AEM ドキュメントサービスは、PDF ドキュメントを作成、アセンブリ、およびセキュリティ保護のための一連の OSGi サービスです。ドキュメントサービスには、次のサービスが含まれています。
Output サービスを使用すると、PDF、レーザープリンター形式、ラベルプリンター形式など、様々な形式のドキュメントを作成できます。レーザープリンター形式には、PostScript とプリンター制御言語(PCL)があります。ラベルプリンター形式には、次の種類があります。
ドキュメントは、ネットワークプリンター、ローカルプリンター、またはファイルシステム上のファイルに送信できます。Output サービスは、XML フォームデータをフォームデザインとマージしてドキュメントを生成します。Output サービスで XML フォームデータをドキュメントにマージせずにドキュメントを生成することもできます。ただし、データをドキュメントに結合するのが本来のワークフローです。
通常、フォームデザインは Designer を使用して作成します。出力サービスのフォームデザインを作成することについて詳しくは、Designer ヘルプを参照してください。
Output サービスを使用して XML データをフォームデザインとマージすると、非インタラクティブ PDF ドキュメントが生成されます。非インタラクティブな PDF ドキュメントのフィールドには、ユーザーがデータを入力することはできません。これに対し、Forms サービスを使用して作成したインタラクティブ PDF フォームでは、ユーザーがフィールドにデータを入力できます
次の 4 つの出力サービス操作が使用できます。
generatePDFOuput:フォームデザインをデータとマージして PDF ドキュメントを生成します。
generatePrintedOutput:フォームデザインをフォームデータと結合して、レーザーネットワークプリンターまたはラベルネットワークプリンターに送信するドキュメントを生成します。
generatePDFOutputBatch:複数のテンプレートと複数のデータレコードをマージして、1 回の実行で複数の PDF ファイルを生成します。すべての PDF ファイルをまとめて 1 つの PDF を生成するオプションもあります。
generatePrintedOutputBatch:複数のテンプレートと複数のデータレコードを結合して、1 回の実行で複数の印刷ドキュメント(PS、PCL、ZPL、DPL、IPL、TPCL)を生成します。1 つの印刷ドキュメントを生成するオプションもあります。
Assembler サービスでは、PDF ドキュメントや XDP ドキュメントの結合、並べ替えおよび拡張と、PDF ドキュメントに関する情報の取得ができます。Assembler サービスに送信される各ジョブには、Document Description XML(DDX)ドキュメント、ソースドキュメントおよび外部リソース(文字列とグラフィック)が含まれます。DDX ドキュメントには、ソースドキュメントを使用して 1 組の結果ドキュメントを生成する方法についての指示が記述されています。
上記の機能の他に、次の Assembler サービスがあります。
Assembler サービスを利用するときは、必要な出力を記述するために Document Description XML(DDX)と呼ばれる XML ベースの言語を使用します。DDX は、その要素がドキュメントの構築ブロックを表す宣言型のマークアップ言語です。この構築ブロックには、PDF ドキュメント、XDP ドキュメント、XDP フォームのフラグメントおよびその他の要素(注釈、しおり、スタイルを設定したテキストなど)が含まれます。
DDX ドキュメントは、次のような特性を持つ結果ドキュメントを指定できます。
DDX を使用すると、ドキュメントのアセンブリまたはディスアセンブリの一環として PDF ドキュメントを拡張することができます。次の効果を任意に組み合わせて指定できます。
単純な入力マップを使用して、ソースドキュメントと結果ドキュメントの場所を指定できます。次の外部データ URL タイプも使用できます。
Doc Assurance サービスでは、ドキュメントを暗号化および復号化したり、Adobe Reader の機能に追加の使用権限を追加して拡張したり、ドキュメントに電子署名を追加したりできます。ユーザーは PDF フォームやドキュメントと簡単にやり取りできる一方、組織はセキュリティ、アーカイブ、およびコンプライアンスの準拠を向上できます。
DocAssurance サービスには、3 つのサービス(署名、暗号化および Reader 拡張機能)があります。
Signature サービスでは、AEM サーバーで電子署名とドキュメントを扱うことができます。例えば、通常、Signature サービスは次のような状況で使用されます。
Signature サービスは、Trust Store に格納されている証明書および秘密鍵証明書にアクセスします
Encryption サービスは、ドキュメントの暗号化および復号化を有効にします。ドキュメントを暗号化すると、その内容は判読できなくなります。PDF ドキュメント全体(コンテンツ、メタデータおよび添付ファイル)を暗号化するか、そのメタデータ以外のすべてのデータを暗号化するか、または添付ファイルだけを暗号化することができます。許可されたユーザーはドキュメントを解読して、コンテンツにアクセスできます。PDF ドキュメントがパスワードで暗号化されている場合、ユーザーは開くためのパスワードを指定しないと、Adobe Reader または Adobe Acrobat でドキュメントを表示できません。PDF ドキュメントが証明書で暗号化されている場合、ユーザーはその PDF ドキュメントを秘密鍵(証明書)で復号化する必要があります。PDF ドキュメントの復号化に使用する秘密鍵は、そのドキュメントの暗号化に使用された公開鍵に対応している必要があります。
Reader Extensions サービスを使用すると、追加の使用権限を付与して Adobe Reader の機能を拡張することで、組織内でインタラクティブ PDF ドキュメントを簡単に共有できます。Reader Extensions サービスは、Adobe Reader 7.0 以降で使用できます。このサービスは、使用権限を PDF ドキュメントに追加します。これにより、PDF ドキュメントを Adobe Reader で開いた場合には通常使用できない機能(ドキュメントへのコメントの追加、フォームへの入力、ドキュメントの保存など)がアクティブになります。サードパーティユーザーは、使用権限を付与されたドキュメントを扱うためにソフトウェアまたはプラグインを追加する必要はありません。
PDF ドキュメントに適切な使用権限が追加されている場合、受信者は Adobe Reader 内で次の作業を行うことができます。
これらの特別なユーザー機能は、使用権限を付与された PDF ドキュメントを Adobe Reader で開くと自動的にアクティブになります。権限を付与されたドキュメントの編集を終了すると、これらの機能は Adobe Reader で再度無効になります。ユーザーが権限を付与された別のドキュメントを受け取るまで、これらの機能は無効のままです。
初期状態では、Doc Assurance サービスを使用できません。DocAssurance サービスを設定するには、「Document Services のインストールと設定」を参照してください。
プリンターへの送信サービスは、ドキュメントを指定したプリンターに送信して印刷するための API を提供します。