翻訳するコンテンツの準備が完了したら、不足している言語コピーを作成して言語構造を完成し、翻訳プロジェクトを作成する必要があります。
翻訳プロジェクトを使用すると、AEM コンテンツの翻訳を管理できます。翻訳プロジェクトは AEM プロジェクトの一種であり、他の言語に翻訳するリソースがその中に格納されます。これらのリソースは、言語マスターから作成される言語コピーのページとアセットです。
翻訳プロジェクトにリソースが追加されると、そのリソース用の翻訳ジョブが作成されます。ジョブには、リソースで実行される人間による翻訳と機械翻訳のワークフローの管理に使用するコマンドとステータス情報が含まれています。
翻訳プロジェクトには、複数の翻訳ジョブを含めることができます。
翻訳プロジェクトは、長期にわたる項目であり、グローバリゼーションに関する組織ガバナンスと合致するように言語および翻訳方法/翻訳プロバイダーによって定義されます。初期翻訳時、または手動で一度開始され、コンテンツおよび翻訳の更新アクティビティ中は有効な状態が保たれます。
翻訳プロジェクトおよびジョブは、翻訳準備ワークフローで作成されます。これらのワークフローには、初期翻訳(作成と翻訳)と更新(翻訳を更新)の両方について、次の 3 つのオプションがあります。
オプション 3 は、翻訳ジョブまたは翻訳プロジェクトとは関係ありません。このオプションでは、言語マスターのコンテンツおよび構造上の変更を(未翻訳の)言語コピーにコピーできます。翻訳がない場合でも、このオプションを使用して言語マスターの同期を維持できます。
AEM では、翻訳プロジェクトがコンテンツの初期翻訳用に作成されたものか、翻訳済みの言語コピーを更新するためのものかを検出します。ページ用の翻訳プロジェクトを作成して、翻訳対象の言語コピーを指定すると、AEM ではターゲットの言語コピーにソースページが既に存在するかどうかを検出します。
ページが言語コピーに含まれていない場合: AEM はこの状況を初期翻訳として処理します。ページがすぐに言語コピーにコピーされ、プロジェクトに追加されます。翻訳されたページが AEM に読み込まれると、AEM はそのページを言語コピーに直接コピーします。
ページが言語コピーに既に含まれている場合: AEM はこの状況を翻訳の更新として処理します。ローンチが作成され、ページのコピーがローンチとプロジェクトに追加されます。ローンチを使用すると、更新された翻訳をレビューしてから言語コピーに対してコミットできます。
例えば、マスター言語 /content/geometrixx/en のフランス語の翻訳用に言語ルート /content/geometrixx/fr が作成されるとします。フランス語の言語コピーにその他のページはありません。
翻訳プロジェクトを作成すると、言語マスターのリソースを翻訳するためのワークフローを実行および管理できます。プロジェクトを作成する場合は、翻訳対象の言語マスター内のページおよび翻訳を実行する対象となる言語コピーを指定します。
選択したページの子ページも選択されるように指定できます。この場合、子ページのコピーも各プロジェクトに追加され、翻訳されます。いずれかの子ページが別の翻訳統合フレームワーク設定に関連付けられている場合、AEM は追加のプロジェクトを作成します。
翻訳プロジェクトを手動で作成することもできます。
初期翻訳と翻訳の更新
参照パネルには、既存の言語コピーを更新するか、または言語コピーの最初のバージョンを作成するかが示されます。選択したページの言語コピーが存在する場合は、「言語コピーを更新」タブが表示されます。このタブからプロジェクト関連のコマンドにアクセスできます。
翻訳が完了したら、翻訳をレビューしてから、言語コピーを上書きできます。選択したページの言語コピーが存在しない場合は、「作成と翻訳」タブが表示されます。このタブからプロジェクト関連のコマンドにアクセスできます。
サイトコンソールを使用して、翻訳プロジェクトに追加するページを選択します。
例えば、Geometrixx Demo Site の英語ページを翻訳するには、Geometrixx Demo Site/English を選択します。
ツールバーの「参照」をクリックまたはタップします。
言語コピーを選択して、ソースページを翻訳する言語コピーを選択します。
「作成と翻訳」をクリックまたはタップして、翻訳ジョブを設定します。
「作成」をクリックまたはタップします。
サイトコンソールを使用して、翻訳プロジェクトに追加するページを選択します。
例えば、Geometrixx Demo Site の英語ページを翻訳するには、Geometrixx Demo Site/English を選択します。
ツールバーの「参照」をクリックまたはタップします。
言語コピーを選択して、ソースページを翻訳する言語コピーを選択します。
「言語コピーを更新」をクリックまたはタップして、翻訳ジョブを設定します。
「開始」をクリックまたはタップします。
翻訳プロジェクトを作成したら、リソースウィンドウを使用してプロジェクトにページを追加します。ページの追加は、別のブランチのページを同じプロジェクトに含める場合に役立ちます。
翻訳プロジェクトにページを追加すると、そのページが新しい翻訳ジョブに含まれます。また、既存のジョブにページを追加することもできます。
新しいプロジェクトの作成時と同様に、ページを追加する際は、ページのコピーがローンチに追加されます(既存の言語コピーが上書きされないようにするために必要な場合)(既存の言語コピー用の翻訳プロジェクトの作成を参照)。
サイトコンソールを使用して、翻訳プロジェクトに追加するページを選択します。
例えば、Geometrixx Demo Site の英語ページを翻訳するには、Geometrixx Demo Site/English を選択します。
ツールバーの「参照」をクリックまたはタップします。
言語コピーを選択して、ソースページを翻訳する言語コピーを選択します。
「言語コピーを更新」をクリックまたはタップして、以下のプロパティを設定します。
翻訳プロジェクトに設定するターゲット言語は、参照パネルに表示される言語コピーのパスと一致している必要があります。
「開始」をクリックまたはタップします。
翻訳プロジェクトの翻訳ジョブにページ、アセット、タグおよび I18N 辞書を追加できます。ページやアセットを追加するには:
翻訳プロジェクトの「翻訳ジョブ」タイルの下部にある省略記号をクリックまたはタップします。
「追加」、次に「ページ/アセット」をクリックまたはタップします。
追加するブランチの最上部の項目を選択し、チェックマークアイコンをクリックまたはタップします。複数選択できます。
または、検索アイコンを選択して、翻訳ジョブに追加するページまたはアセットを簡単に検索することもできます。
翻訳ジョブにページやアセットが追加されます。
翻訳プロジェクトの翻訳ジョブにページ、アセット、タグおよび I18N 辞書を追加できます。I18N 辞書を追加するには:
翻訳プロジェクトの「翻訳ジョブ」タイルの下部にある省略記号をクリックまたはタップします。
「追加」、次に「I18N 辞書」をクリックまたはタップします。
追加する辞書を選択し、「追加」ボタンをクリックまたはタップします。
辞書が翻訳ジョブに追加されました。
I18N 辞書について詳しくは、トランスレーターを使用した辞書の管理を参照してください。
翻訳プロジェクトの翻訳ジョブにページ、アセット、タグおよび I18N 辞書を追加できます。タグを追加するには:
翻訳プロジェクトの「翻訳ジョブ」タイルの下部にある省略記号をクリックまたはタップします。
「追加」、次に「タグ」をクリックまたはタップします。
追加するタグを選択し、チェックマークアイコンをクリックまたはタップします。複数選択できます。
タグが翻訳ジョブに追加されました。
「翻訳の概要」タイルには、翻訳プロジェクト用に設定されるプロパティが表示されます。「翻訳」タブには、一般的なプロジェクト情報に加えて、翻訳専用のプロパティが表示されます。
ページのリソースウィンドウを使用してプロジェクトが作成されると、上記のプロパティがソースページのプロパティに基づいて自動的に設定されます。
翻訳プロジェクトの「翻訳ジョブ」タイルには、翻訳ジョブのステータスとジョブ内のページおよびアセットの数が表示されます。
次の表は、ジョブまたはジョブ内の項目の各ステータスを示しています。
ステータス | 説明 |
---|---|
ドラフト | 翻訳ジョブが開始されていません。作成時の翻訳ジョブのステータスは「ドラフト」になります。 |
送信済み | 翻訳ジョブ内のファイルが翻訳サービスに正常に送信されると、このステータスになります。「リクエスト範囲」コマンドまたは「開始」コマンドの発行後に、このステータスになることができます。 |
スコーピングリクエスト | 人間翻訳ワークフローで、ジョブ内のファイルがスコーピング用に翻訳ベンダーに送信されました。このステータスは、「リクエスト範囲」コマンドの実行後に表示されます。 |
スコーピング完了 | ベンダーによる翻訳ジョブのスコーピングが完了しました。 |
翻訳をコミット | プロジェクトの所有者がスコーピングを受け入れました。このステータスは、翻訳ベンダーがジョブ内のファイルの翻訳を開始する必要があることを示します。 |
翻訳中 | (ジョブの場合)ジョブ内の 1 つ以上のファイルの翻訳がまだ完了していません。(ジョブ内の項目の場合)項目の翻訳中です。 |
翻訳済み | (ジョブの場合)ジョブ内のすべてのファイルの翻訳が完了しました。(ジョブ内の項目の場合)項目が翻訳されました。 |
レビューへの準備完了 | ジョブ内の項目が翻訳され、ファイルが AEM に読み込まれました。 |
完了 | 翻訳の契約が完了したことがプロジェクトの所有者によって示されました。 |
キャンセル | 翻訳ベンダーが翻訳ジョブの作業を停止する必要があることを示しています。 |
更新エラー | AEM と翻訳サービス間でのファイルの転送中にエラーが発生しました。 |
不明な状態 | 不明なエラーが発生しました。 |
ジョブ内の各ファイルのステータスを確認するには、タイルの下部にある省略記号をクリックまたはタップします。
翻訳ベンダーが翻訳済みのファイルを戻す必要のある期限を指定します。プロジェクトの期限または特定のジョブの期限を設定できます。
期限の設定を正しく使用できるのは、使用する翻訳ベンダーがこの機能をサポートしている場合のみです。
次の手順では、プロジェクトの期限を設定します。
「翻訳の概要」タイルの下部にある省略記号をクリックまたはタップします。
「基本」タブで、「期限」プロパティの日付選択を使用して期限を選択します。
「完了」をクリックまたはタップします。
次の手順では、翻訳ジョブの期限を設定します。
「翻訳ジョブ」タイルで、コマンドメニューをクリックまたはタップして、「期限」をクリックまたはタップします。
ダイアログボックスで、カレンダーアイコンをクリックまたはタップして、期限として使用する日時を選択します。「保存」をクリックします。
翻訳ジョブをスコーピングして、翻訳サービスプロバイダーから翻訳コストの見積もりを取得します。ジョブをスコーピングする場合は、ソースファイルが翻訳ベンダーに送信されます。翻訳ベンダーは、保存している翻訳のプール(翻訳メモリ)とテキストとを比較します。通常、スコープとは翻訳が必要な単語数です。
スコーピング結果の詳細を取得するには、翻訳ベンダーにお問い合わせください。
スコーピングはオプションです。スコーピングを行わずに翻訳ジョブを開始できます。
翻訳ジョブをスコーピングすると、ジョブのステータスは Scope Requested
になります。翻訳ベンダーがスコープを返すと、ステータスは Scope Completed
になります。スコーピングが完了したら、「範囲を表示」コマンドを使用してスコーピング結果を確認できます。
スコーピングを正しく使用できるのは、使用する翻訳ベンダーがこの機能をサポートしている場合のみです。
プロジェクトコンソールで、翻訳プロジェクトを開きます。
「翻訳ジョブ」タイルで、コマンドメニューをクリックまたはタップして、「リクエスト範囲」をクリックまたはタップします。
ジョブのステータスが「スコーピング完了」に変わったら、「翻訳ジョブ」タイルでコマンドメニューをクリックまたはタップして、「範囲を表示」をクリックまたはタップします。
翻訳ジョブを開始して、ソースページをターゲット言語に翻訳します。翻訳は「翻訳の概要」タイルのプロパティ値に従って実行されます。
翻訳ジョブの開始後、「翻訳ジョブ」タイルに表示されるステータスは「翻訳中」になります。
プロジェクトコンソールで、翻訳プロジェクトを開きます。
「翻訳ジョブ」タイルで、コマンドメニューをクリックまたはタップして、「開始」をクリックまたはタップします。
翻訳の開始を確定するアクションダイアログで、「閉じる」をクリックまたはタップします。
翻訳ジョブをキャンセルして、翻訳プロセスを中断し、翻訳ベンダーが以降の翻訳を実行しないようにします。ジョブが Committed For Translation
または Translation In Progress
ステータスの場合はジョブをキャンセルできます。
コンテンツが翻訳から戻り、「レビューへの準備完了」ステータスになったら、翻訳ジョブに移動してコンテンツを承認または却下できます。
「翻訳を却下」を選択した場合は、オプションでコメントを追加できます。
コンテンツを拒否すると、コンテンツは翻訳ベンダーに戻され、翻訳ベンダーではコメントを参照できます。
既存の言語コピーのコンテンツの翻訳が完了したら、翻訳をレビューし、必要に応じて変更を行ってから、翻訳を昇格して言語コピーに移動してください。翻訳ジョブのステータスがレビューへの準備完了と表示されたら、翻訳済みのファイルをレビューできます。
言語マスター内のページを選択し、「参照」をクリックまたはタップしたあと、「言語コピー」をクリックまたはタップします。
レビューする言語コピーをクリックまたはタップします。
「ローンチ」をクリックまたはタップして、ローンチ関連のコマンドを表示します。
ページのローンチコピーを開いてコンテンツをレビューおよび編集するには、「ページを開く」をクリックします。
コンテンツをレビューして必要な変更を行ったら、「昇格」をクリックしてローンチコピーを昇格します。
ローンチを昇格ページで、昇格するページを指定してから、「昇格」をクリックまたはタップしてください。
言語コピーを言語マスターと比較するには:
サイトコンソールで、比較する言語コピーに移動します。
参照パネルを開きます。
コピー見出しの下で、言語コピーを選択します。
特定の言語コピーを選択し、「マスターと比較」または「前と比較」(該当する場合)をクリックできます。
2 つのページ(ローンチページとソースページ)が左右に並んで開きます。
この機能の使用方法について詳しくは、ページの差分を参照してください。
ベンダーが翻訳したファイルのレビューが完了したら、翻訳ジョブを完了します。人間翻訳ワークフローの場合、翻訳の完了は、翻訳の契約が履行されたこと、およびベンダーが翻訳メモリに翻訳を保存する必要があることをベンダーに対して示します。
完了したジョブのステータスは「完了」になります。
翻訳ジョブが完了し、ジョブのステータスの詳細を確認する必要がなくなった場合は、ジョブをアーカイブします。ジョブをアーカイブすると、「翻訳ジョブ」タイルがプロジェクトから削除されます。
言語コピーの構造を作成して、翻訳対象のマスター言語からのコンテンツが言語コピーに含まれるようにします。言語コピーの構造を作成する前に、言語コピーの言語ルートを作成しておく必要があります。
サイトコンソールを使用して、ソースとして使用するマスター言語の言語ルートを選択します。例えば、Geometrixx Demo Site の英語ページを翻訳するには、コンテンツ/Geometrixx Demo Site/English を選択します。
ツールバーの「参照」をクリックまたはタップします。
言語コピーを選択してから、構造を作成する言語コピーを選択してください。
「言語コピーを更新」をクリックまたはタップして翻訳ツールを表示し、以下のプロパティを設定します。
「開始」をクリックまたはタップします。
プロジェクトコンソールを使用する場合は、翻訳プロジェクトを手動で作成できます。
翻訳プロジェクトを手動で作成する場合は、基本のプロパティに加えて、翻訳に関連する以下のプロパティに値を指定する必要があります。
翻訳ジョブのコンテンツをダウンロードできます。この機能は、コネクタを介して AEM と統合されていない翻訳プロバイダーに送信する場合や、コンテンツをレビューする場合などに使用します。
翻訳済みコンテンツを AEM に読み込むことができます。この機能は、AEM と統合されていない翻訳プロバイダーが、コネクターを使用してコンテンツを送信する場合などに使用します。