AEM Forms JEE ワークフローには、ビジネスプロセスを設計、作成および管理するためのツールが用意されています。ワークフロープロセスは、特定の順序で実行される一連のステップで構成されます。各ステップで、ユーザーへのタスクの割り当てや電子メールメッセージの送信など、特定の処理が実行されます。プロセスは、アセット、ユーザーアカウントおよびサービスとインタラクティブに動作し、次のいずれかの方法でトリガーすることができます。
AEM Forms JEE ワークフロープロセスの作成について詳しくは、Workbench ヘルプを参照してください。
プロセスがトリガーされて進行すると、プロセスの参加者に関するデータ、プロセスに関連付られたフォームに参加者が入力したデータ、およびフォームに追加された添付ファイルが取得されます。これらのデータは AEM Forms JEE サーバーのデータベースに格納され、添付ファイルのような一部のデータは Global Document Storage(GDS)ディレクトリに格納されます(設定が行われている場合)。GDS ディレクトリは、共有ファイルシステムまたはデータベース上に構成できます。
プロセスがトリガーされると、一意のプロセスインスタンス ID と永続的呼び出し ID が生成され、プロセスインスタンスに関連付けられます。永続的呼び出し ID に基づいて、プロセスインスタンスのデータへアクセスして、データを削除できます。プロセスイニシエーターのユーザー名またはタスクを送信したプロセス参加者のユーザー名を使用して、プロセスインスタンスの永続的呼び出し ID を推測することができます。
ただし、以下のシナリオでは開始者のプロセスインスタンス ID を特定することはできません。
tb_job_instance
データベーステーブルの Opaque Blob 列にプロパティとして取得されます。ワークフローの開始者または参加者のプロセスインスタンス ID を特定するには、次の手順を実行します。
AEM Forms サーバーデータベースで次のコマンドを実行して、edcprincipalentity
データベーステーブルからワークフローイニシエーターまたは参加者のプリンシパル ID を取得します。
select id from edcprincipalentity where canonicalname='user_ID'
クエリを実行すると、指定された user_ID
のプリンシパル ID が返されます。
(ワークフローイニシエーターの場合)次のコマンドを実行して、tb_task
データベーステーブルからイニシエーターのプリンシパル ID に関連付けられたすべてのタスクを取得します。
select * from tb_task where start_task = 1 and create_user_id= 'initiator_principal_id'
クエリを実行すると、指定された initiator
_principal_id
により開始されたタスクが返されます。タスクには次の 2 つのタイプがあります。
process_instance_id
フィールドには英数字の値が表示されます。送信済みタスクのすべてのプロセスインスタンス ID をメモして、手順を続行します。process_instance_id
フィールドの値は、0(ゼロ)になります。この場合、対応するタスク ID をメモして、オーファンタスクの操作を参照してください。(ワークフロー参加者の場合)次のコマンドを実行して、tb_assignment
データベーステーブルからイニシエーター用のプロセス参加者のプリンシパル ID に関連付けられたプロセスインスタンス ID を取得します。
select distinct a.process_instance_id from tb_assignment a join tb_queue q on a.queue_id = q.id where q.workflow_user_id='participant_principal_id'
クエリを実行すると、参加者がタスクを何も送信していない場合も含めて、参加者に関連付けられたすべてのプロセスのインスタンス ID が返されます。
送信済みタスクのすべてのプロセスインスタンス ID をメモして、手順を続行します。
オーファンタスクまたは process_instance_id
が 0(ゼロ)であるタスクの場合、該当するタスク ID をメモして、オーファンタスクの操作を参照してください。
プロセスインスタンス ID に基づいてワークフローインスタンスからユーザーデータを削除する節の手順に従って、特定されたプロセスインスタンス ID のユーザーデータを削除します。
ワークフローは、ユーザーデータがデータベース内の Blob として格納される変数に取得されるように設計できます。このような場合、次のプリミティブ型変数のいずれかに格納されている場合にのみ、ユーザーデータのクエリを実行できます。
プリミティブ型変数にデータが格納されているワークフローにユーザーのデータが含まれるかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
次のデータベースコマンドを実行します。
select database_table from omd_object_type where name='pt_<app_name>/<workflow_name>'
クエリを実行すると、指定されたアプリケーション(app_name
)およびワークフロー(workflow_name
)に tb_<number>
形式でテーブル名が返されます。
ワークフローがアプリケーション内のサブフォルダーにネストされている場合、name
プロパティの値は複合型にすることができます。ワークフローへの正確なフルパスを指定するようにしてください。これは、omd_object_type
データベーステーブルから取得できます。
tb_<number>
テーブルスキーマを確認します。テーブルには、指定されたワークフローのユーザーデータを格納する変数が含まれています。テーブルの変数はワークフローの変数に対応しています。
ユーザー ID を含むワークフロー変数に対応する変数を特定してメモしておきます。特定された変数がプリミティブ型の場合は、クエリを実行して、ユーザー ID に関連付けられたワークフローインスタンスを確認できます。
次のデータベースコマンドを実行します。このコマンドでは、user_var
がユーザー ID を含むプリミティブ型の変数です。
select process_instance_id from <tb_name> where <user_var>=<user_ID>
クエリを実行すると、指定された user_ID
に関連付けられたすべてのプロセスインスタンス ID が返されます。
プロセスインスタンス ID に基づいてワークフローインスタンスからユーザーデータを削除する節の手順に従って、特定されたプロセスインスタンス ID のユーザーデータを削除します。
これでユーザーに関連付けられたプロセスインスタンス ID を特定できたので、次の手順を実行して個々のプロセスインスタンスからユーザーデータを削除します。
次のコマンドを実行して、tb_process_instance
テーブルからプロセスインスタンスの永続的呼び出し ID およびステータスを取得します。
select long_lived_invocation_id, status from tb_process_instance where id='process_instance_id'
クエリを実行すると、指定された process_instance_id
の永続的呼び出し ID およびステータスが返されます。
パブリック ProcessManager
クライアント(com.adobe.idp.workflow.client.ProcessManager
)のインスタンスを、適切に接続設定された ServiceClientFactory
インスタンスを使用して作成します。
詳しくは、「Class ProcessManager」の Java API リファレンスを参照してください。
ワークフローインスタンスのステータスを確認します。ステータスが 2(COMPLETE)または 4(TERMINATED)以外の場合、次のメソッドを呼び出して最初にインスタンスを停止します。
ProcessManager.terminateProcess(<long_lived_invocation_id>)
。
次のメソッドを呼び出して、ワークフローインスタンスを削除します。
ProcessManager.purgeProcessInstance(<long_lived_invocation_id>)
purgeProcessInstance
メソッドを使用すると、AEM Forms サーバーデータベースおよび GDS から、指定された呼び出し ID のすべてのデータが完全に削除されます(設定が行われている場合)。
オーファンタスクは、プロセスが開始されているがまだ送信されていないプロセスを含むタスクです。この場合、process_instance_id
は 0(ゼロ)になります。したがって、プロセスインスタンス ID を使用してオーファンタスクに保存されたユーザーデータを追跡することはできません。ただし、オーファンタスクのタスク ID を使用してユーザーデータを追跡することができます。ワークフローイニシエーターまたは参加者が分かっている場合のプロセスインスタンス ID の特定で説明されているように、ユーザーの tb_task
テーブルからタスク ID を特定することができます。
タスク ID が特定されたら、次を実行して GDS およびデータベースからオーファンタスクに関連するファイルおよびデータを削除します。
AEM Forms サーバーデータベースで次のコマンドを実行して、特定されたタスク ID の ID を取得します。
select id from tb_form_data where task_id=<task_id>
クエリを実行すると、ID のリストが返されます。次のように、返された ID(fd_id
)ごとにセッション ID 文字列のリストを作成します。
wfattach<task_id>
_wftask<fd_id>
_wftaskformid<fd_id>
GDS がファイルシステムまたはデータベースを指しているのかに応じて、次のいずれかの手順を実行します。
ファイルシステムの GDS
GDS ファイルシステムで次の手順を実行します。
_wfattach<task_id>
_wftask<fd_id>
_wftaskformid<fd_id>
これらの拡張子を持つファイルはマーカーファイルです。これらのファイルは次の形式のファイル名で保存されます。
<file_name_guid>.session<session_id_string>
<file_name_guid>
と同じファイル名を持つファイルをファイルシステムから削除します。データベースの GDS
セッション ID ごとに次のコマンドを実行します。
delete from tb_dm_chunk where documentid in (select documentid from tb_dm_session_reference where sessionid=<session_id>)
delete from tb_dm_session_reference where sessionid=<session_id>
delete from tb_dm_deletion where sessionid=<session_id>
次のコマンドを実行して、AEM Forms サーバーデータベースからタスク ID のデータを削除します。
delete from tb_task_acl where task_id=<task_id>
delete from tb_task_attachment where task_id=<task_id>
delete from tb_form_data where task_id=<task_id>
delete from tb_assignment where task_id=<task_id>
delete from tb_task where id=<task_id>