT_TYPE}.company.com
# When more logic is required
<IfDefine ENVIRONMENT_STAGE>
# These statements are for stage
Define VIRTUALHOST stage.example.com
</IfDefine>
<IfDefine ENVIRONMENT_PROD>
# These statements are for production
Define VIRTUALHOST prod.example.com
</IfDefine>
Dispatcher 設定では、同じ環境変数が使用できます。さらにロジックが必要な場合は、上の例で示すように変数を定義し、Dispatcher 設定セクションで使用します。
/virtualhosts {
{ "${VIRTUALHOST}" }
}
または、環境シークレットを使用することはできませんが、Cloud Manager 環境変数を httpd/dispatcher 設定で使用できます。このメソッドは、プログラムに複数の開発環境があり、それらの開発環境の一部が httpd/dispatcher 設定の値が異なる場合に特に重要です。上の例と同じ ${VIRTUALHOST} 構文が使用されますが、上の変数ファイル内の Define 宣言は使用されません。Cloud Manager の環境変数の設定方法については、Cloud Manager のドキュメントを参照してください。
設定をローカルでテストする場合、DISP_RUN_MODE
変数を docker_run.sh
スクリプトに直接渡すことで、様々な環境タイプをシミュレートできます。
$ DISP_RUN_MODE=stage docker_run.sh src docker.for.mac.localhost:4503 8080
DISP_RUN_MODE の値を渡さない場合のデフォルトの実行モードは「dev」です。
使用可能なオプションと変数の完全なリストについては、docker_run.sh
スクリプトを引数なしで実行してください。
環境固有の設定では、実際の Dispatcher 設定がどのようになるのかを判断するのが困難な場合があります。docker_run.sh
を使用して Docker コンテナを起動したら、次のようにダンプできます。
$ docker ps
CONTAINER ID IMAGE
d75fbd23b29 adobe/aem-ethos/dispatcher-publish:...
$ docker exec d75fbd23b29 httpd-test
# Dispatcher configuration: (/etc/httpd/conf.dispatcher.d/dispatcher.any)
/farms {
/publishfarm {
/clientheaders {
...
Cloud Manager 2021.7.0 リリースでは、新しい Cloud Manager プログラムは、AEM アーキタイプ 28 以降を使用した Maven プロジェクト構造を生成します。これには opt-in/USE_SOURCES_DIRECTLY ファイルが含まれています。これにより、ファイルの数とサイズに関するレガシーモードの以前の制限事項がなくなるので、SDK とランタイムによる設定の検証とデプロイも改善されます。Dispatcher 設定にこのファイルがない場合は、移行することを強くお勧めします。安全な移行を確実に行うには、次の手順に従います。
ローカルテスト:最新の Dispatcher ツール SDK を使用して、フォルダーおよびファイル opt-in/USE_SOURCES_DIRECTLY
を追加します。この記事の「ローカル検証」の手順に従って、Dispatcher がローカルで動作するかどうかをテストします。
クラウド開発テスト:
opt-in/USE_SOURCES_DIRECTLY
を Git ブランチにコミットします。フレキシブルモードでは、絶対パスの代わりに相対パスを使用する必要があります。