以下のタスクを実行して、ライブコピーとソースコンテンツを同期する方法およびタイミングを制御します。
この節では、インストールしたロールアウト設定、それらの設定で使用する同期アクション、カスタム設定を作成する方法(必要な場合)について説明します。
インストール済みの標準のロールアウト設定を、更新したり変更したりすることは 推奨しません。カスタムのライブアクションが必要な場合は、カスタムロールアウトの設定で追加してください。
各ロールアウト設定では、ロールアウトトリガーを使用してロールアウトを発生させます。ロールアウト設定では、以下のいずれかのトリガーを使用できます。
ロールアウト時:ロールアウトコマンドをブループリントページで使用します。または、同期コマンドをライブコピーページで使用します。
変更時:ソースページが変更されます。
アクティベート時:ソースページがアクティベートされます。
アクティベート解除時:ソースページがアクティベート解除されます。
変更時トリガーを使用すると、パフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。詳しくは、MSM のベストプラクティスを参照してください。
次の表に、AEM と共にインストールされるロールアウト設定のリストを示します。表には各ロールアウト設定のトリガーと同期アクションが含まれます。インストールされるロールアウト設定のアクションが要件を満たさない場合は、新しいロールアウト設定を作成できます。
名前 | 説明 | トリガー | 同期アクション 関連情報 インストール済みの同期アクション |
---|---|---|---|
標準のロールアウト設定 | ロールアウトトリガーでロールアウトプロセスを開始するのを許可したり、アクション(コンテンツの作成、更新、削除や子ノードの整理)を実行したりする標準のロールアウト設定です。。 | ロールアウト時 | contentUpdate contentCopy contentDelete referencesUpdate productUpdate orderChildren |
ブループリントのアクティベート時にアクティベート | ソースが公開された場合にライブコピーを公開します。 | アクティベート時 | targetActivate |
ブループリントのアクティベート解除時にアクティベート解除 | ソースがアクティベート解除された場合にライブコピーをアクティベート解除します。 | アクティベート解除時 | targetDeactivate |
変更時にプッシュ | ソースが変更された場合に、コンテンツをライブコピーにプッシュします。 このロールアウト設定は慎重に使用してください(「変更時」トリガーを使用するため)。 |
変更時 | contentUpdate contentCopy contentDelete referencesUpdate orderChildren |
変更時にプッシュ(シャロー) | 参照を更新せずにブループリントページが変更された場合(シャローコピーの場合など)に、コンテンツをライブコピーにプッシュします。 このロールアウト設定は慎重に使用してください(「変更時」トリガーを使用するため)。 |
変更時 | contentUpdate contentCopy contentDelete orderChildren |
ローンチを昇格 | ローンチページを昇格するための標準のロールアウト設定。 | ロールアウト時 | contentUpdate contentCopy contentDelete referencesUpdate orderChildren markLiveRelationship |
カタログページコンテンツのロールアウト設定 | カタログのブループリントからページテンプレートを適用します。 | ロールアウト時 | contentUpdate contentCopy contentDelete referencesUpdate productCreateUpdate orderChildren |
カタログページ更新のロールアウト設定 | カタログのブループリントからターゲットのプロパティを適用します。カタログページコンテンツのロールアウト設定の後に実行する必要があります。 | ロールアウト時 | catalogRolloutHooks |
DPS パブリケーションのロールアウト設定 | DPS パブリケーションのロールアウト設定では、ロールアウトトリガーに対してロールアウトプロセスを開始し、最初のロールアウト時に FolioProducer のバインドプロパティを除外できます。 | ロールアウト時 | contentUpdate contentCopy contentDelete referencesUpdate orderChildren dpsMetadataFilter |
レガシー (5.6.0) カタログロールアウト設定 | 使用されなくなりました。カタログロールアウトには、MSM ではなくカタログジェネレーターを使用してください。 | ロールアウト時 | editProperties |
次のテーブルに、AEM と共にインストールされる同期アクションのリストを示します。インストールされているアクションが要件を満たさない場合は、新しい同期アクションを作成できます。
アクション名 | 説明 | プロパティ |
---|---|---|
contentCopy | ソースのノードがライブコピーに存在しない場合は、ライブコピーにノードをコピーします。CQ MSM Content Copy Action サービスを設定して、除外するノードタイプ、段落項目、ページプロパティを指定してください。 |
|
contentDelete | ソースに存在しないライブコピーのノードを削除します。CQ MSM Content Delete Action サービスを設定して、除外するノードタイプ、段落項目およびページプロパティを指定してください。 |
|
contentUpdate | ソースからの変更を使用してライブコピーのコンテンツを更新します。CQ MSM Content Update Action サービスを設定して、除外するノードタイプ、段落項目、ページプロパティを指定してください。 |
|
editProperties | ライブコピーのプロパティを編集します。編集するプロパティとその値は editMap プロパティで指定します。editMap プロパティの値は次の形式にしてください。
例えば、editMap の次の値を検討してください。
この値は、ライブコピーのノードのプロパティを次のように編集します。
|
editMap:(文字列)プロパティ、現在の値および新しい値を識別します。説明を参照してください。 |
notify | ページがロールアウトされたページイベントを送信します。通知が送信されるようにするには、最初にロールアウトイベントを購読する必要があります。 | |
orderChildren | ライブコピーにおいて、ブループリント上の順序を基に子(ノード)を並べ替えます。 |
|
referencesUpdate | この同期アクションにより、ライブコピーでは、リンクなどの参照が更新されます。 CQ MSM References Update Action サービスを設定して、除外するノードタイプ、段落項目、ページプロパティを指定してください。 |
|
targetVersion | ライブコピーのバージョンを作成します。 このアクションは、ロールアウト設定に含まれる唯一の同期アクションである必要があります。 |
|
targetActivate | ライブコピーをアクティベートします。 このアクションは、ロールアウト設定に含まれる唯一の同期アクションである必要があります。 |
|
targetDeactivate | ライブコピーをアクティベート解除します。 このアクションは、ロールアウト設定に含まれる唯一の同期アクションである必要があります。 |
|
ワークフロー | target プロパティで定義されるワークフローを開始し(ページの場合のみ)、ライブコピーをペイロードと見なします。 モデルノードのパスがターゲットパスになります。 |
target:(文字列)ワークフローモデルのパス。 |
mandatory | ライブコピーページ上の複数の ACL の権限を、特定のユーザーグループに対して読み取り専用に設定します。以下の ACL が設定されます。
このアクションはページにのみ使用してください。 |
target:(文字列)権限を設定するグループの ID。 |
mandatoryContent | ライブコピーページ上の複数の ACL の権限を、特定のユーザーグループに対して読み取り専用に設定します。以下の ACL が設定されます。
このアクションはページにのみ使用してください。 |
target:(文字列)権限を設定するグループの ID。 |
mandatoryStructure | ライブコピーページ上の ActionSet.ACTION_NAME_REMOVE ACL の権限を、特定のユーザーグループについて読み取り専用に設定します。このアクションはページにのみ使用してください。 | target:(文字列)権限を設定するグループの ID。 |
VersionCopyAction | ブループリント/ソースページが少なくとも 1 回公開された場合は、公開されたバージョンを使用してライブコピーページを作成します。メモ:このアクションは、公開されたソースページに基づくライブコピーページの作成でのみ使用できます。既存のライブコピーページの更新では使用できません。 | |
PageMoveAction | PageMoveAction はページがブループリント内に移動されたときに適用されます。 (関連する)ライブコピーページは、移動前の場所から移動後の場所に、(移動ではなく)コピーされます。 PageMoveAction によって、移動前の場所にあるライブコピーページが変更されることはありません。このため、結果としてロールアウト設定では、ステータスはブループリントなしのライブ関係になります。 CQ MSM Page Move Action サービスを設定して、除外するノードタイプ、段落項目およびページプロパティを指定してください。 このアクションは、ロールアウト設定に含まれる唯一の同期アクションである必要があります。 |
prop_referenceUpdate:(ブール値)参照を更新するには、true に設定します。デフォルト値は true です。
|
productCreateUpdate | カタログ内の Product リソースを作成または更新します。このアクションは次のどちらかの場合に使用してください。
|
|
markLiveRelationship | ローンチが作成したコンテンツ用のライブの関係が存在することを示します。 | |
catalogRolloutHooks | カタログ生成特有のロールアウトフックを実行します。CatalogGenerator の executePageRolloutHooks メソッドと executeProductRolloutHooks メソッドを呼び出します。 AEM の Javadoc の com.adobe.cq.commerce.pim.api.CatalogGenerator を参照してください。 |
|
productUpdate | 商品カタログのライブコピー内の商品ページを更新します。 |
インストールされるロールアウト設定がアプリケーションの要件を満たさない場合は、ロールアウト設定を作成できます。
ブループリントまたはライブコピーページでロールアウト設定を指定すると、新しいロールアウト設定が使用可能になります。
対応する同期アクションをサポートする複数の OSGi サービスを設定して、特定のノードタイプやプロパティに影響を与えないようにすることができます。例えば、AEM の内部機能に関連する多くのプロパティとサブノードをライブコピーに含めることはできません。コピーする必要があるのは、ページのユーザーに関連するコンテンツだけです。
AEM を操作しているときは、このようなサービスの設定を管理する方法がいくつかあります。詳細および推奨事項については、OSGi の設定を参照してください。
以下の表は、除外するノードを指定できる同期アクションを示しています。この表には、Web コンソールを使用して設定する場合のサービスの名前とリポジトリーノードを使用して設定する場合の PID が示されています。
同期アクション | Web コンソールでのサービス名 | サービス PID |
---|---|---|
contentCopy | CQ MSM Content Copy Action | com.day.cq.wcm.msm.impl.actions.ContentCopyActionFactory |
contentDelete | CQ MSM Content Delete Action | com.day.cq.wcm.msm.impl.actions.ContentDeleteActionFactory |
contentUpdate | CQ MSM Content Update Action | com.day.cq.wcm.msm.impl.actions.ContentUpdateActionFactory |
PageMoveAction | CQ MSM Page Move Action | com.day.cq.wcm.msm.impl.actions.PageMoveActionFactory |
referencesUpdate | CQ MSM References Update Action | com.day.cq.wcm.msm.impl.actions.ReferencesUpdateActionFactory |
次の表は、設定可能なプロパティを示しています。
Web コンソールのプロパティ/OSGi のプロパティ | 説明 |
---|---|
Excluded Nodetypes cq.wcm.msm.action.excludednodetypes |
同期アクションから除外するノードタイプに一致する正規表現。 |
Excluded Paragraph Items cq.wcm.msm.action.excludedparagraphitems |
同期アクションから除外する段落項目に一致する正規表現。 |
Excluded Page Properties cq.wcm.msm.action.excludedprops |
同期アクションから除外するページプロパティに一致する正規表現。 |
Ignored Mixin NodeTypes cq.wcm.msm.action.ignoredMixin |
CQ MSM Content Update Action でのみ使用できます。同期アクションから除外する mixin ノードタイプの名前に一致する正規表現です。 |
クラシック UI で、ライブコピーページのページのプロパティダイアログボックスに表示されるロックアイコンには、「Excluded Page Properties」プロパティの設定が反映されません。ロックアイコンは、同期アクションから除外されたプロパティについても表示されます。
タッチ操作向け UI の場合は、ページプロパティの MSM ロックの設定(タッチ操作向け UI)も参照してください。
いくつかのプロパティやノードタイプはデフォルトで除外されています。これらは CQ MSM Content Update Action の OSGi の設定の、Excluded Page Properties の下に定義されています。
デフォルトでは、次の正規表現に一致するプロパティがロールアウト時に除外されます(更新されません)。
必要に応じて、除外リストを定義する表現を変更できます。
例えば、ロールアウトで考慮される変更にページタイトルを含めるには、除外から jcr:title
を削除します。正規表現は次のようになります。
jcr:(?!(title)$).*
参照の更新に関連する、対応する同期アクションをサポートする複数の OSGi サービスを設定できます。
AEM を操作する際は、このようなサービスの設定を管理する方法がいくつかあります。詳細および推奨事項については、OSGi の設定を参照してください。
次の表は、参照の更新を指定できる同期アクションを示します。この表には、Web コンソールを使用して設定する場合のサービスの名前とリポジトリーノードを使用して設定する場合の PID が示されています。
Web コンソールのプロパティ/OSGi のプロパティ | 説明 |
---|---|
Update Reference across nested LiveCopies cq.wcm.msm.impl.action.referencesupdate.prop_updateNested |
CQ MSM References Update Action でのみ使用できます。最上位のライブコピーのブランチ内にあるリソースをターゲットとする参照を置き換えるには、このオプションを選択する(Web コンソール)か、この boolean プロパティを true に設定します(リポジトリ設定)。 |
Update Referencing Pages cq.wcm.msm.impl.actions.pagemove.prop_referenceUpdate |
CQ MSM Page Move Action でのみ使用できます。元のページを使用する参照を、ライブコピーページを参照するように更新するには、このオプションを選択する(Web コンソール)か、この boolean プロパティを true に設定します(リポジトリ設定)。 |
MSM を使用すると、通常使用するロールアウト設定のセットを指定できます。必要に応じて、特定のライブコピー用にロールアウト設定を上書きすることもできます。MSM では、使用するロールアウト設定を複数の場所で指定できます。この場所では、特定のライブコピーに設定を適用するかどうかを指定します。
使用するロールアウト設定を指定できる場所を以下に示します。また、ライブコピーに使用するロールアウト設定を MSM がどのように決定するかについても説明します。
例えば、ブループリントが We.Retail 参照サイトをソースコンテンツとして使用するとします。サイトはブループリントから作成されます。次のリスト内の各項目は、ロールアウト設定の使用に関する様々なシナリオを示しています。
ソースページがロールアウトされる場合に使用するロールアウト設定を使用してライブコピーページを設定します。デフォルトでは、子ページは設定を継承します。使用するロールアウト設定を指定する場合は、ライブコピーページがその親から継承する設定を上書きします。
ライブコピーの作成時に、ライブコピーページ用のロールアウト設定を指定することもできます。
Sites コンソールを使用してライブコピーページを選択します。
ツールバーの「プロパティ」を選択します。
「ライブコピー」タブを開きます。
「設定」セクションには、ページが継承するロールアウト設定が表示されます。
必要に応じて、「ライブコピーの継承」フラグを変更します。オンにした場合、ライブコピー設定がすべての子で有効になります。
「ロールアウト設定を親から継承」プロパティをオフにして、1 つ以上のロールアウト設定をリストから選択します。
選択したロールアウト設定がドロップダウンリストの下に表示されます。
「保存」をクリックまたはタップします。
ブループリントページがロールアウトされる場合に使用するロールアウト設定を使用してブループリントページを設定します。
ブループリントページの子ページがその設定を継承します。使用するロールアウト設定を指定する場合は、ページがその親から継承する設定を上書きできます。
システムのデフォルトとして使用するロールアウト設定を指定します。デフォルトを指定するには、OSGi サービスを次のように設定します。
com.day.cq.wcm.msm.impl.LiveRelationshipManagerImpl
このサービスを設定するには、Web コンソールまたはリポジトリノードを使用します。
liverelationshipmgr.relationsconfig.default
です。このプロパティの値を、システムのデフォルトとして使用するロールアウト設定のパスに指定します。デフォルト値は /libs/msm/wcm/rolloutconfigs/default
です。これは標準のロールアウト設定です。